映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。



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Vol.12
映画「ラブ・アクチュアリー」表
「愛は、実は…私のそばにも」

by 小野暢子

「ラブ・アクチュアリー」って文法的に変?と思うかもしれない。また変な邦題をつけて、と配給会社に妙な嫌疑をかけたくなるが、実は原題も“Love Actually”。冒頭で“Love actually … is all around.”の言葉が出る。「愛は、実は…世の中にあふれている」と。

これはどうもリチャード・カーティス監督の信念のようだ。「ノッティングヒルの恋人」「フォー・ウェディング」など、イギリス一のラブコメ脚本家として名高い彼は、しじゅう恋愛の話について考えているらしい。(実際は“Love actually is all around in Richards mind”か?)ある日、このままでは一生を恋愛物に捧げるはめになると思い、9つのラブ・ストーリーを一本の映画で一気に見せるというアイデアを思いついた。気前いいなぁ。きっと、出来の良いストーリーが他にもたくさんあるんだろう、と今後にも期待してしまう。

そして、20人以上の登場人物、9つの物語がぎゅっと詰まった贅沢な作品が出来上がった。宣伝の核となっているのはヒュー・グラント演ずる英国首相(首相には見えない!)の話だが、もう一本の柱であるコリン・ファースの作家の話もいい。プロポーズに向かう場面が実にワクワクする。ロンドンから、彼女が住むポルトガルへ飛び、彼女の父親にプロポーズに来たと告げ、働いているレストランを教えてもらう。決意に胸を張りプロポーズに向かう彼の後ろを、町の人たちが何十人もついていく。みんな半分やじうまなんだけど、一方でプロポーズの成功を期待している。なんだか、映画を見ている自分の恋もきっと世の中のみんなが応援してくれる、と錯覚させられてしまうようなシーンだ。

だが、9つも話が入ると、一本平均わずか15分。それだけ短いと、さすがに全ての話にひねりを加えるのは難しい。ロバート・アルトマン監督のファンだったら、素直な群像劇の存在自体に驚き、展開に少々物足りなさを覚えるかもしれない。

しかし、これはアルトマンではなく、愛に信念を持つカーティスの作品。このひねりの無さこそが、映画を離れた実際の世界にも愛があふれているということを強調しているのだ。だからこそ、平凡な彼氏を持つ自分も実は幸せだと再確認させるし、今恋人のいない自分にもきっと恋のチャンスが訪れると期待をもたせる。恋愛映画の分かれ目は、観客が映画を自分にぐっと引き寄せられるかどうか。ならば「ラブ・アクチュアリー」は充分その役目を果たせる、成功した恋愛映画だ。


Vol.12 映画「ラブ・アクチュアリー」裏
      「群像劇の密かな楽しみ」


19人が織り成すそれぞれの愛のカタチ。

「ラブ・アクチュアリー」はこんな宣伝コピーがついた、19人の登場人物と9つの話からなる、英国製恋愛群像劇だ。
脚本も兼ねたリチャード・カーティスは、これが初監督。初めてにして9つもの話を見事にまとめることができたのは、彼がこれまで「ノッティングヒルの恋人」や「フォー・ウェディング」などの名脚本家として鳴らしてきた人であるから当然と言えば当然か。

しかし、これは群像劇。ストーリーだけではない。ズラズラ〜っと出てくる有名無名な俳優たちを見るお楽しみもついてくる。さえないと思っていた人の魅力を思わず発見したり、無名の新人に目をつけたり。そんな喜びが、登場人物の数に乗じてグンと増える。しかも、人とは違う自分だけのランキングをつけちゃったりして。いやー、たまらない。
さて、ここからは私だけの俳優ランキング。あなたと180度違ったとしても、蓼食う虫も好きずき。許していただきたい。

1位:ローワン・アトキンソン(丁寧なデパート店員)
言わずと知れたMr.ビーン。彼の顔がスクリーンに大写しになっただけで、客席が笑いどよめいた。顔がおかしかったわけではない。今から必ず笑わせてくれるという保証を感じて緊張がとけ、笑いが起こったのだ。もはや21世紀の喜劇王だ。

2位:ビリー・ボブ・ソーントン(好色な米大統領)
こんなにハンサムだったか?サンダーバードの人形を思わせもするが、48歳にしては整った小顔で、色気が漂う。この色気は5回の結婚の賜物か?以前は、アンジェリーナ・ジョリーのにやけた亭主というイメージが強かったのだが…。離婚前、アンジェリーナと熱々のころは互いの下着を付け合うほどのスケベぶり。その彼が好色な大統領とはまさに適役。

3位:ロドリゴ・サントロ(片思いされるデザイナー)
まさに甘〜いマスク。私の周りでも惚れた人急増中。希少価値の高いブラジル人俳優というのもポイント。鍛えた体が売りなのか、この作品でも「チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」同様、褐色の肌を惜しげも無くさらしている。見ているこちらが恥ずかしくなるほどの肉体美。

だいぶ映画の優しげな雰囲気とはズレてきたようなので、この辺でやめておこう。他にも、コリン・ファース、ヒュー・グラント、ローラ・リニー…と書き出したら、きりが無い。
さて、あなたのお気に入りランキングには誰が入ってくるだろうか?

小野暢子 Nobuko Ono

日本映像翻訳アカデミー 基礎コース修了生。現在は派遣社員。近い将来、実践コースに進学意向。
一介の映画好き。ライバル:おすぎ