映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

「第42回シカゴ国際映画祭」現地リポート〜当校初の試みとなった、「海外映画祭 公式協賛事業」の報告です〜

Text by Aiko Shiochi (翻訳センター)

■「Zガンダム」ついに北米初上陸!

10月7日、機動戦士Z(ゼータ)ガンダム劇場公開三部作、「星を継ぐ者」、「恋人たち」、「星の鼓動は愛」が英語字幕付きで上映されました。
それぞれの作品の上映後には、富野監督を交えてのQ&Aの時間が設けられました。

事前には関係者から「日本人にとってさえ複雑なストーリー構成の作品。アメリカ人には理解されないのでは」という心配の声も上がっていたのですが、どうやらそんな心配は必要なかったようです。いずれの作品も、大好評のうちに幕を閉じました。

Zガンダムの主人公はカミーユ・ビダンという少年。しかし、1stガンダム・シリーズの主人公であったアムロ・レイが劇中に登場すると、大きな拍手が起こりました。ガンダム・ファンに国境無し! です。アムロやカミーユのコスプレに身を包んだ現地の少年の姿も見かけました。

●ガンダムに教わった映像翻訳の価値
  翻訳に携わる者として、興味深かった質疑応答があります。アニメーションを勉強中だという学生が、富野監督に次のように尋ねました。

「自分の作品が翻訳されてアメリカナイズされてしまうことに抵抗はありませんか?」

富野監督の答えは、「まったくない」――。

というのも、監督はおよそ30年前にガンダムの構想を練り上げる時点で、「世界に出る作品」を意識していたそうです。登場人物たちからは、できる限り日本独自の文化に起因するようなジェスチャーや言葉遊びを排除したと言います。その発想に大いに感銘を受けました。

でも、ちょっと待って下さい。だとすれば、日常、そんな配慮がまったくない海外の作品を相手に回して格闘している映像翻訳者の苦悩と苦労って……。
私たちの仕事の難しさを痛感するとともに、それらを乗り越える努力で多くの日本の視聴者の役に立つのだという意義を再認識しました。

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