ケビン・コスナーの最高傑作だあ!
前回紹介したケビン・コスナーの最新作「For Love Of The Game」、観ました。北上次郎風に言うと、「観ろ!観ろ!観ろ!」ですね。コスナー復活というより、彼の最高傑作でしょう。 9点!
実はケビン・コスナーには思い入れがあります。今から14年ほど前に、レンタルビデオ屋で「アメリカン・フライヤー」(日本未公開)のパッケージに「ケビン・コストナー」の名前を見つけて(当時はまだ無名で表記も違っていた)、「お、「ファンダンゴ」に出てたカッコイイやつ」、とばかりすぐに借りて観たのです。何とこれが妙にすがすがしい傑作。妻に「こいつ、いいぞ。3年以内に大スターになるから見てろよ!」と一人で興奮して宣言したのでした。
この直後にコスナーは大ブレーク、「シルバラード」で大量の女性ファンを得て、「アンタッチャブル」でジェームズ・スチュワートと比較された後、「追いつめられて」、「さよならゲーム」、「フィールド・オブ・ドリームズ」などヒットを連発、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」でアカデミー作品・監督賞を獲った後も、「ロビンフッド」、「JFK」、「ボディーガード」と、その手を緩めませんでした。
ところが離婚のせいなのかはともかく、その後の凋落ぶりは目を覆うばかりで、「ティン・カップ」はまだいいとしも、「パーフェクト・ワールド」(クリント・イーストウッド監督・共演にもかかわらず)、「ワイアット・アープ」(同時期公開のカート・ラッセル主演の同じ話「トゥームストーン」の方がはるかに上)、「ウォーターワールド」(言葉もない)、「ポストマン」(何が言いたい!)は、ひいき目に見ても天下の失敗作でした.そしてついに昨年の「レター・イン・ザ・ボトル」は・・・観なかった。
以上が昨日までの私の赤裸々なコスナー体験談でしたが、「For Love Of The Game」で嬉しい1ページが加わりました。(ここからはある程度ストーリーに触れるので、気になる方は読まないで下さい)
舞台はヤンキー・スタジアム。コスナーは、19年間デトロイト・タイガース一筋で投げて来た40才の大投手、ビリー・チャペルに扮します。この日はシーズン最終戦で、チャペルが先発。しかし試合前に、球団オーナーからチームの身売りと自分自身のトレードを言い渡され、さらに5年越しの恋人ジェイン(ケリー・プレストン)からも別れを告げられます。ジェインの乗るロンドン行きの飛行機が飛び立つ頃、チャペルは失意の中でヤンキース相手に第1球を投げます。そして試合が進む中で、野球を教えてくれた父親、ワールド・シリーズでの活躍、ジェインとの出会いと別れ、これら彼の人生のひとこまひとこまが、フラッシュバックで静かに語られます。
トレードを受けるか引退するか、ジェインは何故去っていったのか、チャペルはその答えをこの試合で見つけて行きます。そして迎えた7回裏、スコアボードを見上げたチャペルは気づきます。まだ自分が1人のランナーも出していないことに・・・。
ケビン・コスナーほど野球のユニフォームが似合う俳優はちょっと思いつきません。野球しか知らない男が、野球を通して自分の人生を見つめ直して行くプロセスは説得力があり、感動を与えます。ケリー・プレストンもチャペルとの出会いを通して次第に自己を確立して行くジェインを力強く演じていて、もはやジョン・トラボルタ夫人というレッテルは不要です。
「For Love Of The Game」は感動的なラブストーリーであり、よく出来た野球映画であると共に、優れた人生ドラマです。
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