映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

Mr.DOBASHI no テキサス映画通信

”Houston, we have a problem!(6)

Dobashi Shuichiro 土橋 秀一郎


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10月31日はハロウィンでした。こちらでは、”New Year's Eve”、”Super Bowl”、”Halloween”が3大Night Eventだそうです。子供の扮装はかわいいですね、ピカチュウもいました。大人とティーンエイジャーのコスチュームとメークは悪趣味そのもの、でもアメリカらしくて私は割と好きです。小学生の息子はダースモールのコスチュームで出かけました。

「Bringing Out The Dead」を観たついでに映画館の写真を撮りました。映画館の数は多く、私の家から車で20分以内のところに、全部で100近くのスクリーンがある計算になります。写真は大手映画館チェーンのひとつ、Cinemark系の”Hollywood 20”のもので、その名のとおり20のスクリーンがあります。座席はすべてカップホルダー付きの”Stadium Seat”。日本にも多い階段を上って行くタイプですが、大きくてレッグルームもたっぷりと取ってあり快適そのもの。スクリーンは大きく、前面の壁がほとんどスクリーンという感じ。料金はどこも夕方6時までは4ドル前後、6時以降は6−7ドル。東京で1600円払っていたことを考えると、1本観るたびに1000円づつ貯金していることになる(?)。2番館ではロードショー落ちの作品が25セントから1ドル75くらいで観られます。

ここから本編。今回は年齢もスタイルの異なる3人の名監督の最新作をレビューします(点数は10点満点、7点以上お勧め)。

1.「Fight Club」 8点

(監督:デビッド・フィンチャー、主演:ブラッド・ピット、エドワード・ノート
ン、ヘレン・ボナム・カーター)
うーむ、これにはハマった。終わるまで目が離せなかったぞ。不眠症の無気力サラ リーマン(エドワード・ノートン)は、見るからにアウトサイダーな謎の男タイラー (ブラッド・ピット)に出会ってから、暴力の魅力に取り憑かれて行く。2人はやがてアンダーグラウンドで「Fight Club」を結成するが、ストーリーはここ から予想外の展開に、というより、予想がつかない。デビッド・フィンチャーが、 「セブン」、「ザ・ゲーム」の雰囲気そのままに、ピットのカリスマ性とノートンの極上演技を見事に引き出したアナーキーでカルトな2時間20分だ。
ブラッド・ピットは凄いね。「12モンキーズ」、「スリーパーズ」、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」、「ジョー・ブラックによろしく」、そして本作と意図的に役柄を変えてる。中でもこの作品は彼の最高作でしょう。「ブラピー」って呼ぶのは止めて欲しいよ、ほんと。一方エドワード・ノートンの演技は、ほとんどケビン・スペイシーの境地か。
女性の貴方、「ブラッド・ピットがカッコよく裸で殴り合う映画」と侮らないように。男性の貴方、「ブラッド・ピットが女性ファンに裸を見せるだけの映画」と敬遠しないように。「Fight Club」は楽しくもなく、感動することもない。ただあなたを引き込み、ねじ伏せる。
(オフィシャルサイト: http://www.foxmovies.com/fightclub

2.「Story Of Us」 7点

(監督:ロブ・ライナー、主演:ミシェル・ファイファー、ブルース・ウィリス)
いい作品です。アメリカで1番映画を観る30−40代の主婦層に強くアピールしています。結婚して15年、気持ちが冷めつつある夫婦(ミシェル・ファイファーとブルース・ウィリス)が、息子と娘がサマーキャンプで家を離れる数週間、別居してお互いの結婚生活を振り返ります。
「あなたは昔の私たちの姿を追ってばかりで、今の私たちを見ようとしない」 「15年かかって一緒に築いて来たのよ、今の私たちもあの子供たちも」 2つの相反する気持ちの葛藤を、ミシェル・ファイファーが熱演。日本では「ダイ・ハード」のイメージが強いウィリスも、本来この手の役柄は得意なんです。また、とかく暗くなりがちなストーリーを、ウィリスとその親友を自ら演じるロブ・ライナーの軽妙なやりとりが救っています。「恋人たちの予感」には及ばないにしても、ロブ・ライナー監督が得意な分野を手堅くまとめているという感じです。
(オフィシャルサイト: http://www.thestoryofus.net/

3.「Bringing Out The Dead」 6点

(監督:マーティン・スコセッシ、主演:ニコラス・ケイジ、パトリシア・アーク エット)
「つまらない名作」と言ったところですか。「マーティン・スコセッシ作品における黒澤明の影響」なんてことを真面目に研究している人たちにはこたえられない1本でしょう。不眠症のパラメディックを演じるニコラス・ケイジよし、スコセッシ監督の撮る夜のマンハッタンよし、脇を固めるパトリシア・アークエット、トム・サイズモア等々よし、音楽よし、批評家の評判よし、にもかかわらずつまらない。実際素晴らしいカットが幾つもあって、誉めたいのですがつまらない。私の基準は「観て面白いかどうか」だけなので、6点止まり。過去のアカデミー作品賞受賞作から5番目くらいに退屈な作品を選んで観ると、本作と同じような感じを受けるでしょう。
でも、私を含めて世の中にはスコセッシにアカデミー監督賞をあげたい人は多いので、案外ノミネートなんてのがあったりして。
(オフィシャルサイト: http://www.bringingoutthedead.com/


これから年末にかけて、大作、話題作、賞狙いミエミエ作が目白押し。予告編を観て覚えている11月公開予定作だけでも以下の通り。