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初めてのThanksgivingで一番驚いたのは、地元の人々が嬉々としてX'masの飾り付けを始めたこと。「君たち、ちょっと早いんじゃない」と思いつつも、X'mas映画を観始めている自分に気づく今日この頃です。
今回はThanksgivingの全米トップテン作品をレヴューするのだ!
(得点は10点満点、7点以上お薦め。数字は11月最後のウィークエンドの興収/累計)
第1位 「Toy Story 2」(9点、80/80百万ドル)
(声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン、ケルシー・グラマー)
金額もダントツなら面白さもダントツ。この時期はファミリームービーが有利とはいえ、この数字は圧倒的。内容的にもトム・ハンクスを始めとする芸達者な声優陣、CGの美しさ、感動的なストーリー、どれを取っても一級品。誘拐されて日本のコレクターに売られるウッディ(ウッディって、実はレア物だったんですよ)を、バズとその仲間が救出に向かうという単純なストーリーだが、友情をストレートにうたった点には共感できる。細部のアイディアの積み重ねが素晴らしく、各キャラクターが際立っていて、脚本にも充分時間をかけていることが分かる。先日「Iron Giant」をベタ誉めしたばかりだが、まだ舌の根も乾かぬうちに「ディズニー凄い!」と言ってしまおう。
(オフィシャルサイト:http://www.toystory2.com/)
第2位 「007/The World Is Not Enough」(7点、34/76百万ドル)
(主演:ピアース・ブロスナン、ロバート・カーライル、ソフィー・マルソー、デニス・リチャーズ)
ロバート・カーライルの悪役が本作の成功のキーポイントでしょう。何たって銃撃戦で受けた弾丸が頭の中に残っていて、全く痛みを感じない、死を待つテロリストなんですから。ひょっとしたら「オースティン・パワーズ」の影響で、Dr. Evil的悪役を避けたのかも。いつも間の抜けた要塞に立てこもって、ジェイムズ・ボンドにいいとこ取りされるだけでは能がないですよね。とにかく先頭に立ってひたすらテロ活動に励むロバート・カーライルは美しい。それからボンドの上司の「M」。昨年「恋に落ちたシェイクスピア」の30秒出演でオスカーを獲ってしまったジュディ・ディンチが、罪ほろぼしのつもりか、今回はフルスロットルで出演(別に嬉しくはありませんが)、誘拐までされてしまう。と言う訳で、今回の007はちょっと印象が違う。「Q」の後釜(?)の「R」役でジョン・クリースも出ている。「ゴールデン・アイ」、「トゥモロウ・ネバー・ダイ」に続いてジェイムズ・ボンドを演じるピアース・ブロスナン。取りたてて魅力がある訳ではないが、「探偵レミントン&スチール」で顔が売れていることもあり、アメリカ・マーケットではおおむね評判がよろしいようです。ボンドガールはソフィー・マルソーとデニス・リチャーズで、どちらもOK。全体的にアクションに新味とキレがない点に不満は残るものの、一応優れた娯楽作になっていて合格。新ボンドカーのBMW-Z8もカッコイイぞ。
(オフィシャルサイト:http://www.jamesbond.com/)
第3位 「End of Days」(7点、32/32百万ドル)
(主演:アーノルド・シュワルツェネガー、ガブリエル・バーン)
批評家からは酷評されてますが、これは結構イケますよ。「T2」以降のシュワルツェネガー作品の中では一番いいでしょう。西暦2000年の午前0時に運命の娘と一体になるためにNYに甦った悪魔。悪魔の世界支配を阻止するために、バチカンの殺し屋もまた娘を狙う。娘を助け、得意のワンマン・アーミーとなって戦う元刑事がシュワルツェネガー。無茶苦茶下らないと言ってしまえばそれまでだが、今回はガブリエル・バーン演ずる悪魔が断然光っている。バーンは悪魔が乗り移った銀行家なのだが、書くのがはばかられるくらいやりたい放題。この人昔はパッとしなかったが、「ポイント・オブ・ノーリターン」、「ユージュアル・サスペクツ」あたりから頭角を現わした。「エネミー・オブ・アメリカ」でも出番は少ないが印象に残り、少し前のハーベイ・カイテルのような存在になりつつある。シュワルツェネガーも今回は人間に近いほどほどの強さで好感が持てます。
(オフィシャルサイト:http://www.end-of-days.com/)
第4位 「Sleepy Hollow」(27/62百万ドル)
(主演:ジョニー・デップ、クリスチーナ・リッチ)
ティム・バートン監督の最新作。観てません。やたらと首が落ちるそうです。
(オフィシャルサイト:http://www.sleepyhollowmovie.com/)
第5位 「Pokemon;The First Movie」(9/78百万ドル)
邦題名「ミュウツーの逆襲」。サトシは英語版ではアッシュ。ピカチュウは、「ピ」にアクセントがある。同じ時期に「Toy Story 2」を見せられると、日本人としてはちょっと恥ずかしいものがある。とはいえ公開3週間で78百万ドルの興業収入で、配給元のワーナーはほくほく。家族で観ていないのは私だけ。ヒューストンではポケモンカードもsold out。
(オフィシャルサイト: http://www.pokemonthemovie.com/)
第6位 「The Bone Collector」(6点、8/54百万ドル)
(主演:デンゼル・ワシントン、アンジェリナ・ジョリー)
今では一つのジャンルになってしまった感のあるシリアル・キラーもの。公開1週目でボックスオフィス1位に入った本作は、物語の半分までは「おお、「羊たちの沈黙」、「セブン」に匹敵するか」と思わせるほどの出来。“NY Crime Scene Unit“(犯行現場の検証チーム)の頭脳であるデンゼル・ワシントンは、落盤事故で下半身不随になった後、安楽死を希望する毎日。しかし特異で残虐な殺人事件を目の当たりにしてから、新米女性刑事(アンジェリナ・ジョリー)と、過去の犯罪に関する驚異的な知識を駆使して犯人に迫って行く。ここまでのワシントンは正に迫真の演技。ところが後半からストーリーに破綻が生じ始め、結末もスッキリしない。犯人の動機も説得力がない。本当に惜しい。それにしてもこの作品は細部の聞き取りが出来ないと面白さも半減。私のリスニングではちょっとつらかった。英語は若いうちにやっておこうね。
デンゼル・ワシントンは無実の罪で投獄されるボクサーを演じる「Hurricane」も控えており、こっちに期待だ。
(オフィシャルサイト:http://www.thebonecollector.com/)
第7位 「Dogma」(5/21百万ドル)
(主演:マット・デイモン、ベン・アフレック、クリス・ロック、アラン・リックマン)
豪華キャストによる小品。ちょっと宗教色が強そうで、今回はパスしました。
(オフィシャルサイト:http://www.dogma-movie.com/)
第8位 「Anywhere But Here」(7点、4/15百万ドル)
(主演:スーザン・サランドン、ナタリー・ポートマン)
アカデミー賞を意識した作品の一つでしょうが、少し演出がクサイ点に目をつぶれば見ごたえ充分の佳作。一人娘(ナタリー・ポートマン)を女優にしようとウィスコンシンからビバリー・ヒルズに引っ越してくる強引な母親がスーザン・サランドン。前作「ミッドナイト・ムーン」よりナイーブで、ちょっとはすっぱな役どころ。女性の成熟と老いが見え隠れするこの役は、サランドン以外考えられない。一方「SW:エピソード1」のクイーン・アミダラ役も記憶に新しいナタリー・ポートマン(「レオン」でファンになった人も多いでしょうね)。奔放な母親に振り回され、反抗しながらも次第に自我に目覚めていく多感な娘を見事に演じていて、ひょっとしたらオスカーノミネートか。物語が起伏に乏しいせいか、何となく終わってしまう感があるが、新旧の実力派女優の演技が堪能できる。また、サランドンをもてあそぶプレイボーイや、優しい警官などの脇役が印象的で、こういう作品を観ると、ちょっと得した気分になりますね。
(オフィシャルサイト: http://www.foxmovies.com/anywherebuthere)
第9位 「The Insider」(8点、3/22百万ドル)
(主演:アル・パチーノ、ラッセル・クロウ、クリストファー・プラマー)
映像翻訳アカデミー「実践コース」が懐かしい、CBSの「60minutes」を舞台にした必見の社会派ドラマ。1995年に現実に起こった事件をベースにしている。メジャーのタバコ会社をクビになり、生活のために会社の実状を暴露しようとする元研究所長にラッセル・クロウ。35歳のクロウは、タバコ会社にこれでもかと脅迫され、家庭も崩壊、精神的に参っていく52歳の男を熱演する。クロウは素晴らしいの一語。一方「60minutes」のプロデューサーにアル・パチーノ。番組の名物インタビュアー、マイク・ウォレスにクリストファー・プラマー。リスクが大きすぎると、放送中止を決めるCBSに、アル・パチーノが真っ向から対立。決定をくつがえすためにありとあらゆる手を使う。この辺りのたたみかけるような演技は彼の真骨頂。それにしてもタバコ会社の資金力って凄い。天下のCBSを買収できるってんだから。とにかく主演2人の演技は圧巻で、アカデミー賞ノミネートを期待します。監督は「ヒート」、「ラスト・オブ・モヒカン」のマイケル・マン。この人は私にとっては映画監督というよりあの「マイアミ・バイス」の製作者。2時間40分という長さなので、興業的には苦戦中。
(オフィシャルサイト: http://movies.go.com/insider)
第10位 「Being John Malcovich」(5点、3/12百万ドル)
(主演:ジョン・キューザック、キャメロン・ディアズ、ジョン・マルコビッチ)
なんとあのジョン・マルコビッチの頭の中に入ってしまう不思議な扉を発見した人形師(ジョン・キューザック)を巡る、奇想天外なラブ・ストーリー。ジョン・マルコビッチという選択は秀逸。ジョン・マルコビッチだよ、ジョン・マルコビッチ(知らない人はとりあえず「コン・エアー」と「ラウンダーズ」を速やかに観ること)。本人が本人役で出演している。で、面白いかっていうと、そうでもない。万人向けでない評論家やマニア向けの作品にしちゃった。部分的には凄く面白いが、テンポが遅くて不要と思える描写が多すぎる(この遅いテンポと不要な描写は、センスのない評論家に受けるポイント)。ゆえに、基本的にはおすすめしません。ただ、特筆すべきはキャメロン・ディアズ。「ジム・キャリーのマスク」ではお飾りだったが、昨年のスマッシュヒット「メリーに首ったけ」で大ブレーク、本作では演技開眼といったところ。レズビアンに目覚めるキューザックの妻を好演している。公開の近いNFLの舞台裏を描いたオリバー・ストーン監督の大作「Any Given Sunday」ではコーチのアル・パチーノと対立するチームオーナーを力強く演じている。
(オフィシャルサイト: http://www.beingjohnmalkovich.com/)
おまけ。今日「ミッション・インポッシブル2」の予告編を初めて観たけれど、えらく面白そうだった。何たって監督は「Face/Off」のジョン・ウー。主演は勿論トム・クルーズ。オレもミーハーだなあ。
さて、次回はX'mas映画の目玉、トム・ハンクス主演、S・キング原作の「The Green Mile」をレポートする予定。楽しみに待つがいい。 |