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Mr.DOBASHI no テキサス映画通信

”Houston, we have a problem!(83)

Dobashi Shuichiro 土橋 秀一郎


Backnumber

***2006年度秋の新番組特集 −そのA***
2006年最終回は、前回の続きとしてTVの既存シリーズの中から自信を持って薦められる11シリーズを紹介する(半分くらいは日本でも放映されているのではないか)。


1. 「Grey's Anatomy」(ABC) A+

視聴率争いで「CSI」、「Desperate Housewives」と毎週3つ巴の戦いを演じている、シアトルの病院を舞台にした超人気シリーズ。エレン・ポンピオ、パトリック・デンプシーを始めとして、医師・インターンを演じる主要キャストに相互に働く強烈なケミストリーと、「ER」と「Friends」を足して2で割ったようなストーリー設定のおかげで、「観始めると止められない状態」に陥る。第3シーズンに入ってデンプシーとバーク医師役のイザイア・ワシントンの確執が取りざたされるなど、チームワークにひびが入りかけているのが気懸かりだが、当分牙城は崩れない気配だ。wowowで放映中だが、観ていない人はこれ1本のためだけでも契約する価値はあるぞ。


2. 「Battlestar Galactica」(Sci-fi) A+

現在第3シーズンの前半が終わったところで、1月21日から後半が再開する。「Star Trek: The Next Generation」さえもがひ弱に見える硬派のSFシリーズだ。新シーズンでは宿敵サイロンに降伏した人類が生き残りをかけてテロ行為を行うのだが、各エピソードは自爆テロや裏切り者の処刑も辞さない凄まじさだ。常に現状否定と問題提起を行うプロデューサーの姿勢には微塵の妥協もなく、アダマ提督役で主演を務める名優エドワード・ジェームズ・オルモス(「Miami Vice」(TVシリーズ)、「Stand and Deliver」)の演技には、依然としてオーラが輝いている。おそらくTVのSFシリーズ史上最高の作品だが、SFファンに止まらず、ドラマファンにも広く薦められる。


3.  「24」(Fox) A+

第3シーズンでやや失速したと思ったら、続く第4シーズンで見事に盛り返し、第5シーズンでは過去最高の視聴率を取った、今さら紹介の必要もない人気シリーズ。先日のエミー賞でも見事作品賞と主演男優賞に輝いた。前シーズンの最終エピソードは誰もが思わず固唾を飲む展開で終了したが、果たしてジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)はどうやって故国へ生還するのか?新たな脅威とは何なのか?新シーズンは1月14日からスタートする。映画化も進んでいるぞ。


4.  「The Shield」(FX) A

LAPDでスペシャルフォースを組む悪徳刑事ヴィック(マイケル・チクリス)とその仲間の活動を描く、迫力のポリス・アクションドラマ。刑事としての倫理観に欠けていて、賄賂は受け取るし殺人も行うが、その一方で正義感もあり、仲間と家庭を愛するヴィックの複雑なキャラクターは今でも新鮮だ。グレン・クローズをヴィックの上司としてレギュラーゲストに迎えた第4シーズンも申し分のない出来栄えだったが、フォレスト・ウィテカーが内部調査官役でヴィックと対立する第5シーズンは、それ以上との評判だ(このシリーズはすべてDVDで観ているので、第5シーズンはまだ見ていない)。


5.  「Veronica Mars」(CW) A

第3シーズンが始まった、いわばティーンエイジャーによる「探偵物語」(ちょっと古いか)。クリステン・ベルが演じるヴェロニカは、元シェリフで今は私立探偵をしている父親(エンリコ・コラントーニ)を手伝いながら、学校で起きるあらゆる事件を解決して行く。個々のエピソード以外に、第1シーズンでは親友の殺人事件と母親の失踪、第2シーズンではスクールバスの爆破事件と恋人の殺人嫌疑と言う難問を抱えていて、これらはシーズン単位で解決される。フィリップ・マーロウがしばしば引き合いに出されるほど、ヴェロニカはクールでしかも才色兼備。これに"学園モノ"としてのハイブリッドな面白さも加わり、いつの間にかはまってしまう。現在放映中の第3シーズンでは舞台がヴェロニカの大学生活へ移されたが、この新設定が機能するかどうかは興味深いところだ。


6.  「Dead Zone」(USA) A-

スティーブン・キング原作、'83年にクリストファー・ウォーケン主演で映画化され、これまで第4シーズンまで製作されているホラータイプだが骨太の人間ドラマ。交通事故で昏睡状態に陥り6年間を過ごしたジョニー(アンソニー・マイケル・ホール)は、目覚めると婚約者は別の男と結婚していて、その上人や物に触れるだけで過去と未来の出来事がわかるという特殊能力が身についていた。と聞いてもさほど新味は感じないだろうが、このシリーズにはハートがあり、超能力者になったジョニーの使命感と苦悩がひしひしと伝わって来る。USAというマイナーなケーブル局の製作だが、感動もののエピソードがごろごろしている宝の山のようなシリーズ。
ちなみにシーズン4のファイナル・エピソード"A Very Dead Zone Christmas"は、心暖まる忘れ難いクリスマスストーリーだ。


7.  「Prison Break」(Fox) B+

無実の罪で死刑囚となった兄(ドミニク・パーセル)を脱獄させるために、自ら計画して投獄されたマイケル(ウェントワース・ミラー)。ファーストシーズンではマイケルの精緻を極めた脱出計画が克明に描かれたが、第2シーズンでは脱獄後のマイケルたちと、それを追うFBIの凄腕エージェント(ウィリアム・フィクトナー)との息詰まるだまし合いが展開される。本シリーズの魅力は、腹は誰よりも据わっているが暴力を抑えて頭脳で勝負するマイケルと、それを取り巻く強烈な個性を持つ囚人たちのキャラクターだ。現在第2シーズンの前半が終了して1月の再開を待つが、「24」との連続パンチでまた人気がはね上がるはずだ。


8.  「House M.D.」(Fox) B+

エミー賞を取ったヒュー・ローリーがタイトルロールを演じるメディカルドラマ。良くも悪くもローリーの1人舞台で、この屈折した性格の天才医グレゴリー・ハウスのキャラを好きになれるかどうかで全てが決まる。現在シーズン3を放映中で、脇役が弱いのがウィークポイントだが「CSI」のような単発のエピソードなので、気の向いた時にだけ観られるという気軽さはある。


9.  「The Office」(NBC) B+

今回紹介する11シリーズ中唯一のコメディ。主演は「The 40 Year Old Virgin」のスティーヴ・カレルで、元々はBBCの同名シリーズのアメリカ版だが、本作の方が癖がなくてなじみ易い。カレル演じるマイケルは中堅製紙会社の支店長で、自分が最高の上司だと信じて疑わない脳天気で嫌な奴。面白いのはマイケルがアメリカにおけるハラスメントや雇用制度などの諸ルールを片っ端から破っていくところで、ルールを理解しているほど面白い(逆に言えばこれは日本の駐在員は必見と言うことか)。現在第2シーズンが放映中だが、準キャラのジム(ジョン・クラシンスキー)とパム(ジェナ・フィッシャー)の淡いロマンスにも人気が出てきて、ファン層は広がりつつある。


10.  「Lost」 B+

飛行機の墜落事故で孤島に生き残った人々のサバイバル・ストーリーだが、基本的には「Twin Peaks」的不条理ドラマ。ファーストシーズンは先の展開どころか状況設定も謎だらけで興味津々だったが、問題は展開が遅くて第3シーズンに入ってもさほど謎が解明されていない点だ。第3シーズンの後半は2月から再開されるが、最近は少し食傷気味になってきている。解決も「Twin Peaks」のように不条理にならなければ良いのだが…。


11.  「Sleeper Cell」(Showtime) B+

「24」の対極を行く、テロ行為をテロリストの側から描いた異色ドラマ。イスラム系のテロ組織「ファリク」の"Sleeper cell"として、ロサンゼルスのテロ行為に参画するFBIのおとり捜査官ダーウィン。彼の目を通してテロの計画−準備−実行が克明に描かれて行く緊迫感は相当なもの。製作はHBOのライバル、Showtimeで、12月からシーズン2がスタートした。


上記シリーズ以外では、ボルチモアの麻薬取引の実態に迫る迫真のドラマ「The Wire」(HBO)、チャーリー・シーン主演のコメディ「Two and a Half Men」、日本でも放映中の「Without a Trace」、コメディの老舗「South Park」、おなじみの「CSI」、「CSI: Miami」、「Law & Order」、更に「Numbers」、「Las Vegas」、「Crossing Jordan」あたりまではまあ無難な選択だろう。一方「Boston Legal」、「Desperate Housewives」、「Medium」、「Ugly Betty」(これは新番組)、「My Name is Earl」、「Cold Case」、「Gilmore Girls」、「Six Feet Under」(HBO)、なども評価が高いが、好みの問題と物理的に時間がないのとで今のところフォローしていない。


そして以下はクリスマスムービー8本のレヴュー。圧巻の「Dreamgirls」はくれぐれも見逃さないように。




1.  「The Fountain」 D+
(出演: ヒュー・ジャックマン、レイチェル・ワイズ、エレン・バースティン)

ヒュー・ジャックマン(「The Prestige」)とレイチェル・ワイズ(「The Constant Gardener」)という魅力的なキャストにつられて観ると馬鹿を見る、この上なく退屈でうんざりさせられる理解不能な作品。ジャックマンが演じるのは、末期ガンを患う妻(ワイズ)を持つガン研究医トーマス。トーマスは同時に妻が執筆中の「The Fountain」という物語の中でも、マヤ文明の探検家と、宇宙で漂う宇宙飛行士として登場するが、ストーリーは正直言って良く分からない。要するに一種の実験的作品なので、必ずしもワースト映画とは言えないが、本コラムが主旨とするエンターテインメント的見地から採点すれば、「最低」の部類に入る。5ドルと貴重な2時間を失った上に、マスターベーションを見せられてはたまらない。試験品じゃなくて完成品を持って来いって!
(オフィシャルサイト: http://thefountainmovie.com


2.  「Blood Diamond」 A-  
(出演: レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー)

西アフリカのダイヤモンド鉱山を舞台に展開する、硬派アクションドラマの秀作。ダイヤの密輸をしている元傭兵のダニー(レオナルド・ディカプリオ)は、鉱山で巨大なダイヤを掘り当てたと噂されるソロモン(ジャイモン・フンスー)と留置場で出会う。ダニーは、軍政府と反乱軍との血生臭い戦争によって家族を引き裂かれたソロモンに対して、ダイヤと引き換えに家族を取り戻す手伝いを申し出る。
タフで屈折した性格のダニーを演じるディカプリオ、本作の良心ともいえるソロモン役のフンスー(「Gladiator」、「In America」)、クールな雑誌記者マディ役のジェニファー・コネリーと、主役3人のいずれも説得力のある演技は、作品に圧倒的なリアリティーを与えている。2時間20分の作品だが、テンポ良く繰り出されるアクション、人間ドラマとしての面白さ、さらにアメリカのダイヤモンド業界とアフリカのダイヤモンド鉱山との癒着を暴き出す社会性とが見事に融合した一級品。
(オフィシャルサイト: http://www.blooddiamondmovie.com


3.  「Pursuit of Happyness」 B+
(出演: ウィル・スミス、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス、サンディー・ニュートン)

「The Fresh Prince of Bel-Air」でTVコメディを、ラッパーとしてグラミーを、そして映画スターとして殆んど全てのジャンルを制したウィル・スミスが、極貧からスタートした実在の株式ブローカー、クリス・ガードナーを演じる感動のサクセスドラマ。クリスは医療機器のセールスマンで、頭は切れるが金儲けが下手なために、妻(「Crash」のサンディー・ニュートン)にも去られてしまう。クリスはようやく株式ブローカーの実習生となるが、生活費も底を尽き、やがて息子のクリストファー(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)と共にホームレスの生活を余儀なくされる。
確実に破滅に向かっていくガードナー家の貧乏ぶりがリアルに描かれ、金がないのでサンフランシスコ市内を走り回ってばかりいるウィル・スミスの演技は妙に説得力がある(「Lethal Weapon」のメル・ギブソンより走る)。クリストファー役のジェイデン・スミスはウィルの8才になる実子だが、自然な演技とキュートな声で好感が持てる(過剰演技のダコタ・ファニングとは対照的だ)。それにしても、この暗くて地味なストーリーをクリスマスシーズンの全米トップに入れてしまうとは、ウィル・スミスの人気・実力は計り知れないものがある。本当の意味で初めて人種の壁を破ったアクターは、シドニーポワチエでもデンゼル・ワシントンでもなく、ウィル・スミスではないか。
尚、タイトル中の"Happyness"はスペルミスではなく、冒頭でその理由が語られる。
(オフィシャルサイト: http://www.Sony.com/Pursuit


4.  「We Are Marshall」 B+ 
(出演: マシュー・マコノヒー、マシュー・フォックス、デヴィッド・ストラザーン、アンソニー・マッキー、ロバート・パトリック)

'70年代初頭、ウエストヴァージニアのマーシャル大学アメフト部のコーチ、選手、サポーターら75名を乗せたチャーター機が墜落、全員が死亡した。
本作はこの悲劇をベースとした人間ドラマで、実質的にゼロからスタートする新ヘッドコーチのジャック・レンギール(「Sahara」のマシュー・マコノヒー)と、マーシャル大の校長デドモン(「Good Night, and Good Luck」のデヴィッド・ストラザーン)の葛藤を中心に、運良く悲劇を逃れたものの生き残った罪悪感に苦悩する選手やコーチ、そして悲しみで骨抜きになった貧しい町の再建が活写される。脚本は個性的な選手の描き分けが甘く、またマコノヒーの作り過ぎの演技が多少鼻につく。だが事故が起きてから新生アメフト部が生まれるまでの前半は緊迫感がみなぎっていて息もつかせず、クライマックスは史実の持つ説得力も加わって感動的だ。監督は「Charlie's Angels」シリーズのマックGだが、意外に真面目に撮っている。クリスマスシーズンに観る"Uplifting movie"としては理想的だ。
(オフィシャルサイト: http://www.wearemarshalll-themovie.com


5. 「Charlotte's Web」 B+ 
(出演: ダコタ・ファニング、声の出演: ドミニク・スコット・ケイ、ジュリア・ロバーツ、キャシィ・ベイツ、ロバート・レッドフォード、スティーブ・ブセミ、ジョン・クリーズ、オプラ・ウィンフリー)

およそ心ある映画ファンなら一度は観ているはずの'73年のアニメ版「シャーロットのおくりもの」(原作E.B.ホワイト)を、「Babe」のような話す動物スタイルで仕上げた実写版。農家の娘(「War of the World」のダコタ・ファニング)に飼われる子豚のウィルバーは、クリスマスになるとベーコンにされる運命が待っていた。だが、ウィルバーの唯一の友だち、クモのシャーロットは何とか子豚を助けようと一計を案じる…。
オリジナルの感動がストレートに伝わって来るだけでも最近のリメイクの中では抜きん出ているが、加えてCGを駆使して紡がれる"Charlotte's Web"の美しさと、ジュリア・ロバーツによるシャーロットの吹き替えは絶品。大人も子供もシンプルで大きな感動が得られる、子供にだけ見させておくのは勿体無い一作。
(オフィシャルサイト: http://www.charlotteswebmovie.com


6.  「Rocky Balboa」 B+ 
(出演: シルベスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、ミーロ・ヴェンティミグリア、 監督兼脚本: シルベスター・スタローン)

これは全く予想外の出来の良さで驚かされる、スタローンが監督・脚本・主演をこなしたシリーズ第6弾。妻に先立たれ、サラリーマンの息子からは敬遠されているロッキーは、寂しくイタリアンレストランを経営してそこそこの生活をしていた。だがESPNが実施した現役ヘビー級チャンプ、ディクスン(アントニオ・ターヴァー)対ロッキーのコンピューター・シミュレーションでロッキーが勝ったことから、2人のエキシビションマッチの話が持ち上がる。
この作品、チャンプ役のアントニオ・ターヴァーは今ひとつ迫力不足だし、ラスベガスでのファイティングシーンも過去作品の焼き直しに近い(そもそもチャンピオン側がロッキーに試合を申し入れる理由が不自然だ)。しかし絶望的に孤独で、醜く、善良で、年老いてもなお心の奥底で戦いに飢えている元チャンプを体現するスタローンの姿には、胸を打たれるものがある。人間ドラマとしての前半が素晴らしい出来なのだ。第4作、第5作の失敗後、スタローンは自力で本シリーズを壊滅から救った。エンドクレジットに流れる、フィラデルフィア美術館の前庭でロッキーのようにファイティングポーズを取るフィラデルフィアっ子のクリップが印象的だ。本作が最終作になることを願う。
(オフィシャルサイト: http://www.rocky.com


7.  「The Good Shepherd」 B+  
(出演: マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・タトゥーロ、ウィリアム・ハート、ビリー・クラダップ、アレック・ボールドウィン、ロバート・デニーロ、マイケル・ガンボン、監督: ロバート・デニーロ)

米ソの冷戦下、CIAの誕生と過酷な諜報部員の現実を描いた、暗くて渋いエスピオナージュの佳作。ウィルソン・エドワード(マット・デイモン)は、イェール大学在学中にOSS(CIAの前身)からリクルートされ、諜報活動に従事するようになる。やがて彼はCIAの創設とともに頭角をあらわし、次第にその中心的役割を担うようになる。
本作のハイライトはマット・デイモンで、恋愛も家族も捨て任務が人生の全てとなった男を、終始ストイックに演じる。デイモンはデレッとした顔をしていても元々ハーバード中退の秀才なので、頭脳明晰なエドワード役にぴったりで、ジェイソン・ボーン役よりずっと気が利いている。エスピオナージュと言ってもアッと驚くようなツイストは用意されていないが、エドワードの腹心を演じるジョン・タトゥーロを始め、アレック・ボールドウィン、マイケル・ガンボン、ロバート・デニーロなど、芸達者な脇役陣も充実している。監督は'93年の「A Bronx Tale」以来これが2度目のデニーロ。なかなかのクラフトワークで2時間40分の長丁場を最後まで引っ張って行く。
(オフィシャルサイト: http://www.thegoodshepherdmovie.com


8.  「Dreamgirls」 A 
(出演: ジェイミー・フォックス、ビヨンセ・ノウルズ、エディ・マーフィー、ジェニファー・ハドソン、アニカ・ノニ・ローズ、キース・ロビンソン、ダニー・グローバー)

紛れもなく今年のホリデーシーズン最大のムービーイベントとなった、'60年代後半のモータウン(デトロイト)を舞台にした名作ブロードウェイ・ミュージカル。キャデラックを売りながら芸能プロデューサーとしてのし上がろうとするカーティス(ジェイミー・フォックス)は、シカゴから出て来た3人娘ディーナ(ビヨンセ)、ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)、イフィ(ジェニファー・ハドソン)の才能に目をつけて成功への階段を上り始めるが…。
「Ray」でオスカーを獲ったジェイミー・フォックスと歌姫ビヨンセに加えて、落ち目のR&Bシンガーを演じるエディ・マーフィーによる復活の仰天演技、とどめは「American Idle」の敗者ジェニファー・ハドソンが真価を見せる圧巻の歌唱力と、全編を通じて見せ場の連続で完全にノックアウトされる。結集された才能を指揮したのは、「Chicago」の脚本も書いたビル・コンドン。ビヨンセが歌い上げる"Listen"と、ジェニファー・ハドソンの"And I Am Telling You I'm Not Going"、そしてエンディングの後には場内から大きな拍手が沸き起こる。ショービジネス界でしか生きられない者たちの成功と凋落、挫折と再生、愛と友情が活写される、ビターだが後味も悪くない豪華で贅沢な本年度必見の一本。マルチオスカーノミネーションは確実。観るべし。
(オフィシャルサイト: http://www.dreamgirlsmovie.com



次回はクリント・イーストウッドが贈る「Flags of Our Fathers」の姉妹編、「Letters from Iwo Jima」(Houstonでは1月公開予定)他のレヴューと、「第8回 輝け!Texas Movie Awards」の発表だ。