映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

スクールについて

映像翻訳についての理解を深めよう!

〜ここでは映像翻訳の入り口に立つための基礎知識を簡単にご紹介しましょう。

「映像翻訳」の誕生
 90年代前半までは、「映像翻訳」と言えば一部の専門家による劇場用映画や、米国の一部テレビドラマの字幕や吹き替えを指す言葉に留まっていました。しかし、90年代後半から急速に進行している世界的な多メディア化・多チャンネル化によって、ニュース報道、ドキュメンタリー、ファッション・料理・生活全般などの情報番組、スポーツ関連番組、英語圏以外の国の映像コンテンツ(番組などの映像作品)などが、日本でも楽しめるようになりました。それにより映像翻訳は、より多くの技能者が多様なコンテンツに対して行う開かれた職能として、認知されるようになってきたのです。

 日本の生活者の考え方も大きく変わってきています。海外の映像コンテンツに対する関心や、世界中の映像コンテンツを「楽しみたい、知識を学びたい」という想いが拡大しているのです。こうした生活の変革の波は、世界中で進行しており、今後も加速度的に海外映像コンテンツの輸入や日本のコンテンツの輸出が広がっていくと予測されています。
 
 しかしながら、日本はこれまでほぼ完全な単一言語国でした。英語をはじめとする外国語の映像コンテンツから、オリジナルの意図をそのまま理解できるような語学力を持つ人の割合は極めて低いというのが現状です。したがって、海外映像コンテンツは字幕や吹き替えなど、ローカライズ(日本語化)という作業を施さないと、多くの人に楽しんでもらうことができません。別の見方をすれば、せっかくの映像素材も商品価値を失うことになります。

 こうした「社会ニーズ」と「言語的ギャップ」を特定のスキルをもって埋めていくのが「映像翻訳」です。「映像翻訳」は従来日本で行われてきた「実務翻訳」や「通訳」とは異なるスキルやルール、知識などを必要とする新たな職能であり、先に解説した理由によって、その必要性は年々増加しています。

 日本映像翻訳アカデミーが開校した当時(1996年)は、「映像翻訳」の熟練技能者は極めて少ない状況でした。ここまでのメディア市場の変化、ニーズの変化が予測を上回るスピードで進行していたからです。しかし当校がそうした動向をいち早く察知し、職能カリキュラムとして導入してからは、「映像翻訳技能者の育成が急務である」という認識が映像業界・英語教育業界はもとより、一般にも広く拡大しています。
 当校はそのような状況の中で発展している映像翻訳教育の専門校です。

映像翻訳者の仕事
 衛星放送や地上波デジタル放送など、300を超えるチャンネルのコンテンツの多くは、海外のテレビ番組・映画などによって支えられています。そうした圧倒的な‘量の変化’が、ローカライズ(日本語化)のビジネスモデルや手法に、根本的な変革を迫るきっかけとなりました。従来一部の専門家に託されていた映像字幕・吹き替え需要は急激に拡大し、「映像翻訳業」は“メディアセンスと語学力”を活かしたい多くの人にとって開かれた職務となったのです。

 視聴者は映像翻訳の「質」を意識するようになってきています。例えば「ゴルフのレッスン番組」を観る人は、ゴルフに対する興味・知識が比較的高いわけです。いくらキャリアの長い映像翻訳者が手掛けても、ゴルフに関する基本知識が伴なわなければ視聴者を満足させることができません。スポーツがわかりやすい例ですが、例えば「映画」でもSF、歴史もの、法廷ものなどによって、求められる知識や経験は異なりますし、今後そうした細分化の傾向は強まっていくと予想されます。今日の映像翻訳者には、自分の専門知識・趣味・特技を生かすこと、つまり「適材適所」で働くという考え方が重要になっているのです。

 また、映像翻訳サービスを視聴者に提供する放送局・制作会社・翻訳会社などには、多くの素材を処理するために「短時間に的確な翻訳を行うビジネスモデル」が求められています。これまでの職人的な作業とは根本的に異なるしくみです。そのため、従来のように「1つのコンテンツは一人で翻訳する」というやり方から、「1つのコンテンツを複数(チーム)で翻訳する」というような発想の転換が求められています。
 当校では「翻訳センター」を設置し、専門のスタッフがそうしたビジネスモデルの研究を他に先駆けていち早く進めており、既に現場の実務の中にも取り入れ始めています。映像翻訳者を目指すには、今より先の市場ニーズ・ビジネス環境を読み解き、それに合わせた効率的な学習を行うことが大切です。

映像翻訳者の資質
 当校では「映像翻訳者」に必要なスキルを「英語力」「翻訳力」「取材力」「日本語表現力」の4つに分類し、個々に有効な教育を行っています。しかし、映像翻訳には、もう一つ必要な資質があります。それは「映像翻訳は視聴者のためにある」ことを理解し、視聴者を想定して言葉作りを行う力です。

 不特定多数の視聴者像を正確に想定するのは難しい作業です。しかし、「映像翻訳」に携わる人なら、スキルの向上と並行して、常に世の中の動き(流行・トレンドの変化や世代感覚など)を把握することが大切です。「正確かつわかりやすい翻訳」は、技術と視聴者想定の両輪が揃ってこそ、初めて実現するのです。

 需要の拡大に比例して多くの映像翻訳者が必要とされるだけでなく、より確かな技術を持って翻訳を提供する能力が求められています。「映像翻訳」とは、誇りあるプロフェッショナルの職能であることを忘れずに、一歩一歩技術を向上させること、サービスの対象である世の中(視聴者)の変化に目を向ける努力を積み重ねてほしいと思います。
 それによって自分の中にあるセンス・専門性・趣味・語学力は必ず生かされるでしょう。