日本映像翻訳アカデミー

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トライアルに合格するための「思考法」を学ぼう!
第2回 つねに疑問を持とう
プロになれる人となれない人とでは、英文を見た時からその見え方が違っています。
映像翻訳者に必要な「英文解釈力」とは、文法の理解や構文の把握といった英語の基本的なことだけではありません。最も大切なのは「プロの思考法」を身につけることなのです。

第2回目となる今回のテーマは「違和感センサー」。
プロレベルになかなか届かない人の原稿の中には、英文を日本語にただ変換しただけというものも見受けられます。ここからもう一歩進むために必要なのは、自分の訳文を眺めて「いや、ちょっと待てよ」と冷静に判断する視点です。具体例を見てみましょう。

<つねに疑問を持とう>

下記は、懐石料理と日本の四季について書かれたエッセーの一部です。

When asked to define kaiseki, Chef Yoshihiro Murata, owner of kaiseki restaurants in Tokyo and Kyoto, often answers: "It is eating the seasons." That really is the essence of kaiseki, but more precisely, it is an elegant style of cooking descended from snacks that were served to ward off hunger during the tea
ceremony.


東京と京都に懐石料理店を構える料理人の村田吉弘さんは「懐石料理とは」との問いに「季節を食すること」と答えています。この1文目の訳を踏まえて2文目の more precisely の訳語について考えてみてください。

「preciselyだから『正確に』で問題ないでしょ?」と考えた方、もう少し慎重に。そのように訳した場合、ちょっとした問題が起こります。1文目との流れを受けた文章ということを忘れていませんか?「正確に」と訳して満足する前に、頭の中でブレーキを踏んでください。ブレーキを踏むとは次のように考えることです。

「『より正確に』と訳したら、 料理人の村田吉弘さんによる懐石料理の定義が正確性を欠いていることになる。村田さんは懐石料理店を営んでいる人だよね。その人による定義が正しくないなんてことあるのかな?『季節を食すること』という定義が間違っているとは思えないし」

このブレーキがまさに「違和感センサー」なのです。最初に浮かんだ訳語に対して少しでも気持ち悪さを感じたら、無理やりアクセルを踏んで前に進むのではなく、ブレーキをかけて立ち止まり、もっと深く考えてみましょう。

<プロになれない人>

○日本語に変換しただけで満足する

<プロの映像翻訳者>

◎頭の中では常に「違和感センサー」が働いている

<上記を踏まえた訳例>
東京と京都に懐石料理店を構える料理人の村田吉弘さんは「懐石料理とは」との問いに「季節を食すること」と答える。それが懐石料理の本質であることは間違いない。しかし、より丁寧に由来を説明すれば「茶会の間の空腹しのぎに出された軽食から派生した優雅な料理」となる。


(Text by English Clock 主任講師 山根克之)

≪トライアルに合格するための「思考法」を学ぼう≫
第3回 シーンごとのテーマを見つけよう
第1回 英和辞書に“答え”を求めるな
第4回 情報の取捨選択を適切に行う


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