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PLAY HARD 蘇れ!日本男子バレー 〜北京への道〜
執筆名:山岡 恵

■第7回  熱戦が続いた国内リーグ戦が終了
  今シーズン輝いていた選手は!?


2006年3月、第12回Vリーグのシーズンが終了しました。
前年の10月から始まり、11月の国際大会をはさんだ今回は、一つ前のシーズンよりも試合数が増え、長丁場となりました。記憶に残る数々の熱戦。それらが、このシーズンを特別なものにしてくれました。バレー・ファンにとっては、この5ヶ月間があっという間だったのではないでしょうか?

優勝チームは、監督2年目となる中垣内祐一(なかがいち・ゆういち)氏が率いる堺ブレイザーズでした!
チーム順位および個人賞の結果は公式サイトで確認できます。
http://www.vleague.net/men/2005/finalround.php

北京オリンピック予選大会まであと2年。全日本男子チームに誰が選ばれるのかが気になる私です。今シーズンの結果、2006年の国際大会を戦うメンバーに果たして誰が選ばれるのか?

3月初旬には、「財団法人日本バレーボール協会」から「2006年度  全日本男子チーム候補メンバー(35名)」の発表が行なわれました。選手名+個々の詳しい情報がわかるリストはこちら。
http://www.jva.or.jp/japan/am-members20060307.html

35人の候補選手の名前をながめていると、なんだか全日本の監督になった気分になります。スターティング・メンバーは?作戦は?などなどの構想が頭の中を駆け巡ります。私にとってはそれがまた、とても楽しいひと時なんです。

■私の注目は個性あふれるこの3選手!石島・北川・山本が跳ぶ!
3月下旬から、全日本男子チームは合宿に入ります。当面の目標は、7月15日に三重県からスタートする国際大会「2006ワールドリーグ」です。
ここでは、北京オリンピックに向けて、私が特に注目する3人の選手について紹介します。この3人、2005年度には全日本選抜メンバーに選ばれていません。だからこそ、大きな期待を寄せている選手たちなのです。

石島  雄介(堺ブレイザーズ所属)
22歳  197p/100kg  ポジション:サイド・アタッカー

ニックネームは「ごっつ」(「ごっつい」からきたそうで、中学時代からのあだ名)。ものすごいヤツが現れました。これからの日本男子バレー界を背負って立てる実績と実力を持つ選手だと感じさせます。
筑波大学を2006年の3月に卒業。ということは、すでに「内定選手」として、堺ブレイザーズで試合をしていたのです。前回のコラムで、堺ブレイザーズの観戦記を書きましたが、実はその日の試合が石島選手のVリーグデビュー戦だったんです。
応援団長のなかたなおきさんが「新人です。ニックネームは“ごっつ”。応援用のプラカードがまだできてないんで、手書きですが、応援よろしく!」と紹介して、笑わせてくれたのを思い出します。以後の活躍ぶりが、堺ブレイザーズにリーグ優勝を導いたといっても過言ではありません。
特長は、その日本人離れした体格。体重100kg。バレー選手には、「身長−110=体重」がだいたい当てはまるのですが、彼は一見、ラガーマンみたいです。試合中は実に堂々と胸を張り、大きな声とジェスチャーで、新人だということを感じさせない気合でチームを引っ張っていました。
動きはすばやくプレイも細やかで、サーブやスパイクは強烈かつ正確。レシーブやブロックも文句なしの、これぞオールランドプレイヤーです。
私としては、試合後のインタビューにしっかりと言葉を選んで話すところも合格!「ああ、この人はひたむきな人だ」といつも感動します。北京オリンピックの鍵を握る男であることは間違いなし!
もっと詳しく知りたい人は→http://www.blazers.gr.jp/player/03ishijima.htm

北川  祐介(豊田合成トレフェルサ所属)
28歳  195p/83kg ポジション:センター

この選手、石島選手とは正反対の、細面で、優しい顔立ちが印象的。体全体を見ても、きゃしゃで細いなと誰もが感じるでしょう。正式に代表入りが決まれば、2002年以来4年ぶりとなります。日本きっての「頭脳派センター・プレーヤー」です。
今シーズンは、前回に引き続き2度目となる「ブロック賞」を受賞しました。2005年度は「松下電器・パナソニックパンサーズ」でキャプテンを務めていましたが、今期は豊田合成に移籍。
その理由は、「将来指導者になるために、大学に戻って勉強するため」だそうです。バレーと勉強の両立を図るという条件に見合ったチームが豊田合成だったんですね。愛知県出身という地の利を考えてのことでしょう。今年の豊田合成の戦績は、残念ながら下から数えて2番目でしたが。
実は、ファンの間では「ブログを立ち上げた最初のVリーグ選手」としても知られています。穏やかな人柄がにじみでている文章に、多くのファンが和んでいます。バレーネタはもちろん、愛犬ネタも豊富(愛妻ネタについては書いてない模様)。
もっと詳しく知りたい人は→http://www.toyoda-gosei.co.jp/trefuerza/players/02.html
北川選手のブログは→http://kitagawa.ameblo.jp/


山本  隆弘(松下電器パナソニックパンサーズ所属)
27歳  200p/90kg ポジション:スーパーエース

この選手の甘いマスクがきっかけでバレーボールにハマった女性ファンはかなりの数にのぼるはず。かく言う私もその一人なんです…。
2003年秋、たまたま観たワールドカップ大会のテレビ中継で、「こ、このイケメンは誰!?」と目が釘付けになった日のことを、今でも覚えています。世界各国の強豪チームが集結したその大会で、山本選手はなんと「スパイク賞」を受賞しました。この大会のあと、松下電器を退職して、同チームとプロ契約を結んだことも話題になりました。
しかし翌年2004年5月に始まったアテネ五輪予選から、受難の時代を迎えます。全日本チームはフルセット負けが続き、スパイクが決めきれないスーパーエース、山本選手の責任が問われます。気持ちの弱さを指摘するマスコミもありました。そんなことから、2005年には全日本選抜チーム入りを本人から辞退。合宿には参加せず、ひたすら自主トレーニングに明け暮れていました。
今リーグの最終戦の山本選手。かつての華やかさは影をひそめていますが、肩の力を抜きながらも冷静にプレイするその姿に、私は山本選手の復活を見たような気がしました。そして、その成果は今リーグの個人集計表の数字にもはっきりと現れています。
最多得点:リーグ第3位
(1位、2位、4位、5位は全て各チームの外国人選手)
アタック決定本数:リーグ第3位
(1位、2位、4位、5位は全て各チームの外国人選手)
サーブ効果率:リーグ第3位
(1位は、サントリー・サンバーズの越川  優選手、2位・4位は外国人選手)
なんといっても目を引いたのは、山本選手の「ノータッチ・エース」の数の多さです。「ノータッチ・エース」とは、相手チームの選手が、サーブで打たれたボールを触れることができずに、サービスエースになることを言います。サーブが強力でないとなかなか出てこないものです。その「ノータッチ・エース」を山本選手はリーグ1位の数で、通算19本!(サーブ効果率で上位にいる外国人選手でも10本、越川優選手は8本)。
恵まれた体格、そしてサウスポー。スーパーエースとしての資質は世界標準ともいえる人です。

今リーグの個人集計表について、もっと詳しく知りたい人は→
http://www.vleague.net/results/2005/pdf/12123_1.pdf

山本選手もブログを立ち上げています。彼の優しい人柄が伝わるほのぼの系ブログです。
もっと詳しく知りたい人は→http://www.panasonic.co.jp/sports/panther/player05/5yamamoto.htm
山本選手のブログは→http://www.takahiro5.com/qa/qa.htm

3選手の今後の活躍に期待しましょう!


● バレーボールの豆知識(2)
【スーパーエース】
2006年1月に一緒に観戦した友人から、ポジション名について質問を受けました。「スーパーエースってなんですか?」「オポジットっていうのは?」と聞かれ、すぐ答えられずうーんと考えてしまった私です。
スーパーエースはふつうのエースとは違う、ということは確か。じゃあ、どこが違うのか?(参考:月間「バーサス」2005年12月号別冊付録)。
まず「スーパーエース」というのは日本独特の呼び名。世界標準では「アウトサイドヒッター」あるいは「オポジット」と言います。ほとんど攻撃だけに専念する役割で、とにかく打って打って打ちまくるポジションです。どんな状況でもスパイクを決めることを期待される選手です。
「エース」とは主にコートの左サイドに位置して攻守の要となるアウトサイドヒッター。試合の実況や専門誌などでは「レフト」と呼ばれることが多いようです。前衛にいるときはスパイク・ブロックを、後衛にいるときはレシーバーとしての役割を担うように、オールランドなプレイヤーであることも求められます。
昨年度、全日本チームは「スーパーエースを置かない」という指針を打ち出していました。「置かない」のではなく、そうなるべき人物が「いない」と、私は解釈していました。
ちなみに、2003年のワールドカップ、2004年のアテネ予選の全日本チームでは、山本隆弘選手(松下電器パナソニックパンサーズ所属)がスーパーエースとしてがんばっていました。今年は彼が全日本に戻ってきます。きっと、新たな起爆剤となってくれるでしょう。

さて、次回のコラムでは、「私が選ぶ全日本選抜メンバー」を発表します!2008年の北京オリンピックに出場するまでの道のりを追いかけ続けます。どうぞお楽しみに!