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■第8回 発表!「私が選ぶ全日本選抜メンバー」 |
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■第1回強化合宿終了。初めて紅白試合を観戦しました
先日、全日本男子選抜メンバーの勇姿を「生」で見てきました!
全日本男子選抜メンバーは、3月30日(木)〜4月9日(日)まで、埼玉県所沢市で第1回強化合宿を実施。最終日をしめくくる紅白試合を観戦してきた模様をお届けします。
会場は、さいたま市記念総合体育館のメインアリーナ。浦和駅からバスや車を使わないと行けないような辺鄙な場所にあるにもかかわらず、入場無料という魅力も手伝ってか、お客さんの多いこと!おおまかに数えてみましたが、おそらく1,000人は入っていたでしょう。コートサイドのアリーナ席は、1時間前からびっしりと人で埋まっていました。
バレーの魅力を世に広めたいと願うファンの一人としては、うれしい誤算です。私は2階席の前のほうに適当な席を見つけ、コートサイドから観戦しました。
顔を揃えたメンバーは、「2006ワールドリーグ男子バレーボール大会」のエントリーメンバー(選手22名)のうち、17名でした。
この日の時点で、ブラジル出身(2004年に日本国籍取得)の杉山マルコス選手(堺ブレイザーズ)は、故障のためエントリーメンバーから抜け、中央大学1年生の福澤達哉選手が代わりにエントリーしていました。また、期待していた山本隆弘選手(松下電器・パナソニックパンサーズ)と伊藤信博選手(堺ブレイザーズ)も故障のため、今回の合宿を断念しています。彼らが果たして次回の合宿に合流できるか否かは定かでなく、その点だけがなんとも残念ですが、この3人にはワールドリーグの後に開催される2006世界バレーの大会にはぜひとも戻ってきてもらいたいと思います。
もう1点、チーム・キャプテンの荻野正二選手の姿が見えないことが気になりました。後からわかったのですが、荻野選手は怪我の治療のため今回の合宿は不参加で、この日は大阪で開催されていた第48回近畿6人制バレーボール総合男子・女子選手権大会(通称:近畿総合)の会場に姿を現していたそうです。
紅白戦に参加した17名を、所属チーム別にまとめてみました。
(順不同。敬称略)
●サントリー・サンバーズ(5名):山村宏太、鈴木寛史、越川優、津曲勝利、栗原圭介
●堺ブレイザーズ(3名):石島雄介、千葉進也、増野彰
●JT・サンダーズ(2名):尾上健司、直弘龍治
●東レ・アローズ(5名):齋藤信治、阿部裕太、柴田恭平、高杉洋平、田辺修
●NEC・ブルーロケッツ(1名):松本慶彦
●豊田合成・トレフェルサ(1名):朝長孝介(その後4月14日に、豊田合成を退部し堺ブレイザーズに移籍したと報じられました)
■自分の能力をアピールする選手たち
17名の選手に元・全日本のエースで、現在は東レ・アローズ所属の泉川正幸コーチを加えた18名が紅白に分かれ、3セットマッチの試合を行いました。
率直な感想ですが、この紅白戦、わけがわからないまま終わってしまった感じです(笑)。どちらのチームにも作戦があるようで、無い。両チームに監督がいないことも影響しているでしょう。とりあえずは各チームにキャプテンがいて、タイムアウトを取るタイミングを決めていたようですが、内容としては試合らしいものではありませんでした。
まず、選手たちは皆おそろいの濃紺のTシャツ姿なので、打っている選手が誰か等を瞬時に判別できず、ひと苦労。ネームと背番号入りのユニフォームが持つ意味をつくづく実感しました。
一応味方同士の紅白戦とはいえ試合なので、ユニフォーム姿になってほしかったと思います。そんな中、私は記者のように選手を目で追い、各チームの選手名を懸命にメモに取っていたのですが、2セット目から紅から白チームに、白から紅チームに選手が何名か移って…。「えー?!ちょっと待って…」と混乱する私を尻目に、試合は競り合いの中スピーディに展開していきました。おそらく、植田監督は勝ち負けというよりも、いろいろとコンビネーションを変えて試しながら、今回の合宿後の選手の出来具合も見ていたようです。
選手たちは声をかけあってチームプレイに努めてはいるものの、一方で、(いいところを見せよう)とがんばっているのが大変よくわかりました。お世辞にもチームワークなんてものは、そこには存在していません。
エントリーされた選抜メンバーの22名は、さらに12名に絞り込まれて、夏の「ワールドリーグ」に出場する予定です。そう考えると選手個々の「アピール」も当然の行為ですね。ポジションがだぶっていれば、みんなライバルですから!
結局、白チームが2セットを取り、試合終了。
先のリーグで優勝した堺ブレイザーズの選手たちの元気なノリが印象的でした。点が入るたびに輪になって、雄叫びをあげるのです。これまでの全日本男子チームには無かった「意気のよさ」を感じました。
これも堺ブレイザーズをリーグ優勝に導いた石島選手の「ごっつ」効果かもしれません。石島選手の愛称の「ごっつ」は、ごつい、から付けられた中学時代からのニックネーム。顔もごつい、体格も日本人離れしていて一見ラガーマンみたいです。全日本のユニフォームでも背番号の上のネームには本名の「石島(=ISHIJIMA)ではなく、この愛称「ごっつ(=GOTTSU)」を入れることが認められたそうです!全日本代表では前例はないそうで、日本バレーボール協会も粋なことをするものだなあと思いました。筑波大学時代はポジションがセンターだったこともあり、サイドアタッカーに転向した後もそのブロックは素晴らしい。大型新人です。ちなみにあの厳しい植田監督が、先のVリーグの後半戦の試合での実況中に、石島選手を「全日本の救世主」とまで呼んでいました。その言葉からも、「ごっつ」にいかに大きな期待がかかっているかがよくわかりますね。
この紅白戦では、泉川コーチ(35歳)がプレーでも攻守ともに抜群のうまさを見せてくれたのも印象的でした。ご本人も「まだまだやれるぜ!」と思ったのでは?何せ、1歳上の荻野選手が全日本チームのキャプテンをはっていますし、泉川コーチはつい2年前までバリバリの現役選手だったのですから、この活躍も不思議じゃありません。
植田辰哉監督も含め、泉川コーチ、荻野選手の3人は、今のところ全日本男子が出場した最後のオリンピックである14年前のバルセロナ五輪の出場メンバーなのです。その時の日本の成績は6位。植田監督はキャプテンでありセンターとして活躍しました。
そんな現役に近いコーチ&監督の下での厳しいトレーニングなら、選手たちは納得するだろうなと思いました。
■私ならこの12人を選びます!
お待たせしました!私が選んだ12名の全日本選抜メンバーを発表します。中でも特に私が関心を寄せる2選手について、今回詳しくご紹介します。
セッター:阿部裕太、*宇佐美大輔
リベロ(レシーバー):増野彰、津曲勝利
センター(ミドルブロッカー): 山村宏太、伊藤信博、*北川祐介
アタッカー:石島雄介、越川優、*加藤陽一、山本隆弘、荻野正二
(*印の3選手は、この夏の「ワールドリーグ」エントリーメンバー以外から選出)
■熱きセッター、阿部裕太選手
アべちゃんこと阿部選手は、前々回(第11回)のVリーグで優勝した東レ・アローズの正セッターとして活躍し、その年の新人賞を受賞しました。現在24歳で、同じくセッターの宇佐美選手(NEC・ブルーロケッツ。27歳)とは、東海大学バレー部時代に先輩後輩の間柄でした。
阿部選手は2003年のワールドカップからアテネ予選までの期間、常に宇佐美選手の控えに甘んじていましたが、ひとたびコートに出るチャンスがあれば、吠える吠える。先輩を叱咤激励するほど"熱い男"。以前はほっぺたが赤くて素朴な少年のような面持ちでしたが、この2年ほどでずいぶん大人びた顔つきに変わりました。
セッターにしては長身(191cm)かつサウスポーという強みを生かし、ツーアタックを決めるのが得意なアベちゃん。今後の成長が楽しみです。
阿部選手のプロフィールはこちら↓
http://www.toray.co.jp/arrows/men/player/html/arr_a009.html
■バレー界のプリンス、またの名を"海を渡ったサムライ"、加藤陽一選手
私が今回選んだ12名の中には、今年度の国際大会出場のための条件となる全日本男子候補にすら選ばれていない選手が一人います。それが加藤陽一選手。2003年のワールドカップでは全日本チームのキャプテンを務め、2004年のアテネ五輪予選にも全日本メンバーとして参加。当時のマスコミが加藤選手に付けたニックネームは「海を渡ったサムライ」。
そのニックネームをテレビ中継の画面で始めて目にした時は、「ぷっ」と笑ってしまいました。しかし、彼は2000年から3年連続で「オールスター人気投票」1位に選ばれるなど、バレーボール選手として絶頂期を迎えていた時期に海外リーグのトライアウトを受け、日本を離れヨーロッパに武者修行へと旅立った選手だったのです。「そんな彼にはぴったりのニックネームかもしれない」と今は思います。
加藤選手は、イタリアのセリエA、ギリシャ、フランスのチームを渡り歩いて経験を積みながら、2003年から2004年にかけて全日本メンバーとしても活躍。海外チームに所属する加藤選手が全日本チームでも活躍できるように、日本バレーボール協会は従来の全日本メンバーの選考基準にあった「Vリーグもしくは大学に所属する選手」という部分を削除しています。
昨年の夏にヨーロッパから戻った加藤選手はJT・サンダーズの一員となりました。カリスマ的な存在感があり、お洒落。髪型をしょっちゅう変えています。スパイクを打つ際の滞空時間が長いことや、その上品な物腰から、「空飛ぶプリンス」などとも呼ばれていました。彼がスパイクを放つフォームは非常に美しく、必見です。
加藤選手の華麗なる経歴はこちら↓
http://www.sports-biz.co.jp/athlete/detail_katou.php
■ライバルはまだまだいるぞ!今年と来年が勝負!
実は、加藤選手と似たようなタイプの選手が今年度の全日本候補メンバーに3人選ばれています。共通点は、スパイクを打つ際の滞空力、小技も巧み、サーブ・レシーブが安定していること。身長は190センチに若干満たないけれど、がっちりとした体格。千葉進也選手(堺ブレイザーズ)、大村悟選手(NEC・ブルーロケッツ)、川村慎二選手(松下電器・パナソニックパンサーズ)です。
彼ら3人には他にもう1つ忘れてはならない共通点があります。それぞれの所属チームでキャプテンを務めている、というところ。つまり精神的支柱となれる選手であるということ。私は加藤選手にもその資質は十分にあると考え、ぜひとも全日本選抜メンバーに抜擢したい。
世界バレーの最高峰ともいえるイタリア セリエAのチーム(シスレー・トレビゾ)で優勝を経験した加藤選手。そんな彼の経験を日本チームは国際試合で活かさない手はないでしょう!
彼自身、テレビの取材に答えて「全日本に選ばれるために日本に戻ってきた」と、力強く語っています。先の第12回リーグでは、強力なアタッカー陣を豊富に有するJT・サンダーズにおいて、ガブリエル・ガードナー選手(第12回Vリーグ得点王、ベスト6賞受賞。2004年アテネ・オリンピック4位のアメリカ・ナショナルチームの出身)の控えとしての役回りでした。本人はもっと試合に出て自分の存在感をアピールしたかったはずです。まずはチームでレギュラーポジションを確保し、今後はまわりを圧倒するくらいの活躍を見せて、満場一致で全日本メンバーに返り咲くことを期待しています。今年の夏に30歳を迎える加藤選手にとって、次回のリーグは「北京への道」を賭けた最後の勝負ともいえるかもしれません。
■中・高生に大人気!爽やかプレーヤー、越川 優選手
最後は、第2回のコラムでもご紹介した全日本男子のアイドル的存在、越川選手の情報です。先のリーグでは「サーブ賞」、「敢闘賞」、「ベスト6賞」を同時に受賞し、21歳という若さながら大物ぶりを見せつけてくれました。彼は北京に向けて核となる選手の一人だと確信しています。
越川選手の公式サイトはこちら↓
http://www.geocities.jp/kosikawa_website/
※このサイトのBBSでは女子中・高校生バレー少女の書き込みがほほえましく、また越川選手自身の日記は、若きバレーボール選手の"青春真っただ中"を垣間見ることができる爽やかな内容です。彼の素直で穏やかな気質も、その文章からうかがえます。
※なお、宇佐美、山村、荻野選手については第2回コラムで、石島、山本、北川選手については第7回のコラムでご紹介しています。彼らには私なりの思い入れがあります。まだの方はぜひご一読くださいね!
●バレーボールの豆知識 (3)
【リベロ】
バレーの試合のテレビ中継をご覧になると、なぜかユニフォームの色が他の選手と違う選手が混じっていることに気付きませんか?それがリベロです。
イタリア語で「自由人」という意味で、「レシーバー」とも呼ばれる守備のスペシャリスト。相手のサーブやスパイクをセッターに送球するのが仕事なので、攻撃への参加やサーブは禁止されています。
リベロが採用されたのは1997年。当時の国際バレーボール連盟アコスタ会長が「身長の低いアジア各国、とりわけバレーボール界に多大な影響力を持つ日本に少しでも有利になるように」という考えがきっかけだったそうです(参考:月間「バーサス」2005年12月号別冊付録)。
それってフェアなことかな?と私はちょっと首をかしげてしまいましたが、現在はその機能も世界的に定着し、拾いまくる「守備の要」として、頼りにされる存在となっています。「チームの守護神」という表現がぴったりのポジションです。
リベロは一見地味な役割ですが、サーブ・レシーブをきっちりとセッターに返すことが、攻撃ひいては試合展開を大きく左右するため、その能力が勝負の分かれ目となる試合も少なくありません。とても重要なポジションなのです。 |
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次回のコラムでは、今年から2年後の北京オリンピックまでの道のりとして、国内外で行なわれる国際大会の流れをわかりやすくご紹介していく予定です。お楽しみに!
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