■アウェイの地、イタリアでの最終戦の結果はいかに ?
▲“ゴリ”こと清水邦広選手、イタリアへ !
東京でのフランス戦勝利の余韻が残る中、翌週の金曜日と日曜日、全日本男子チームはアウェイの地で強豪イタリアと対戦した。これが日本にとってワールドリーグにおける最後の2試合となった。
私は、「清水邦広選手は絶対にイタリア遠征にも呼ばれるはず !」と信じて疑わなかった。
うれしいことにその予感は的中する。たとえ国際試合の経験が少なく、全日本チームではルーキーであっても、清水選手の圧倒的な存在感とフランス戦での絶好調ぶりは、誰の目から見てもレギュラー入り間違いなしだ。
好調という意味ではこの大会の後半、日本チーム全体が乗りに乗っていた。しかし、「アウェイでの試合はそう簡単には勝てない」というジンクスが、全日本選抜の男女チーム共にある。あの世界ランキング2位のイタリア相手に、アウェイの地で日本チームがどんな活躍を見せてくれるのか、私はドキドキしながらテレビで試合を観た。
▲強豪イタリアを相手に、またも全員バレーで善戦 !
イタリアからの国際映像による試合中継は、思ったよりも淡々としたものだった。各国の国際中継にはお国柄が出て、見ていてなかなか面白いものがある。たとえば、フランスの中継は1人ひとりの選手をスローモーションで強調したり、映画スターのようにこれぞというショットを抜いてみたり。自国のチームだけでなく、日本チームも同じように表現していたのが印象的だった。
一方イタリアの中継は、どちらかというと試合会場のお客さんにカメラを向けて、現地で応援する数少ない日本人の様子をとらえていた。試合そのものの撮り方も、かなり観づらい。日本のテレビ局の技術がいかに高いかがよくわかる。
会場の応援は99%イタリアだ。対戦相手への「ブーイング」は露骨で、サーブのタイミングを見計らって邪魔をするような音も立てる。これはイタリアが特別というわけではなく、海外の試合でよく見かける光景だ。日本で行なわれる国際試合で、日本人サポーターは敵に対するこうしたかたちの“応援”はあまりしない。マナー違反は論外としても、日本人サポーターは少し優しすぎるかもしれない。
ここ何年か見てきた日本のアウェイ戦は、正直、散々な内容ばかりだった。アウェイの雰囲気に飲まれてしまったのか、実力を発揮できずにミスを連発して負ける、その繰り返しだった。
しかしうれしいことに、今年の全日本男子はそんなジンクスをきれいさっぱり忘れさせてくれた。
イタリアとのアウェイ初戦では、清水選手や越川優選手らが何度もサービスエースを決め、富松崇彰選手のブロックも決まり、チーム全体で粘り強くボールを拾っていた。お家芸である「全員バレー」の良さが、そのまま発揮されていたのだ。その結果、日本はフルセットの末に、セットカウント3−2でイタリアをくだしたのである !
■日本は惜しく予選敗退。しかし成果はあった !
イタリアとの2日目の試合は、セットカウント1−3の惜敗。日本は今大会、3勝9敗で予選ラウンド敗退となった。ポーランドでのファイナルラウンドに進出したチームと順位は以下の通りである。
- 1位:ブラジル
- 2位:ロシア
- 3位:アメリカ
- 4位:ポーランド
- 5位:ブルガリア
- 6位:フランス
日本は残れなかったとはいえ、強豪イタリアから2つ、フランスから1つ白星を奪っている。こういった勝利を経験したことは、今後の日本チームにとって大きな意味を持つと思う。
日本の健闘ぶりは、個人成績を見れば一目瞭然だ。越川優選手は予選ラウンドが終わった時点で、全チーム中なんと「ベストスコアラー・ランキング1位」、「サーブ決定率ランキング1位」であった。今大会で、名実ともに世界に通用するプレイヤーへと成長した越川選手。日本男子バレー界そしてファンにとって、いっそう心強い存在となった。
また、ルーキーの富松選手や清水選手の若さあふれるはつらつとしたプレーぶりも、ファンの目に鮮やかな印象を焼きつけた。彼らはきっと、この後にひかえる「ワールドカップ」でも、大暴れしてくれるに違いない。
次回のコラムでは、11月に日本で開催される「ワールドカップ」の詳細と、来年に迫った北京五輪に向けて、“役者”が揃いつつある全日本男子の顔ぶれを、あらためてご紹介したい。
●バレーボールの豆知識 ( 12 )
ラインの踏み越しによる反則
ある条件下でプレー中の選手がコート上のラインを踏み越すと反則となり、相手チームの得点かつサービス権も奪われる。ラインの踏み越しでよく見られるのは以下のようなケースである。
- サービス時の反則
サーバーの足がサービスゾーンの境界線であるエンドラインを踏み越した場合 ( フットフォールトと呼ぶ ) 。ジャンプサーブを打った後の着地点には制限はない。
- プレー中の反則
プレー中にセンターラインを踏み越して相手コートに入った場合 ( ペネトレーションフォールト、パッシングザセンターラインなどと呼ぶ ) 。センターラインを踏んでいれば、反則にはならない。
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