■2008北京オリンピック世界最終予選でアジア一位に!
▲リベンジを果たした大会
イラン、タイ、オーストラリア、韓国と聞けば、全日本男子バレーのファンなら、「ああ、あの時悔しい思いをさせられた‥」と、振り返る試合が多いに違いない。
イランには、4年前のアテネ予選でフルセット負けしている。タイには、昨年のアジア選手権の最終試合で日本はまさかのストレート負けを喫し、その試合を落としたことでオーストラリアに優勝を奪われた。
オーストラリアはここのところ急成長中で、アジア勢の中で日本が最も苦手とするチームといってもよい。そして、韓国には植田ジャパンになってから勝ち続けているものの、長きに渡って宿敵と呼ばれる関係だ。
今大会、日本はこれらのアジア勢4チームを打ち負かし、勝利を収めた。
過去のリベンジを果たした爽快感は、選手や関係者はもちろん、これまで全日本を見つめ続けてきたファンにとっても同じだ。
▲北京行きを決めた“世紀の大一番” アルゼンチン戦
6月7日土曜日、東京体育館。大会も終盤、日本にとっては全7試合中6試合目となるアルゼンチン戦だ。連日3階スタンド席まで、ほぼ満員という賑わいぶりだった会場が、この日はこれまでにない観客の熱気に包まれていた。
日本は初戦のイタリア戦にこそフルセットの末に敗れたものの、その後のアジア勢との4試合すべてに勝利し、4勝1敗。
アルゼンチンは、世界ランキング6位、南米の古豪だ。アルゼンチンに勝利すれば、日本はアジア参加国中第1位が確定し、この時点で北京への切符を手にすることになる。まさに大一番だ。
対するアルゼンチンも、日本との試合と翌日(大会最終日)のイタリア戦に勝利すれば、大会最上位チームとして北京への切符を手にする可能性が残っている。両国にとって譲れない一戦なのだ。
前日に行なわれたオーストラリア戦で日本が快心の勝利をおさめた姿を間近に見ていた私は、「すごいことが起こりそうだ」という期待と緊張を胸に、観戦に臨んだ。
|
▲鳴り止まなかった“ニッポン”コール
最後の最後まで一点を争うのがフルセットの試合の醍醐味。当然のことだが、これまでにない苦しい戦いだった。応援するファンも同じ思いを共有した。
セットカウント2対2のまま、15点先取の最終セットへ…。最終セットも手に汗にぎる接戦が続き、14-14のデュースからも得点の奪い合いが続いた。そして、その瞬間がきた。日本は遂に20-18で見事アルゼンチンを撃破したのだ!
|

▲北京行き決定後コート上の選手たち
|
勝利が決まった瞬間、会場全体が歓喜でどよめき、もともと明るい照明の体育館全体がさらに明るさを増して輝いた。喜びでいっぱいの観客席からは声援とニッポンコールが鳴り止まない。
私はと言えば一気に熱いものがこみあげてきて、頬に一筋の涙がつたった。歴史的な瞬間に立ち会った満足感と高揚感に包まれた。
悔しさで胸が張り裂けそうになったアテネ予選。その時からの4年間に思いを馳せながら、コート上の選手たちをじっと見守る。“ニッポン”コールは止まない。長いことバレーを見続けてきたが、こんな光景は今まで経験がない。
コート上で植田辰哉監督、そして一列に並んだ選手全員がインタビューに答えた。 植田監督の言葉は、いつもストレートに心に迫る。この日もそうだ。
「ここにいない選手、ありがとう!」
それは、全日本チームに選抜されながらも、最終の12名の中に選ばれることがなかった選手に贈る言葉だった。今、コート上にいる選手たちと共に必死に練習した選手たちがいる。あらためて監督が選手に抱く愛情の深さを感じた。
そして、「はっきり言いますが、メダルねらいます!」と、力強く言い放った。喜びに浸るだけでなく、この瞬間にも北京を見据えている闘将の、本当に頼もしい一言だった。
選手たちのインタビューを絞めたのは、セッターの朝長孝介選手だった。お茶目な朝長選手らしく、「メダルとるぞーー!」と会場に向けて宣言し、場内をドッと沸かせた。
コート上では、取材や記念撮影が行なわれ、その様子が場内の巨大スクリーンに映し出された。
(植田監督が笑っている!)
試合では決して見せることがなかった笑顔。これまで計り知れない重圧と責任を背負ってきたに違いない監督の、極上の笑顔。私もホッとして、微笑みながらも思わず涙が出た。
選手が退場していく。誰に促されたわけでもなく沸き起こった“ニッポン”コールは、いつまでも止むことはなかった。
■ワールドリーグ2008、始まる!
▲北京五輪の前哨戦、ココが見どころ!
北京五輪出場を決めた最終予選の興奮も冷めやらないなか、バレーボールファンにとっては恒例の「ワールドリーグ」が始まる。これまでのコラムでもレポートしたことがあるが、日本と海外を行ったりきたりする長丁場の国際大会だ。
日本は五輪に万全を期すために若手主体で戦うことが予想される。しかしそれもまた楽しみの一つだ。私は東京で開催される、強豪ポーランド(世界ランキング5位)との2試合を観戦する予定だ。
次回は、そのポーランド戦の模様と、私の北京五輪観戦プランについてお知らせしたい。
●バレーボールの豆知識 ( 16 )
「北京五輪 男子バレー 予選ラウンド」の試合日程と対戦国です。
8/10(日) 日本 vs イタリア
8/12(火) 日本 vs ブルガリア
8/14(木) 日本 vs 中国
8/16(土) 日本 vs ベネズエラ
8/18(土) 日本 vs アメリカ
|
|
|