映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

修了生の翻訳チーム チーム・リアリティTV活躍中!


      


Vol.10 2006年9月のニュース! バックナンバーへ

今月のチームが手がけた新番組を担当翻訳者の声と共にお届けします!
苦労する翻訳者の姿を思い描きながらオンエアをご覧になれば、一段と番組が楽しくなるかも!

<今月チームが取り組んでいる番組をご紹介>


●ザ・スキャンダル〜ハリウッドセレブ噂の真相101連発

★今月のリアリティTVイチオシの新番組!★
初のボイスオーバーで苦労もしましたが、現在、順調に収録も進んでいます

   「有名人のスキャンダルや事件をカウントダウンで紹介していく番組です。トップ20位にランクインされたのは、誰もが心を痛めた悲しい事件や、いまだに謎が残る事件など。調べ物をしていくうちに思わず引き込まれ、感傷に浸ってしまうこともありました。ナレーションはボイス・オーバー、インタビューは字幕だったので、それぞれを別に訳したのですが、通して観たときに流れが不自然にならないように気を付けました。一番大変だったのは、ナレーションの口調です。ワイドショー風のテンポの良い文章を作るのは考えていたよりずっと難しく、苦労しました。」(酒井紀子さん)

●「トラウマバスター」

   「救急救命室に勤務するキューバ系の外科医の日常や過去を追った、2本立てのドキュメンタリーです。2本とも担当したので、作品の世界にどっぷり浸れ、話の流れや医師の過去、キャラクターなども深く理解できました。内容も面白く、翻訳者としてやりがいのあるお仕事でした。
   反面、ドラマ「ER救急救命室」のような瀕死の患者を治療する場面が頻出し、医学用語が頻繁かつ断片的に出てくるため、専門外の私にとっては手術の流れなどがさっぱり分からず苦労しました。幸い、知り合いに外科医がいたため、少しでも分からない部分があれば手術の流れや専門用語の意味を、電話でいちいち確認しながら慎重に翻訳しました。
   医学辞典やインターネットを活用して自分なりに下調べしていたのですが、外科医に質問する中で、自分の解釈の誤りに何度も気づかされました。どんなに頑張って調べ物をしても、素人の理解には限界があるものですね。講義で何度も言われたことですが、専門家に聞いてみることの大切さを痛感しました。
   他にも難しいと感じたのは、医師の発言。比較的知的な内容が多く、日本語にする時にどうしても硬い表現になってしまいます。しかし、ディレクターの方々から「リアリティ向けにもっと噛み砕いた表現を」とのご指摘をいただき、一部リライトしました。ご指摘は「ごもっとも!」と心から納得できる内容ばかりだったのですが、いざ代替案を考えようとすると何も浮かんでこない…という状況でかなり時間がかかりました。
   最後は自分なりに納得のいく代替案を出すことができ、さらにセンターの手直しが入り、原稿は見違えるようになりました。リライトは苦しい作業でしたが、とても勉強になりました。今回学んだことを次回に活かせるよう、しっかり反省しておきたいと思います。」(岡部康子さん)


●プリズン・スクール〜悪ガキ改造作戦
 
   「表記の統一をはかるのがとても大変でしたが、すべてのエピソードを見返すことで、他の翻訳者さんの字幕の雰囲気や言葉遣いなどを研究でき、勉強になることも多かったです。若者たちに体験談を聞かせてくれるゲストが登場する場面では、短い字数の中で、若者たちの心に響くような字幕を作るのが難しかったです。」(近石みどりさん)

   「悪ガキ10人が更正していく過程を描いた話です。不良少年少女なのですが皆、純粋でしっかり者でかわいいです。彼らの成長を親のような気持ちでハラハラと見守りながら仕事をしています。スクリプト抜けが多かったので、ニュージーランド英語しかも若者の言葉の聞き取りに苦労しました。また、自分とは随分世代の異なる若者なのでセリフ作りも最初は戸惑いましたが、慣れてくると若者たちに“なりきって”楽しみながらセリフが考えられました。しっかり更正してプログラムを修了できるのでしょうか?今後のエピソードが楽しみです。」(佐井瑞穂さん)

●激突!サバイバルゲーム
   「両チーム合わせて20名もいるので、それぞれの個性をつかんで字幕にのせていく作業が大変でした。また、続きもののストーリーですが、たまたまチャンネルを合わせた人でも番組にのめり込んで楽しんでもらえるように考えながら翻訳をしました。」(秋田修二さん)


●助かったぁ〜!〜アウトドアも命がけ
   「ドキュメンタリーは情報の裏取りが命。とりわけ医療ものは内容が複雑で非常に難しい分野です。例えば同じ骨折でも骨折した箇所や負傷者の置かれている環境によって症状もケガの対処法も十人十様。その1つ1つを確認していかなければならず、複数の医療関連資料やアウトドア関連の資料を読みあさり、作業時間の半分以上を調べ物に費やしました。調べた内容が必ずしも字幕に反映されるわけではありませんが、限られた字数の中で正確に、かつ簡潔に原文の内容を伝えるためには調べ物を徹底させる必要がありました。大自然の驚異、人々が体験した恐怖、そして人間の生命力の強さをお伝えできていればと思います。」(貴島ゆふさん)

●ザ・大惨事 驚異の真相
   「自分の知らない災害研究や防災技術の話ばかりが登場し、とても興味深く作業しました。ネットや本で面白い資料が見つかると、仕事とは関係なく読みふけったりもしました。日本の技術が登場したのもうれしく思いました。あまり資料のない専門的な技術など、日本語の表記が確認できないものは、映像の助けを借りて説明的な字幕を作るようにしました。また装置の仕組みなど、映像がなく台詞だけで説明されている箇所では、具体的にイメージするのが難しいものもあり、類似した装置を参考にしたり、想像力を働かせ字幕を作るのが大変でした。訳出すべき情報量が多いため、情報の取捨選択が厳しく苦労しました。」(本橋久美子さん)

●ストーム・ストーリー
  「今までは軽めのバラエティを担当することが多かったのですが、今回は180度路線が異なるシリアスなドキュメンタリーということで、調べ物や、言い回し、専門用語など、バラエティとはまた違う難しさを感じました。
   担当したエピソードは、ハリケーン被災地の惨状や、懸命に被災者の救出活動にあたるレスキュー隊員の姿を追ったもの。原文をそのまま訳出すると、どうしても字数オーバーになってしまったり、冗長になってしまうため、意訳できない部分は情報を絞り、なるべく簡潔で読みやすい字幕にするよう心がけました。情報を取捨選択する際には、自分なりに解釈した番組のテーマや、話の流れに支障がでないよう気をつけました。ただ、改めて自分の訳を読み直してみると、もっと情報を出せたのではないかと反省することもあり、そこが難しい点ではあります。
   ドキュメンタリーには、調べ物をすることや、関連書籍を読むことで今までまったく知らなかった知識を得られる面白さもあるように思います。今後もさまざまなことに興味を持ち、幅広い分野に対応できるよう努力していきたいです。(西田清乃さん)

   「担当したエピソードはラスベガスで起こった鉄砲水を取り上げていました。最初の疑問が「鉄砲水」という単語を使うべきかどうか。自分が意味を誤解していたこともあり、いきなり出してどれだけの人が理解できるのか迷いました。友達などに聞いて回り、結局、基本的には「急激な洪水」、アナウンサーの時だけ「鉄砲水」としました。気象現象の説明は、誰でも理解できるようシンプルにまとめる必要があり、日本語表現も難しさを改めて実感しました。苦労した調べ物は、専門用語ではなく、水圧の単位。もともとどの単位を使用しているのか、何に変換すればいいのか。もしかしたら最も時間を費やした調べ物かもしれません。」(西岡香織さん)

   「番組全体を通して矛盾点をなくすため、ハリケーン“イザベル”についての被害報告や新聞記事などを見て背景を押さえました。波や風に関する、似たような表現が原文には多かったので別の表現にしたり、意訳するのに苦労しました。番組内で出てくる町や海峡、道路などの位置関係の確認しているとき、Google Mapの航空写真も見たのですが、ついついハワイだとか、他の場所も見てしまい遊んでしまいました・・・。今後は気をつけなければ、と思います。」(佐々木和子さん)

   「竜巻やアイスストームなど、日本ではまず発生しない気象現象がテーマだったため、資料を探すのにまず苦労し、限られた字数で説明するのでまた苦労し…ととにかく作業に時間がかかった作品です。その反面、自分の知識が乏しい分野だったので、視聴者としても楽しめ、勉強になりました。調べ物をするうちに少し気象関係に詳しくなれたと気がします。工夫した点は、流れのある字幕になるように、“字幕をひととおり作成→推敲する” “視聴者になりきって観る”を何度もくり返した点です。」(石井真輝さん)

   「竜巻のすさまじい威力と、恐怖におののく人々…。
これをいかに臨場感あふれる字幕で表現しようかと悩みました。
アメリカの竜巻の恐ろしさを改めて実感しました」(高野美喜子さん)

   「日本ではなじみの無い竜巻の話だったので、まずは竜巻を理解することから始めました。知人のアメリカ人に話を聞いたりもしたのですが、竜巻の危険と常に隣り合わせの彼らにとって、竜巻の勢力を表す単位や言い方などは、まるで日常語で誰もが知っている言葉だそうです。例えば竜巻の強度を表す、F-Scale!考案した日本人の藤田教授という方のお名前からきているそうでFujita-Scale とも呼ばれます。でも日本人には分からない用語なので、原文にはない説明を補足したりしました。視聴者の視点になって字幕を作ることが重要です」(勝井麻紀子さん)

   「調べものが大変でした。竜巻に関する論文を読み、最終的には専門家にメールで問い合わせをしました。問い合わせが出来る段階まで自分の理解を深めるのに時間がかかったため、問い合わせがギリギリになってしまい間に合わないのではないかと気が気ではありませんでしたがメールを送ったその日のうちに丁寧な回答を頂いたので専門家の方には大変感謝しています。専門的な内容を視聴者にわかりやすく説明する難しさを痛感した作品でした。」(金玉淑さん)

   「一番難しかった点は、ナレーションです。状況や経緯を説明している個所は、比較的1枚のハコが長くなり、文字数も多くなってしまいます。画面に文字がたくさんあるうえ、少しでも分かりにくい表現が続くと、そこで視聴者が話についてこられなくなるので、何度も見直して分かりやすさを追求しました。セリフは緊迫感のあるものが多かったため、臨場感が出るように気をつけました。度が過ぎるとわざとらしくなってしまうので、そのあたりの判断は難しかったですが、疑似体験をしているような気分になり、ハラハラドキドキしました。」(井上智恵さん)

●ありえねぇ!世界のキテレツ大集合
  「シリーズ最終回のテーマは“キテレツなマイホーム”。この番組が製作されたイギリスを中心に、アメリカ、オーストラリア、台湾、メキシコなどなどの世界各国から、信じられないほど変わった家やライフスタイルを紹介しています。360度回転し続ける家、走るお風呂、人間社会を離れヒョウとしてスコットランドに住むおじさんなど、私自身もタイトル通り、“ありえねぇ”とつぶやきながら取り組んでいました。番組はナレーションが主体で、25本の話題を実に上手く関連づけながら紹介しています。その練られた内容を、制限文字数内で日本語としてどう盛り込むかが、一番苦労した点です。また、前回担当した同じシリーズの“キテレツな子ども”特集の時は、各パートのタイトルで結構遊べたのですが、今回はピタリとはまるタイトルがなかなか見つからず、悔しい思いをしました。原語の意味を離れすぎない面白い言葉、日本語としてしっくりくる言葉や表現を探すことは、翻訳で常に苦労する部分ですが、ピタリとくる言葉がひらめいた時は嬉しく、楽しい作業でもあります。」(冨田雅子さん)

   「私が担当したテーマは「食」。さまざまな食べ物や飲み物にまつわる面白い話題を取り上げていました。料理名がたくさん出てきたので調べ物に大苦戦。この番組はイギリス制作なので、イギリス家庭料理のレシピを地元の人が紹介しているHPや、英国大使館のHPなどを参考にどんな料理かを調べ、訳出の参考にしました。
   悩んだのは固有名詞の訳し方です。例えば、“pudding”。イギリスでお菓子の“pudding”はしっとりしたケーキ生地を蒸したもので、日本でいう“プリン”とは全然違うもの。同様に“salad cream”も日本語の“マヨネーズ”とは厳密には違うものです。
   私はイギリスで生活していたことがあるため、最初は違和感なくすべて音のままカタカナ表記で訳出していました。しかし、納品直前にふと、“もしかしてイギリスの食を知らない人には通じないかも?”と思い、周りに聞いてみたところ、案の定ほとんどの人に“プディング”“サラダクリーム”では正しくは伝わらないということが発覚!あわてて、カタカナ表記を見直すことになってしまい、“思い込みは怖いな、と思い知らされました
   番組自体はとてもおもしろい内容で、楽しく翻訳できました。1つ1つのエピソードの最後にオチがついているのですが、原文の面白さをうまく字幕に反映できない個所があったのが心残りです。他のエピソードを参考に、勉強しようと思います。」(伊藤有子さん)


この他にも大勢の翻訳者が活躍中です!
次回もお楽しみに!