映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

修了生の翻訳チーム チーム・リアリティTV活躍中!


       


Vol.11 2006年10月のニュース! バックナンバーへ

今月のチームが手がけた番組を担当翻訳者の声と共にお届けします!
苦労する翻訳者の姿を思い描きながらオンエアをご覧になれば、一段と番組が楽しくなるかもしれません!

<今月チームが取り組んでいる番組をご紹介>


●スパイゲーム

※今月のリアリティTVのイチオシ番組です!スパイにあこがれている人、必見です!

   公募で選ばれた一般人がスパイになるための特訓コースを受ける、という番組。教官たちは有名諜報機関の元工作員で、訓練生たちを厳しく指導しています。一方、訓練生たちは素人なので、教官たちから毎回厳しく突っ込まれるというありさま。教官のセリフはスパイの現実が伝わるような厳しいトーンにしたり、訓練生のセリフは頼りなさが伝わるような口調にしたり工夫しています。訓練生の中からスパイとして通用する人物が出てくるかはこれからのお楽しみですが、ずぶの素人だった訓練生が成長していく様子も、セリフを通して表現できたらと思っています。(2004年4月期修了 山本泉さん)

●「タニヤ・タッカーの“カントリーだよ人生は」


  ※今月のセンター・イチオシ番組です。タニヤとその家族のあたたかいテネシーでの生活。見ているこっちまで楽しくなってしまいます。ところどころで見られるタニヤの歌も最高。さすが大スター、貫禄あります。一度見たらあなたもタニヤのファンになること間違いなしです!

   有名カントリー歌手のタニヤ・タッカーと3人の子供たちの日常生活に密着する番組です。マイケル・ジャクソンのネバーランド並みの大邸宅に暮らす一家ですが、マイケルファミリーとは違い、実に“普通”で好感が持てます。大スターなのに、自分の手で子育てをするタニヤといたずら大好きな子供たちの生活がとても楽しそうで作業をしながらも、ついつい視聴者として楽しんでしまいました。
   気をつけた点は、タニヤを知らない人でも楽しめるように字幕を作る、という点です。
   この番組に限らず、翻訳者はじっくり何度も素材映像やスクリプトを見ている上に調べ物もしているため、素材について自然と詳しくなります。そのため無意識のうちに“詳しい人にはわかるけど初見の視聴者にはわかりにくい字幕”をつけてしまう、という状態におちいりがちです。 今回の場合も、自分自身はすっかりタニヤ・タッカーに詳しくなりましたがカントリーミュージックになじみの薄い日本ではタニヤを知らない視聴者のほうが多いはずです。そのことを念頭におきつつ、彼女の功績や人柄が少しでも早く簡潔に伝わるよう情報の取捨選択に注意しました。(2005年10月期修了 石井真輝さん)

   とても楽しい番組です!テンポがよく、場面の転換も早いので、気付くと30分過ぎている、という感じです。実際、その調子で#1から#5まで見てしまいました。ただ、翻訳となると楽しんでばかりもいられません。カット変わりが多くてハコの切り方で悩み、テンポを崩さないように字幕を入れようと思ってまた悩む…。ハコが短い分、流れに注意しないと1枚だけ妙に浮いてしまったりします。随所に挿入されるインタビューは逆にテンポよりも内容をちゃんと伝えられるように気をつけました。 
   冒頭で流れるテーマ曲と、担当したエピソードで何度も流れた Bringing Out the Elvis in Me がまだ頭の中でぐるぐる回っています。歌詞もばっちり覚えてしまって多分歌えると思います(笑)。(2004年10月期修了 西岡香織さん)

   お母さんのような歌手になる!と宣言するタニヤの長女プレスリー(16歳)が、タニヤのコンサートで初めてソロを披露することになり、そのリハーサルから本番直前までを追う、というエピソードを担当しました。この回には、歌っているシーンが多く、バンドメンバーで交わされる専門的な言葉のやり取りが、不自然にならないよう、そして自分の思い込みで意味を取り違えないよう、簡単な言葉でもひとつひとつ確認をとり、慎重に訳すように心がけました。案の定、タニヤがポロリと口にした言葉が、ある大物カントリー歌手の妻がよく使っていたという言い回しだったりして、単語の通りそのまま訳さず調べて良かったと思った瞬間がありました。また、字幕の枚数は少ないですが、歌詞の翻訳も苦労しました。シンプルな内容でも歌詞らしい言葉に仕上げるのは意外と、いやかなり難しいです。例えば舞台のミュージカル作品の翻訳で、台詞部分は翻訳家、歌詞は作詞家、と分担するように、歌詞の翻訳はまた別のセンスが必要だ、と痛感。日頃から、様々なジャンル、様々な媒体の言葉を注意深く見聞きすることが大切だと反省しました。(2004年10月期修了 冨田雅子さん)


●睡眠障害と闘う人々
 

   “ナルコレプシー”という慢性の過眠症に苦しんでいる、3人の患者さんを追ったドキュメンタリーでした。ニュージーランドの番組だったのですが、これが淡々としたいい番組(あくまで独断)! 雰囲気は、日本でいえばNHKで深夜に再放送されているような、ちょっと昔のドキュメンタリー。リアリティTVでは“とにかくセンセーショナルに!”という構成のものが多かったため、このまったりしたテンポに、最初は思わず患者さんと一緒に眠りに落ちそうになってしまいました。ビデオジャーナリストが独りで作っているような感じで、カメラ側から患者さんにぼそぼそっと質問するんですが、このやりとりを字幕にするのが難しい…。質問の意図と答えの概要がなるべくつかみ取れるように、つじつまが合うようにと意訳しようと努めましたが、それって何だかこの素直な番組づくりに反しているような…とか、チクチク心が痛んだりもしました。でも、サラッと読んで意味が通らなければ、視聴者がチンプンカンプンになってしまいますからね。字幕は方法論として“要約”という特徴を持っています。構成をしっかりつかまないと番組の主旨やテーマをうまく表現できません。さらにその伝えたいことを字幕の日本語に反映させるのは本当に難しいなぁ、と感じた番組でした。(2005年4月期修了 吉田亜紀さん)

●激突!サバイバルゲーム

※いよいよゲームも終盤にさしかかりました!優勝するのは一体誰なのか?最終回にご期待ください!

   シリーズの第5話を担当しましたが、第1話から見て登場人物のキャラクターに合ったセリフを作るよう心がけました。2人が激しく言い争い、台詞がかぶる場面では、どのように字幕を出すか試行錯誤しました。ストーリーの展開自体が面白いため、字幕があまりうるさくならないようがんばったつもりです。あまりにしつこい言い争いや、煮え切らない登場人物にイライラさせられたり、色々な場面でつい感情移入しながら作業しました。個人的にも今後の展開が楽しみです。(2004年10月期 本橋久美子さん)


●「小さき者たち」

  いわゆる低身長症の人々の生活を追ったドキュメンタリー番組です。私が担当したエピソードの主役は23歳の女性。低身長症に生まれ、仕事や両親に対して様々な葛藤を抱えながら、同じ障がいを持つ仲間と生活しています。とは言っても、堅い雰囲気の番組ではなく、「普通はカットするよね?」というような、彼女が悪態をつく場面までもがそのまま入っていて、まさにリアル。そんな番組の雰囲気や、彼女の明るくおしゃべりな人柄が字幕で伝えられるよう気をつけました。この番組に限りませんが、ひとつ翻訳のお仕事を終えると他の方が担当されたエピソードもどんな内容だったのか気になります。オンエアが楽しみです。(2002年4月期修了 山口真紀さん)

   今回担当したのは、低身長症の兄と標準的な身長に育った弟との関係を描いたドキュメンタリーです。人間を追ったドキュメンタリーを担当するのは初めてでしたが、訳していくうちに番組の構成がすーっと浮かび上がってくる不思議な感覚を覚えました。学校の授業で「構成を理解すること」と教わりましたが、今回はまさにそれを体で感じることができました。しかし、構成を理解した上で視聴者にわかりやすく伝えるのは難しいことです。自分の置かれた立場に苦悩する兄の気持ち、兄と分かり合えない弟の気持ち、そして兄を温かく見守る友人たちの気持ち。登場するすべての人たちの気持ちになって行うセリフ作りは苦しくもあり、楽しい作業でした。印象的だったのは、低身長症の人々が楽しく過ごしている姿です。ホームパーティーで楽しそうに踊っているシーンは何度観てもこちらまで嬉しくなり、「この人たちの思いを伝えたい」という気持ちになって翻訳作業の励みになりました。(2005年10月期 金玉淑さん)

   今回の作品で苦労した点は、感情表現と調べものでした。登場する人々が自分の気持ちを語るセリフを、自然かつ的確な言葉で表現できず苦心しました。もちろんこの作品に限ったことではありませんが、言わんとしていることを「何となく」理解できても、それをうまく字幕にのせられなければ作品の魅力が半減してしまうことを、今回特に痛感しました。調べ物に関しては、低身長症がどのような疾患なのか、染色体や遺伝子の異常についてなど、調べれば調べるほど分からない単語が出てきて、専門のお医者様やライターの方に問い合わせました。医療がメインではないので、医療用語など難しい単語はほとんど字幕に出しませんでしたが、できるだけ正確に内容を理解した上での翻訳に努めました。(2005年10月期 井上智恵さん)

●「ゴースト・ハンター」

  ゴースト・ハンターと称する3人の男女が、有名な心霊スポットを訪ねて超常現象を体験する番組です。視聴者を番組に引き込むため、字幕をテンポよく仕上げるよう心がけました。またナレーションが入らず自然体のセリフばかりだったので、She、his、itなどの代名詞や目的格、所有格が頻出したり、話が飛んだりする場面が多くありました。そのため文脈だけに頼らず、事実関係を確認しながら分かりやすく訳出するよう工夫しました。番組の内容はそれほど難しくなく、裏取りも通常より少なかったと思います。でも“心霊現象”に関する番組だけに、夜一人で作業するのが怖くて大変でした。昼間は平気なのに夜になるとなぜか、暗闇の映像や恐怖心を誘う効果音にドキドキ・・・困りました。(2004年10月期修了 福本朋子さん)

   今月担当したのは「ゴースト・ハンター」。その名の通り“心霊ネタ”です。まったく抵抗なく、むしろ大好きなジャンルなので、とても楽しく作業ができました♪番組では、ゴースト・ハンターと呼ばれる3人組が、心霊現象を求めて真夜中に心霊スポットを歩き回ります。
   字幕を作っていて「ん?」と思ったのは、人間は怖い状況でどのような言葉を発するのだろうか?という点です。話し言葉としてはオーケーでも、字幕にすると変に見えたりするので注意しました。(字幕の場合、音ではなく「見栄え」が重要になってきます)
   もうひとつは、話し手のトーンをいかに字幕として表現するかです。「ゴースト・ハンター」ではひそひそ声やためらう口調などが多くありましたが、吹き替えと違って、口調を字幕=文字で表さなければなりません。また、英語の原文をただ訳すだけでは感情が出ない場合があるので、時に意訳が求められます。私は原文に忠実に訳すタイプだと(自分では)思っているのですが、番組の演出上、インパクトが必要な部分では意訳した字幕を入れたりしています。
   「リアリティTV」のシリーズ物では、同じ人物が司会者または案内役として登場しています。淡々と紹介するだけの司会者もいれば、キャラクターを強く出している司会者もいます。後者の場合、シリーズ内の各エピソードでキャラクターがバラバラにならないよう、翻訳者さん同士で統一しなければなりません。メーリングリストを使ってまめに連絡し合うことが必要になってきます。今回は、ゴースト・ハンターの自称(「僕」「私」等)や、性格(「怖がり」「積極的」等)など統一して、翻訳しました。
 これまで担当させていただいた「リアリティTV」の番組は、医療モノ、恋愛モノ、犯罪モノなどさまざまですが、それぞれに面白い点や難しい点があります。お仕事をいただけたら「来るものは拒まず」の精神で字幕を作っていきたいと思っています。(2005年4月期修了 安保恵理さん)

   毎回登場する3人のハンターのうち、分析を担当している1人が早口だったので、彼の説明の真意をつかみ、字幕にするのに苦労しました。また、心霊スポットは旅行ガイドに出てくるような場所ではないので、名称の裏取りなどは、ネットや書籍では発見できず、関係機関に問い合わせが必要でした。映像に慣れるまでは、字幕を作りながら本当に怖くなってしまい、夜、電気をつけたまま寝る日もありましたが、次第に慣れてきて、最後にはハンターと一緒に心霊スポットを歩いている気になってぞくぞくしながら字幕を作りました。(2004年10月期修了 深川美樹さん))

   3人のゴースト・ハンターが心霊スポットに行き、超常現象を探る番組です。予想以上に怖い番組なので、ビクビクしながら作業を進めました。他の番組でも同じですが、ストーリー構成に気を使いました。どのセリフでも、必ず意味はあり、次のセリフやシーンにつながっていきます。1つでも意味を取り間違えると、流れが止まってしまいます。セリフ1つ1つの大切さを痛感した作品です。(2005年4月期修了 及川亜紀子さん)

   ニュージーランド人の若い男女3人が、心霊スポットを探検する番組です。このゴースト・ハンターたちは霊能者ではありません。霊の出現を検知するため、電磁波測定器をはじめとした種々の機器を駆使し、肝試しのようなノリで真夜中の心霊スポットをうろつきます。
   翻訳に関しては、番組全体のトーンはいたって明るく軽いので、字幕もリズムよく展開するよう心がけました。またチームの3人は、それぞれ役割やキャラクターが明確に異なるので、そうした面が少しでも字幕にも出せればと思いながら作業しました。ただ、主役はあくまで映像です。恐怖におびえるハンターの表情や、暗やみに浮かび上がる不気味な光景を楽しめなければ意味がありません。心霊写真には一見して分かりにくいものもあるので(よく見ると怖い!)、視聴者ができるだけ映像に集中できるよう、字幕がうるさくならないよう気をつけました。映像の中には背筋が寒くなるようなものもあり、臆病な私は、夜中に1人で見ていると、後ろを振り向くのが怖くなることもありました。難点と言えば、そんなところでしょうか(笑)。
   西欧の心霊スポットは、古城など歴史のある場所が多いように思います。そこに出没する幽霊は、伝説とともにその地にしっかり根ざした地縛霊です。観光スポットになっている場所も少なくなく、ロマンティックな異空間が作り上げられています。心霊の世界は、宗教などさまざまな文化的背景を反映している点で、映像翻訳者としては興味深い分野です。(2001年10月期修了 渡邊智子さん)

●ザ・スキャンダル〜ハリウッドセレブ噂の真相101連発

  普段は字幕のみの仕事ばかりしているのですが、今回久しぶりにボイスオーバーと字幕がミックスの番組を担当し、“字幕の頭”と“ボイスオーバーの頭”の切り替えに最初苦労しました。エンタメ系の番組なので「ボイスオーバーはワイドショー的なトーンで」という指示でしたが、字幕のスタイルや英語に引きずられ、どうしても表現が硬くなってしまうのです。最終的に「ここまでくだけた表現でも許されるのか」というくらい軽い感じに仕上げた結果、OKをいただけました。
   この番組はハリウッド界のニュースを取り上げているので、スクリプトの情報は鵜呑みせず、事実関係は念入りに確認しました。調べていくとスクリプト側に間違いが結構あり、正直驚きました。この番組に限りませんが、スクリプトは信頼しすぎない、もしくは疑ってかかるくらいの意識を持って常に作業しています。(2004年4月期 山本泉さん)


次回もお楽しみに!