映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

チーム・世界自然・野生生物映像祭

翻訳者さんの生の声をご紹介!
メンバー全員で力をあわせ、1つの作品を仕上げた全19チームを紹介します。
チーム翻訳ならではの苦労話や感動秘話などをお楽しみください。
翻訳チーム2:Forest
原題 : Forest -Family -Forever - !
邦題 : 森の家族
尺 : 14分
チーム名 : Forest
メンバー : 佐々木千代
あらすじ
森で1000年生きている大きな木のお祖父さんは、まだ小さな木の孫に熱帯雨林の大切さを教える。森は多くの動物の住みかである。人間もまた、熱帯雨林から薬や食べ物を与えられてきた。さらに、森は地球の空気をきれいにし温暖化を防いでくれる。ところが紙の生産や油田開発のため、地球上から熱帯雨林がどんどん消えている。けれども、人間の努力で森は守れる。再生紙や非木材紙の利用、車でなくバスや鉄道に乗り、植物からプラスチックを作り出して石油の消費を減らすこと、ハンバーガーの消費を減らして熱帯雨林を牧場に替えないこと。お祖父さんは言う。森には人間の助けが必要であり、人間にも森が必要なのだと…。
翻訳者さんの声
< 佐々木千代さん >
私が翻訳した作品の特徴はこの3つでした。
(1) 児童向けであること
(2) リップシンクであること
(3) 2人での会話形式であること

児童向けということで、難しい言葉を簡単に直す必要がありました。たとえば「類人猿」「石油掘削装置」「農業廃棄物」「木材チップ」等です。この作品は森林破壊の話ですが、あまり人間を責めるようなきつい口調になってもよくないと思い、少し気をつけて訳しました。また、子どもでも分かるよう画に合わせた語順になるように心がけました。

字幕好きの人や、リップシンクをあまりやったことない人は「口に合わせるのって面倒じゃない? 」と思うかもしれません。しかし尺の参考になるので、口の動きは制約であると同時に大きな助けでもあります。ただ、長いセリフの時に、途中でいったん口が閉じているシーンになることもあり、後で気づいて慌てたりもしました(笑)。
逆に話者が画面に出ていないシーンも多かったのですが、あまり長いセリフを作るとカット変わりにかかってしまったり、次の人のセリフにかかってしまったりと、別の難しさもありました。

この作品は、全編お祖父さんと孫 ( どっちも人間ではなくCGの木 ) が会話しているのですが、お祖父さんと言えば全部「〜じゃ。」と決めつけたくなかったので、敢えてそうしませんでした。でももし地面についちゃうような長ーいヒゲのキャラクターだったら「〜じゃ。」にしてたかもしれません。
あと難しかったのは、英語の掛け言葉のようなシャレの台詞です。そのまま出すのはどうしても難しかったので、まったく違う台詞を考えました。キャラクターがそのシャレに合わせてジェスチャーをしていたので、それに合う日本語のセリフを考えるのに苦労しました。

また今回は収録にも立ち会いました。日本語台本を作っている時は、作品に出てくる男の子 ( CGキャラクターの木なんですが小学生くらいに見えます ) をわんぱく坊主のイメージで考えていたのですが、声優さんの収録が始まると、いい意味で予想とは全く違った芝居で、可愛らしい感じに仕上がりました。声優さん2人が声を担当してくださったのですが、さすがプロ !! 自分で読んでいるときとは大違いで、なんだかとても立派な台本に聞こえてきました。次の人のセリフの始めとかぶってしまいそうなギリギリのセリフも数箇所あったのですが、声優さんの力に助けられ、すばらしい作品に仕上がりました。作品に命が吹き込まれていく過程を見られたのはとてもいい経験でした。

チーム翻訳 ( 全19チーム )