原題 : Jaglavak, Prince of Insects
邦題 : 昆虫の王 〜ジャグラバック〜
尺 : 52分
チーム名 : モハメド・アリ
メンバー : 小林由布子 ( リーダー ) / 佐藤英毅 / 川又真紀子
あらすじ
アフリカはカメルーン北部のマンダラ山地に暮らすモフ族。彼らはそこに生息する昆虫と家や食物を分かち合い、助け合いながら生きてきた。ある年、村は厳しい乾季に見舞われ、いつもは畑仕事の協力者であるシロアリが、食べ物を求めて村人の家をむしばみ始めた。そんな時モフ族が助けを求めるのが、ドラゴンの体を持つ“昆虫の王子”ジャグラバック。ジャグラバックとはモフ族の言葉で軍隊アリの一種を指す。鋭い大あごで敵を切り刻み、時には脊椎動物をも襲う獰猛なアリだ。ジャグラバックはモフ族の祈りにこたえ、シロアリを撃退してくれるのか ?臨場感あふれる映像と音楽と共に語られる、人間と自然のきずなを描いた美しいドキュメンタリー。
翻訳者さんの声
< 小林由布子さん >
思い返すと大変だったなあというのが正直なところです。チームメイトとは、メールのみでやり取りをしたのですが、それぞれ他の仕事があったり、生活パターンにズレがあったりで、問題や質問を解決するのに時間がかかってしまい、もどかしく感じたこともありました。納期の前日などは、夜中3時、4時のメールのやり取りで返信を待っている間についウトウトと寝てしまい、あわてて作業をしたこともありました。一方で、お互い助け合えるというメリットもありました。
他の方やチームのチェックはとても勉強になりました。自分では思いつかないような表現や流れに触れると、自分の作業に戻った時もそれを意識して字幕を考えることができました。また、他の方がされたミスから学ぶことも多く、他の方のミスを見て自分の字幕のミスに気づかされた部分もありました。
また、自分の原稿を複数の方に見てもらえ、アドバイスを頂けるのも貴重な体験でした。自分では気づかない間違いや揺れを指摘されたり、「これなら誰でも分かるだろう」と作った字幕が他人には分かりづらいこと知らされたり、字幕に対する視野も広がりました。自分の字幕がどんどん良くなっていくのを実感できました。
< 川又真紀子さん >
説明会で見た参考作品の主役はイルカちゃん。ドキドキしながら自分が担当する作品をチェックすると、タイトルは“Jaglavak, Prince of Insects”…。ん? 昆虫? と思いながら作品を再生。そしてその“昆虫の王子”とは軍隊アリンコのことで、さらにそれにシロアリも加わり、両者が画面いっぱいにひしめき動く映像を目の当たりにした時、昆虫がちょっと苦手な私は、正直、少し人生の不条理を感じました。数ある生き物の中でなぜアリ…? と。でも観終わってみると、この作品が、私たちが忘れつつある人間と自然の絆や先人の知恵を描いた、心温まるドキュメンタリーであり、自然の美しい色彩に満ちた臨場感ある映像と、どこか懐かしい感じのする音楽を聞きながら感動にひたれる素敵な作品であることに気づき、俄然やる気になりました。
また、作品の制作会社のホームページを見ると、そのニュース覧には“我らがJaglavakが日本開催の野生生物映像祭にノミネートされた !”と誇らしげに書いてあり、遠い地にいる誰とも知らない人々ながら、いろんな人が協力して作り上げたこの美しい作品に、字幕作成という形で自分も携われることを光栄に思い、ますますやる気が生まれてきました。そんな経験を経て、今後は“昆虫だから…”とか“カエルだから…”と観る前から敬遠して感動を逃さないよう、いろいろな作品にアンテナを伸ばして観ていこう ! と思うようになりました。
2年程翻訳から離れていた私にとって、チームメートの存在はとても心強いものでした。ちょっと行き詰ったり、ミスをしてしまって打ちひしがれたりした時なども、チームメートの温かい励ましの言葉で、すぐに復活 ! 心機一転頑張ることができました。
それぞれが昼間は別の仕事をしながらの作業だったので、やりとりはすべてメールで行いました。返信にタイムラグが出てチームメートの作業の妨げにならぬよう、常にメールに目を光らせていなければならなかったのが大変でした。自宅にいる時は常にPCの前をウロウロし、寝る時はPCを枕の横に置き、また普段は携帯を“携帯する”のがとても苦手な私ですが、映像祭関連のメールは携帯に転送するようにして、常に持ち歩くようにしていました。最終納品まで、寝ても覚めても、脳の何割かが常に映像祭のことで占められていた2週間でした。
他の方のチェックは、大変に勉強になりました。特に勉強になったのは、“自分はこう思うが、他の方はどうなんだろう? ”と疑問に思うような箇所で、他の方のチェック原稿を見ながら、いろいろな方との意見の共通点や相違点などを確認できたことです。また、自分では到底思いつかないような絶妙な訳や表現などを学ぶことができ、大変有意義な経験をさせていただきました。今回は本当に有意義な経験をさせていただき、感謝しております。世界自然野生生物映像祭、万歳 ! です。
チーム翻訳 ( 全19チーム )