映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

INTERVIEW

ジャパンタイムズ社が英語学習者向けに出版している英字新聞「週刊ST」
当校代表の新楽直樹のインタビューが8月27日号に掲載されました。
掲載されたのは「キャリアアップ情報」のコーナー。
今後の映像翻訳市場や映像翻訳者に求められる資質などについて語っています。


日本映像翻訳アカデミー 代表 新楽直樹映像翻訳といえば、映画の字幕翻訳を思い浮かべる人は多いだろう。
しかしここ数年、テレビの多チャンネル化、インターネットのブロードバンドの普及や DVD の隆盛によって映像翻訳のジャンルが多様化し、優秀な翻訳者の需要も急増している。拡大した市場で、映像翻訳者には今、どのような資質が要求されているのだろうか。


海外コンテンツの激増で人材不足
       --映像翻訳者の必要な資質は?


映像翻訳者養成の草分け、日本映像翻訳アカデミー代表の新楽直樹さんは、 「日本でロードショー公開される外国映画は年間300本ほどですが、それとは比べものにならない数の映像が別の形で入ってきているのです。そうしたソフトをローカライズ(日本市場向けの商品形態にすること)するための作業者として、映像翻訳者が必要とされるわけです」 と実情を語る。

文芸翻訳者同様、映像翻訳者にも仕事上必要な公的検定試験などはないが、映像翻訳を目指す上で特に必要な条件がいくつかある。一つ目は英語力。特にリスニング力だ。

 「スクリプトがあっても信用できない場合が多いし、特に最近では DVD 化するために過去の作品を再翻訳するケースが多いのですが、その場合、ほとんどスクリプトがありません。発注側も「映像翻訳をしているのなら、英語を聴くのに不自由はないはず」くらいの気持ちでいます。逆に言えば、聴取力を伸ばすことで、仕事の可能性を広げることができるわけです」

2つ目は、「取材・調査力」である。 自分が翻訳を手がけるものについては、徹底した取材・調査を必須とすべきだという。

 「例えばウエブ上で流れるデジタルショートフィルムに字幕を付ける場合、監督または脚本家といった、制作者を取材すべきなのです。「あなたの作品に日本語訳をつけるので、分からないところがあったら教えてほしい」とメールを出して、細部のニュアンスについて話し合うことができれば、訳文に根拠や自信が持てるでしょう」

3つ目は、一般商業雑誌にも十分通用するレベルの日本語表現力を身に付けること。さらに、1秒に4文字(劇場公開映画は近年3文字)といった最大文字数、句読点の代わりにスペースを使うといった字幕翻訳の基本ルールをマスターすることも必要だ。
 そして、新楽さんが何より求める資質は、英語のプロである以前に、「マスコミ人」としての自覚を持ち、メディアリテラシー(メディアから発信される情報を読み解き、そしゃくする力)を高めることだ。

自分の専門や趣味の分野があれば、確かに強みにはなる。しかし映像翻訳が扱うジャンルは、極めて幅が広い。
「世の中の常識や話題を満遍なく理解することで、正確な解釈と的確な表現が初めて生まれます」

アメリカの大衆文化から国際問題に至るまで、あらゆるメディアの発信する情報に敏感でいること──これが、これからの映像翻訳者にとって重要な要素であり、逆に仕事の面白さともいえるだろう。(玉)

※ジャパンタイムズの週刊ST(2004.8.2)キャリアアップ 特集記事より