【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】『アーティスト』『ヘルプ』『捜査官X』など、映画館で観たい作品がたくさん上映
されています。さらに自宅で録画している映画もあり、毎日が映画の日です。
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「ハア!ハッハッ!」の掛け声と共に、映画『少林寺』で颯爽と登場したリー・リンチェイ。映画界に入る前は、リンチェイは武術大会で優勝した経験があり、"中国の至宝"と呼ばれていた。今回は、リンチェイが名前をジェット・リーと改めて出演した、ハリウッド映画デビュー作『リーサル・ウェポン4』での悪役ぶりを紹介したい。
『リーサル・ウェポン4』でマーティン(メル・ギブソン)と相棒のロジャー(ダニー・グローバー)の2人の刑事が追うのは中国人の犯罪組織。ジェットはその組織の殺し屋クーだ。マーティンとロジャーが中国人たちを取り調べている時、ジェットはアメリカ人の刑事たちに「ここが香港だったら、お前らはとっくに死んでるぞ!」とつぶやく。
そして中盤、ジェットがマーティンとロジャーと戦う場面。ここは本作で一番の見どころです。ジェットが得意の武術を使い、電光石火の速さでマーティンとロジャーを倒します。しかも素手で2人が持つ銃を解体するという器用さ。元特殊部隊のマーティンも全く歯が立たず、あっけなく気を失ってしまう。拳や蹴りを流れるように繰り出す姿は、さすが中国の至宝。「とっくに死んでるぞ!」と言うだけはあります。
ジェットは童顔で優しい顔立ちをしているが、冷酷に邪魔者を殺していく姿は、この映画で存在感を光らせている。しかも銃弾をサッとよける『マトリックス』のような超人的な動きも見せます。リーサル・ウェポン(最終兵器)とは、ジェットのことですね。
そんな無敵のジェットだが、最後はマーティンとロジャーに負けてしまう。初めて本作を観た時は「ジェットが、たった2人の刑事にやられるかよ!...でもこれはハリウッド映画だし、しかたないか」と、ため息が出ました。しかし、ずっと正義の味方を演じてきたジェットが初の悪役に挑んでいるのは一見の価値あり。そしてこの映画をきっかけにジェットがハリウッドに進出したので、その点において『リーサル・ウェポン4』は重要な作品かもしれない。
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】イ・チャンドン監督の新作『ポエトリー アグネスの詩』を観てきました。期待を裏切らない傑作です。ラストシーンに心を激しく打たれました。
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自分は運転免許証を持っているが、運転も道を覚えるのも苦手なので、ほとんどハンドルを握る機会はない。その反発からか、自動車の運転が上手い主人公が登場する映画が好きである。例えば『マッドマックス』『トランスポーター』などだ。今回は凄腕のドライバーが主演の映画『ドライヴ』の予告編を紹介したい。
まず予告編は、「これぞ最高レベルの完璧な映画!今年のベストフィルムだ」という絶賛コメントに続き、数々の受賞歴がテロップで流れる。しかし受賞した賞が多すぎて読みきれません。それだけ評価が高いということですね。そしてライアン・ゴズリング演じるドライバーが「逃走経路は任せろ。5分間に何が起きても必ず待っている。だが5分を過ぎたら面倒は見ない。銃は持たない。運転だけだ」とクールなコメント。ライアンは『きみに読む物語』『ラースと、その彼女』『ブルーバレンタイン』など、恋愛映画に多く出演している。ライアンはイケメンなのですが、『ドライヴ』では何を考えているのか分からないドライバーを演じていて、彼の新しい一面が見られそうです。
ドライバーは、昼間はハリウッド映画のスタントマンだが、夜は強盗を逃がす運転手をしている。同じような設定で思い出す映画は『ザ・ドライバー』。ライアン・オニールが犯罪の逃亡を助けるドライバーを演じていた。
ここから予告編は恋愛モードに入っていく。ライアン演じるドライバーが、ある女性と生涯ただ一度の恋に落ちる。その女性アイリーンを演じるのはエイミー・マディガン。エイミーは『17歳の肖像』や『わたしを離さないで』など、薄幸な役が似合う人です。アイリーンには夫がいるが、その夫があと1週間で刑務所から出所するという。しかしこの夫が、もう見るからに凶暴な犯罪者なんですよ。なんで彼女がこんな男と結婚したのか謎で、相変わらず幸せには遠いキャラです。この夫が、ドライバーを危険に巻き込んでいくらしい。面白そうな展開ですね。
そしてドライバーは愛する者を守るため、最後の戦いを仕掛ける。
静謐な音楽が流れるが、映像は音楽とは逆に、ナイフやハンマーを使った痛いバイオレンス描写が続く。だからこそ、ドライバーの哀しい純愛が引き立っています。
ローリングストーン誌がこの映画を「この野郎!面白いじゃないか!」と評するテロップが流れる。でも映画に対して、この野郎!という評はあまりないですよ。監督は『ドライヴ』がデビュー作となるニコラス・ウィンディング・レフン。本作でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞しているので、ますます本編に期待できますね。
とりあえず映画館で『ドライヴ』を観るぞ、この野郎!
今回注目した予告編
★『ドライヴ』
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン
3月31日より絶賛公開中
公式サイト:http://drive-movie.jp/
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】Coming soon...
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2010年にこの世を去ったデニス・ホッパーは、さまざまな映画で悪党を演じてきた。『ブルー・ベルベット』での変質者や、ゾンビ映画『ランド・オブ・ザ・デッド』の大富豪、それから、『スーパーマリオ/魔界帝国の女神』のクッパもありましたね...。そんなホッパーが悪役として登場する映画から、今回は『スピード』を紹介したい。.
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デニス・ホッパー演じる爆破魔ハワードは、ロサンゼルス市内を走るバスに爆弾を仕掛ける。その爆弾は、走っているバスの速度が時速50マイル(約80キロ)以下になると自動的に爆発するという特殊なもの。こうした行動に出たのは、バスの乗客を人質にして警察から身代金を取るためだった。そこで、ロス市警のジャック(キアヌ・リーヴス)がこのバスに乗り込み、事態を収束させようとする。しかしハワードは、警察が爆弾を解除して安心したスキに別の爆弾を仕掛けたり、警官たちをおびきよせて爆弾で吹き飛ばしたりと、情け容赦のない悪行を連発。さらに、警察の手を読んで追跡を巧みにかわすなど、観る者をかなりイライラさせてくれます。警察はハワードのことを「クレイジーだが愚かではない」と言うが、まさにその通り。異常だが狡猾な悪党だ。しかし爆弾を作る技術があれば、犯罪などしなくても他に仕事があるだろうと思ってしまうのだが、それを言ってはおしまいか。.
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映画の悪党は非情であればあるほど魅力的だが、僕は悪党の最期には壮絶さも必要だと思っている。本作のホッパー演ずるハワードの最期は、壮絶だが悲惨でもあります。『スピード』はさまざまなスリルを盛り込み、観客を飽きさせないサスペンス・アクション映画に仕上がっている。まだ観たことのない人には、オススメの作品だ。.
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ちなみに、『スピード』が公開される20年前に製作された日本の映画に『新幹線大爆破』がある。新幹線に爆弾が仕掛けられて、速度が時速80キロ以下になると爆発する・・・という物語で、『スピード』の元ネタと言われている。爆弾を仕掛けた「爆破魔」には高倉健が扮していた。こちらもホッパー並みの狂気をはらんだキャラクターだった。.
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しかし『スピード』を観直すたびに残念に思うのは、もう新作映画でホッパーが悪党を演じる姿をスクリーンで観られないこと。もっと僕たちをドキドキ、イライラさせてほしかった。合掌。
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】2011年のマイベスト映画は『宇宙人ポール』でした。今年も面白い映画にたくさん出会いたいです。
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以前、当コラムで「日本で韓流映画が1つのジャンルとして定着した」と書いたことがある。僕も気になった韓国映画は観るようにしているが、チャン・グンソク主演の甘いお菓子のようなラブコメ『きみはペット』より、『チェイサー』のような、お腹にたまる焼肉のような重厚なサスペンスのほうが好みである。
今回は、その『チェイサー』で息詰まるサスペンスと絶望的な展開で観る者の度胆を抜いたナ・ホンジン監督の最新作、『哀しき獣』の予告編を紹介したい。
予告編はまず「韓国映画史上初!ハリウッドメジャースタジオが出資。ハリウッド・リメイク決定!」のテロップから始まる。『チェイサー』も日本公開時には「レオナルド・ディカプリオ主演でリメイク!」と宣伝されていたが、その後リメイクについての続報は聞かない。まあ、観たければオリジナルを観ればいいってことです。
そして「その日、男は韓国ソウルへと旅立った。1つは、消息を絶った家族のため」のナレーション。ソウルに向かう男、主役のグナムを演じるのは『チェイサー』で連続殺人犯を演じたハ・ジョンウだ。
グナムは中国にある朝鮮族自治州に住んでいる。家族に去られ、借金に苦しむグナムは、ある仕事の話を聞かされる。その仕事とは韓国である男を殺すこと。成功すれば、借金は帳消しになる。グナムは殺人を実行するべく、韓国へ向かうのだった。殺人を持ちかける男ミョンを演じるのは、『チェイサー』で殺人犯を追う元警官を演じたキム・ヨンスクである。
さて、韓国に渡ったグナムは標的を殺そうとするが、標的の男はグナムの目前で、ビルの上階から車のボンネットに落ち、命を落とす。人間がボンネットに落ちるというショッキングな映像は『インファナル・アフェア』でもありましたが、サスペンス映画のスタンダードになっているようです。
ここから予告編は、殺人の罪を着せられたグナムの逃避行を描く。『チェイサー』でも殺人犯とそれを追う警官の走るシーンが展開されたが、『哀しき獣』ではグナムを追う警官のクラッシュするパトカーの数が大幅に増えるなど、作品の規模はパワーアップ。
逃げるグナムを、ミョンは「俺の手からは逃げられない」と手下を使って追い詰めようとする。ミョンの手下たちの中には手に斧を持った者も。韓国映画で斧や金槌などの凶器が出てくると、容赦ない暴力的なシーンが出てくる可能性が濃厚。『哀しき獣』でも痛そうな場面が出てくるかもしれません。
自らトラックを運転し、逃げようとするグナム。それを追いかけるミョン。トラックを使ったアクション映画といえば『ターミネーター』『マッドマックス2』などを思い出させる。
「どうせ死ぬ。だが死ぬ前に、いったい誰が仕組んだのか突き止めたい」
グナムは絶望の闇から抜け出すことができるのか?それを打ち消すかのように、「この闇には、一縷の光さえ届かない」というナレーションで予告編は終わる。
重い、あまりにも重いですねえ。でも観たくなったでしょ?早速これから観に行ってきます!
今回注目した予告編
★『哀しき獣』
監督:ナ・ホンジン
出演:ハ・ジョンウ、キム・ユンソクト
1月7日より絶賛公開中
公式サイト:http://kanashiki-kemono.com/
★今回から予告編コラムに加え、映画の悪役を語るコラムが登場!第1回はターミネーターです★
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】話題の小説『ジェノサイド』を読みました。期待を裏切らない、一気読みの面白さでした。来年も面白い映画や本と出会えますように。
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『ターミネーター』が公開された時、アーノルド・シュワルツェネッガー扮するターミネーターの姿は衝撃的だった。撃たれても起き上がり、爆発でも死なず、どこまでもしつこく追い続けてくる様子を観て、当時中学生だった僕は「ターミネーターって怖いな...」と感じたものだ。しかし怖いと思う一方で、映画を見終わる頃には、僕はこのターミネーターに魅了されていたのである。その魅力とは、シュワルツェネッガーの強面な顔と屈強な筋肉が、ターミネーターそのものであるということ。彼は見事に不死身のサイボーグになりきっていたのだった。
シュワルツェネッガーはもともとオーストリア出身のボディビルダーで、アメリカに渡った後に俳優を目指す。しかしオーストリア訛りが抜けず、代表作といえば『コナン・ザ・グレート』ぐらい。そんな彼の英語をサイボーグという無口な設定で封じたのが、『ターミネーター』の成功のポイントだった。今では信じられない話だが、シュワルツェネッガーは最初、ターミネーターと戦うカイル・リース役をオファーされていたという。それが、監督のジェームズ・キャメロンの判断でターミネーターを演じることになった。
シュワルツェッガーをサイボーグ役にした時点で、この映画の成功は約束されたといっていい。ちなみに当初ターミネーター役の候補だったのは、『ターミネーター』では刑事役のランス・ヘンリクセン。後にキャメロンが撮った『エイリアン2』でヘンリクセンがアンドロイドを演じているのは、キャメロン監督の粋な計らいだ。
『ターミネーター』で僕の1番のお気に入りのシーンは、ターミネーターが警察署で警官たちを相手に大暴れする場面だ。大勢の警察官を銃で撃ちまくる姿はヒーローのようにカッコよく、悪役でありながら「いいぞ、やってしまえ!」と声援を送るほどだった。日本で『ターミネーター』が公開された時に配給会社が考えたキャッチコピーは「悪のヒーロー」。悪いのにヒーローとは矛盾しているが、うまい表現だ。『ターミネーター』はパート4まで製作されてドラマ版も放送されたが、僕にとってはシュワルツェネッガーの個性を最大限に生かした第1作目がシリーズ中のベストである。
『ターミネーター』が日本で公開されてから26年経った今年、シュワルツェネガーに10歳の隠し子がいることが判明。夫婦は離婚するという結果となった。スクリーンでは無敵の男を演じたシュワルツェネガーだったが、実生活では浮気という弱い一面を見せられることになってしまった。ファンとしてはなんとも複雑な心境である。
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】『ウィンターズ・ボーン』を観ました。ミズーリ州を舞台に、17歳の少女が遭遇する恐ろしい試練に凍りました。家族の絆も描いたサスペンス映画の傑作です。
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僕が子どもの頃、「木曜スペシャル」というテレビ番組で時々UFO特集が組まれていた。それを観ながら、子供心に「UFOとか宇宙人はいるかも」と思っていたのだった。そのせいか大人になった今でも、宇宙人が登場する映画は好きで観ている。今年は『SUPER 8/スーパーエイト』や『世界侵略:ロサンゼルス決戦』、『スカイライン‐征服‐』など、宇宙人が登場する映画が多かった。今回はそんな「宇宙人映画イヤー」の2011年を締めくくる作品『宇宙人ポール』の予告編を紹介したい。今年9月に行われた「したまちコメディ映画祭」でも上映されたので、この映画を知っている方も多いだろう。
予告編はまず『2001年宇宙の旅』(1968年)の荘厳な音楽が流れ、「2011年の冬、人類はいまだかつてない、未知なる奇跡と遭遇する」のテロップから始まる。そこに映るのは、2人のイギリス人、グレアム(サイモン・ペッグ)とクライブ(ニック・フロスト)の乗るキャンピングカー。そしてグレアムが言う。「信じられない。エリア51だぜ」。エリア51とはネバダ州にあるアメリカ空軍が管理している地区で、墜落したUFOに乗っていた宇宙人が運び込まれた場所とウサワされているエリアだ。喜ぶ2人は、少年のまま大人になった「子ども大人」のよう。そんな彼らが、なんと本物の宇宙人と遭遇する。
サイモン・ペグとニック・フロストは『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)や『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007年)にも出演。この『宇宙人ポール』では主演のほか、共同で脚本も書いている。
さて、宇宙人は名前をポールといい、頭と目が大きくて体が細い「グレイ」と呼ばれるタイプだ。彼の乗ったUFOは60年前に地球に不時着。その後、アメリカ政府に協力していたのだが、解剖されそうになって逃げ出してきた。そんなポールは人間の言葉を話すことができ、偶然出会った2人に故郷の宇宙へ戻る手助けを請う。政府の下から逃走した彼は「メン・イン・ブラック」に捕らわれると、脳みそを切り取られるのだ。「メン・イン・ブラック」とは地球に来た宇宙人を監視する、アメリカの組織で働く黒いスーツの男たち。映画『メン・イン・ブラック』(1997年)でウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズが扮していたと言えばお分かりだろう。『宇宙人ポール』でこれを演じるのは『マイレージ、マイライフ』(2009年)のジェイソン・ベイトマン。ポールの低くていい声を担当しているのは『グリーン・ホーネット』(2010年)のセス・ローゲンだ。
かくして、グレアムとクライブのポールを故郷に送り届ける旅が始まる。時にはポールを人間のように変装させて周囲の目をかわし、またある時には建物の爆破に巻き込まれ、そしてまた別の時にはメン・イン・ブラックに追い詰められる。こうして彼らの旅は思わぬ大冒険へと変わっていくのだった。
『宇宙人ポール』の監督は青春コメディの傑作『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007年)のグレッグ・モットーラ。予告編を見る限り、この作品は『ET』『未知との遭遇』などのスピルバーグ映画へのオマージュを捧げつつ、少年のような大人たちが宇宙人を助けようとする青春映画になっている予感がする。「木曜スペシャル」を観て宇宙人の存在を信じた自分も、この映画を観て子ども心に戻りたいと思います。
なお、予告編の最後には、ポールが傷ついた鳥を手に取るシーンが出てくる。彼は宇宙人の超能力で傷を治し、鳥は再び元気に羽ばたく。それを見たグレアムとクライブが「軌跡だ!」と感動するのだが、その直後、何とポールがXXXXX!どういうオチかは予告編を観てください。
今回注目した予告編
★『宇宙人ポール』
監督:グレッグ・モットーラ
出演&脚本:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト
12月23日より公開
公式サイト:http://paulthemovie.jp/
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】夏の映画では『トランスフォーマー』『ハングオーバー!』が面白かったです。
もうすぐ公開される映画で期待しているのは『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』と
『ゴーストライター』です。
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"韓流"という言葉はすでに日本で定着し、現在ではレンタルビデオ店で韓国映画やドラマのDVDが数多く置かれている。"アクション"や"ラブストーリー"のように"韓流"というジャンルの棚が出来るぐらいの勢いだ。韓国映画では『カンナさん大成功です!』(2006年)などのラブコメも面白いが、個人的に好きなのはサスペンス『殺人の追憶』(2003年)や『母なる証明』(2009年)、それからアクション『甘い人生』(2005年)である。今回紹介するのは、『母なる証明』に出演していたウォンビンが主演の映画『アジョシ』の予告編である。
予告編は、2010年韓国No.1興行収入のテロップ。そして少女ソミ(キム・セロン)が
「おじさんだけは、私を分かってくれるよね」のセリフで始まる。
タイトルにもなっている"アジョシ"はハングル語で"おじさん"の意味である。
そして"おじさん"と呼ばれているのはウォンビン。ちょっと待って!ウォンビンは1977年生まれで、まだ33歳である。おじさんと呼ぶには、ちょっと若いのでは?
そして予告編は、タイトルが出た後、おじさんの普段の仕事が明かされる。
孤独な少女の味方は、隣の質屋のおじさんだった。
質屋のおじさんに扮するのはウォンビン。
でも、ソミはおじさんには何かあると気づいていた。「おじさんはヤクザ?」と問うソミは、
「もしおじさんが悪い人でも嫌いにならない。もしおじさんを嫌いになったら、私の好きな人がいなくなる」。泣かせるセリフですね。ソミを演じるキム・セロンは『冬の小鳥』(2009年)で繊細な少女を演じて注目された若き俳優である。
そしてソミが謎の男たちに誘拐される。男たちの目的は、ソミの母親が質屋に預けたカバン。そのカバンの中身は何なのか?中身と思われる、白いモノが入ったビニール袋。さらにソミが誘拐されて...一気に緊張感が高まる。
そして、おじさんが髪の毛を剃る。『タクシードライバー』(1976年)では世の中に不満を抱えたロバード・デ・ニーロがモヒカンにし、『狼の死刑宣告』(2007年)で復讐に燃えるケヴィン・ベーコンが髪の毛を剃るシーンがある。いつの時代でも、怒る男たちは髪の毛を剃るんです。
『アジョシ』予告編は、ここから質屋のおじさんが実は恐るべき戦闘能力を持つ人物であることが判明する。ソミを誘拐した男たちが、おじさんの経歴を見て言う。
「この男には、過去の記録が何もない」
過去のない男って『ボーン・アイデンティティ』(2002年)のジェイソン・ボーンみたいだ。そして残念ながら悪党たちが気づいた時にはもう遅い。おじさんがアジトに殴りこみをかけるのだ。
「お前は何者だ?」と問われたアジョシは、ひと言だけ答える。「隣の家のおじさん」と。
そして、おじさんVS悪い集団の激しいバトルが繰り広げられる...。
この予告編を見て思ったのは二つ。まず『アジョシ』と『レオン』(1994年)の共通点ですね。孤独な質屋と少女の友情って、『レオン』の孤独な殺し屋と少女の友情の物語という点で似ている。もう一つは予告編の構成だ。アジョシと少女が出会う。やがて2人は親しくなる。しかし少女が誘拐され、アジョシの意外な正体が分かる。そしてアジョシが少女を救うために悪のアジトに殴りこみをかける。という起承転結に沿って作られた分かりやすい予告編だ。分かりやすいので、もう本編を観なくても内容が分かったよと思う人もいるかもしれない。でもアクション好きとしては、韓国映画で『レオン』がどう再構築されているか観てみたい。ということで、映画館まで行って確認してきます!
今回注目した予告編
★『アジョシ』
監督・脚本:イ・ジョンボム
出演:ウォンビン、キム・セロン
9月17日より公開
公式サイト:http://www.ajussi2011.jp/pc/
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】夏の映画では『トランスフォーマー』『ハングオーバー!』が面白かったです。
もうすぐ公開される映画で期待しているのは『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』と
『ゴーストライター』です。
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映画には、休暇中に海に出かけて恐ろしい目に遭うというストーリーが多い。有名なところでは、サメが人を襲う『JAWS/ジョーズ』(1975年)や、ダイビング中の夫婦が海に置き去りにされる『オープン・ウォーター』(2004年)などがそうだ。しかし、海でなければ安全かというと、そうとは限らない。今回は、湖に出かけて恐ろしい目に遇う映画『ピラニア3D』を紹介する。
まず登場するのが、湖に潜った男が無数のピラニアに襲われるシーン。
そして、「日本公開が危ぶまれた超問題作、ついに解禁!」のナレーションが流れる。
ここで場面は一転。ビキニを着た美女たちが湖畔に登場し、ウェット・Tシャツ・コンテストが開催されている。「ギャルのTシャツを濡らすぞ~」と水をまいているMCに扮しているのは、イーライ・ロス監督だ。ロスはホラー映画『ホステル』(2005年)の監督だが、『イングロリアス・バスターズ』(2009年)ではアメリカ兵として出演している。『バスターズ』ではナチスと戦う兵士を演じ、今回の『ピラニア』では美女に囲まれるMC役と、男としてはうらやましい限りである(←嫉妬)。
若者たちが湖畔で大騒ぎをしている一方、大人たちは謎のピラニアについて調べていた。保安官を演じるのは、『ベスト・キッド』(1984年)のエリザベス・シュー。「このピラニアは、200万年前に絶滅した種だ!」と言うのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)でドクを演じたクリストファー・ロイドだ。エリザベスとクリストファーは『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(1989年)以来の共演か。
そしてピラニアの正体が分かると同時に、予告編は恐怖感が全開に。ピラニアが若者たちを襲撃し、楽しいバケーションは地獄に一変!何万匹ものピラニアが、3Dで襲いかかってくるのだ!
でも人間も負けてはいない。ヴィング・レイムスが「これでも食らえ!」と叫び、スクリューをチェーンソーみたいに持ってピラニアと対決。ヴィングは『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)でも大勢のゾンビたちを相手に戦っていたので、今回も彼の活躍に期待しましょう。そして、渦巻く湖の上のボートで驚きの表情を見せるのが、リチャード・ドレイファス!彼は『JAWS/ジョーズ』でサメと戦う男を演じていたが、サメ映画に出た俳優をピラニア映画に出演させるなんて粋なキャスティング。今回はピラニアの大群から生き残れるのだろうか?
予告編は、「この夏、忘れられない思い出をあなたへ!」というナレーションで終わるが、「忘れられない思い出」というより、最後のカットも含めて、もはや「トラウマ級の恐怖をあなたへ!」である。
本作の監督アレクサンドル・アジャは、『ヒルズ・ハブ・アイズ』(2006年)、『ミラーズ』(2008年)と2本のリメイク映画を撮っている。今回の『ピラニア3D』も『ピラニア』(1978年)のリメイクだ。アジャ監督の特徴は、バイオレンスとグロテスクな描写を強く打ち出す過激な作風である。本作もピラニアに襲われるシーンなど、手加減なしの内容になっているに違いない。最初のナレーションで「日本公開を危ぶまれた」のは、残酷描写の激しさからである。そして断言するが、ビキニの美女たちも間違いなく脱ぎます。だって、この手の映画にヌードはお約束だから。下らないと言われればそれまでだが、ピラニアとエロとグロが3Dで飛び出す映画は楽しむが勝ちである。お下劣バケーション映画『ピラニア3D』に大いに期待しています!
今回注目した予告編
★『ピラニア3D』
監督・製作:アレクサンドル・アジャ
脚本:ピーター・ゴールドフィンガー、ジョシュ・ストールバーグ
出演:エリザベス・シュー、ヴィング・レイムス、クリストファー・ロイド、
リチャード・ドレイファス、イーライ・ロス、ピラニア
8月27日より公開
公式サイト:http://www.piranha-3d.jp/
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】「ぴあ」が休刊になりました。自分が映画を観るようになった80年代はインターネットもなく、
雑誌が貴重な情報源でした。「ぴあ」で育った映画ファンとしては寂しいかぎりです。
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志村けんのネタで、"変なおじさん"というキャラクターがいる。志村が変なメイクと衣装で演じる"変なおじさん"が、場違いなシーンに登場するコントを覚えている人も多いだろう。
今回紹介するのは、ある普通のおじさんが自発的に"変なヒーロー"になってしまう映画『スーパー!』の予告編である。
予告編は、ある夫婦のシーンから始まる。主人公のフランクは、妻サラとの夫婦生活がうまくいっていないようだ。そして、サラはドラッグ・ディーラーの男(ケヴィン・ベーコン)と駆け落ちしてしまう...。
主人公のフランクを演じるのは『ギャラクシー・クエスト』(1999年)や『ROCKER 40歳のロック☆デビュー』(2008年)のレイン・ウィルソン。フランクはかなり普通な人ですが、彼の妻・サラとして登場するのが、なんとリヴ・タイラー。2人の馴れ初めが気になるところです。ケヴィン・ベーコンは最近では『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年)で悪党を楽しそうに演じていたが、この作品でも人妻を誘惑する女たらしを楽しそうに演じているようだ。
さて、妻に去られたフランクは、悲しみからか突如「ヒーローになる」宣言をする。それを聞いた少女リビー(エレン・ペイジ)は「やるね」と言う。ええっ!?普通は止めるように説得するでしょう。
「悪に立ち向かう心が人をヒーローにする」
フランクはお手製の赤いスーツを着てヒーローに変身する。この場面は『スパイダーマン』(2002年)で主人公がスパイダーマン・スーツを作る場面に似ているのだが、フランクの作った衣装はかなりカッコ悪い。むしろ悪役っぽいぐらい。ただの変なおじさんです。でもフランクは、クリムゾンボルト(赤い稲妻という意味)として、めでたくヒーロー☆デビュー!
しかしクリムゾンボルトはレンチで殴りながら「盗むな、ドラッグを売るな」と叫ぶ、かなり暴力的でアブないヒーロー。そしてリビーが、よせばいいのに「私と組めば?相棒が必要でしょ」と想定外の発言。そして誕生した相棒、リビーのヒーローネームが「ボルティーです!」。このボルティーの衣装も、かなり微妙ですが。
ここから予告編はボルテージを上げていく。
ボルトは銃やダイナマイトまで用意して、どっちがヒーローか悪党なのか、もう分からない状況で悪と戦っていくのだ。
本作の監督ジェームズ・ガンは『ゾンビ』(1978年)のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)の脚本を書いて注目を浴びる。そして初監督作として撮ったSFホラー『スリザー』(2006年)は80年代ホラーへのオマージュがあふれた映画だった。今回の『スーパー!』も、昨今のCG映像だらけのヒーロー映画とは一味違う、アナログの"ご近所のヒーロー物語"のような映画になっていて親しみを感じる。
しかし、出演陣がレイン・ウィルソンやケヴィン・ベーコン、リヴ・タイラー、エレン・ペイジとやたら豪華なのはなぜだろう。この作品にどうしても出たい!と思わせる魅力的な作品だからなのか?それは本編を観て確認します。さらに予告編では、クリムゾンボルトと戦う悪党の1人として、『スリザー』でエイリアンに体を乗っ取られるおじさんを演じたマイケル・ルーカーも登場している。
予告編を観ると、最近流行りの"ダメ男が奮闘する映画"に位置づけられるかもしれない。でもレイン・ウィルソンの必死な姿に思わず感情移入してしまうのは、自分もおじさんだからか。僕は変なおじさんにはなりたくないが、ヒーローなおじさんにはなりたいと思っているので、映画館まで観に行ってきます!
今回注目した予告編
★『スーパー!』
監督・脚本:ジェームズ・ガン
出演:レイン・ウィルソン、エレン・ペイジ、リヴ・タイラー、ケヴィン・ベーコン
2011年7月30日より公開
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/super/
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】節電になればと、最近はテレビ観賞よりも読書する時間が増えています。大沢存昌の「新宿鮫」シリーズの「灰夜」を読みました。しかし終盤まで読んで、この本をすでに読んでいたことを思い出しました...。でも、「新宿鮫」は再読しても面白いことも発見しました。
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ニコラス・ケイジは正直な俳優である。『リービング・ラスベガス』(1995年)でアカデミー主演男優賞を受賞したが、その後はアクションとかSFとかコミックの映画化とか、自分の好みに正直になって映画に出演するようになった。個人的には、彼は素晴らしい方向にキャリアを進めていると思う。去年のマイ・ベスト映画『キック・アス』(2010年)では、ニコラスがバットマンもどきの衣装でアブないオヤジを演じていて最高だった。
さて、今回紹介したいのは、ニコラス・ケイジ主演の最新作『ドライブ・アングリー 3D』の予告編だ。
予告編は、ニコラス・ケイジ扮するジョン・ミルトンが、ライフル銃を手にして車を降りてくるシーンから始まる。
「男の名はジョン・ミルトン。娘を殺され、愛する家族を奪われた。」
家族を殺された男の復讐という映画は、何百回と観たような気がする。そして黒ずくめの服装にサングラス姿のミルトンの背後で車が爆発。こんなシーンも80年代の映画でイヤというほど観ましたが...もう一度確認するが、ニコラスはアカデミー主演男優賞を受賞するほどの俳優である。しかし、何度となく繰り返された役柄やシーンにも抵抗がない。そう、彼は好みに正直なのだ!
ミルトンはある男を捜している。その男とはミルトンの娘を殺し、赤ん坊を誘拐した犯人だ。
赤ん坊の誘拐というと、ニコラスが出演した『赤ちゃん泥棒』(1987年)を思い出す。『赤ちゃん泥棒』では赤ちゃんを誘拐していたニコラスが、本作では赤ちゃんを誘拐されるという逆の設定である。
ここでミルトンを追う、謎の男(FBIらしい)が登場。この男を演じるのは人気ドラマ『プリズン・ブレイク』(2005~2009年)でもFBI捜査官役で出演していたウィリアム・フィクナーだ。
この謎の男は、ミルトンとのカーチェイスの末に車ごと橋から転落。でもほとんどケガをしてない。なぜ不死身なのか?考えられる理由は、①彼は人間ではない。②この映画では、そんな細かいことは考えなくていい。そのどちらかである。
予告編はとにかくカーチェイス、爆発、銃撃戦、そしてまた爆発。最後に、「今、限界を超えた戦いが加速する」というナレーションが流れ、『ドライブ・アングリー 3D』というタイトルが出て予告編は終わる。
カーチェイスの場面でヴィンテージカーを惜しみなく使っているのは『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年)に通じるものがある。CGを使っているシーンもありそうだが、本物の車をガンガンぶつける場面は迫力があって好感が持てます。
なお、この映画のコピーは「撃たれても撃たれても撃たれても、飛び出すケイジ!フル3D!」...何だかヤケになっている気もするが。弾丸がスクリーンから飛び出す、車がジャンプしてこちらに向かってくるなど、3D映画のあり方としては非常に正しい作品だと思う。とにかく、細かいことは気にせずに楽しんだ者が勝ち!暴走映画『ドライブ・アングリー 3D』に乗り遅れるな!
今回注目した予告編
★『ドライブ・アングリー 3D』
監督:パトリック・ルシエ
脚本:パトリック・ルシエ、トッド・ファーマー
出演:ニコラス・ケイジ、ウィリアム・フィクナー、アンバー・ハード
2011年8月6日より公開
公式サイト:http://www.da3d.jp/