通訳初心者がロサンゼルスで学んだ訳の正確性だけではないスキルとは
現在、ワーキングホリデーでカナダのバンクーバーに滞在している齊藤紗織さんは、ロサンゼルス校で通訳の基礎スキルを学ぶブートキャンプ「新・通訳(バイリンガル・コミュニケーター)養成講座」を受講した。齊藤さんにはこれまで通訳の学習経験がなかったが、なぜこの講座を受けたのか、実際にどのような学びがあったのか、話を聞いた。
■通訳訓練で仕事の選択肢を広げたい
2026年6月、齊藤さんは滞在先のバンクーバーからロサンゼルスに移動し、6日間連続で通訳基礎を学ぶ新・通訳の「ブートキャンプ」に参加した。2024年からバンクーバーの英語圏で生活するなかで、英語力も向上し、来年2027年には日本に帰国する。カナダで得た経験とスキルをどう生かすべきか考えていた時、知人からJVTAロサンゼルス校のブートキャンプのことを聞き、興味を持った。ただ、まったくの初心者である自分が通訳の授業についていけるか不安はあったという。齊藤さんは参加を決めたきっかけをこう語る。
「2024年からのワーキングホリデーもあと1年。日本に帰ったら英語を使った仕事をしたいと考えていましたが、何をするか具体的に絞れているわけではありませんでした。たまたま知人からJVTAのブートキャンプのことを聞き、仕事を決める際の選択肢の1つになるかもしれないと思い、チャレンジすることにしました」

■通訳に大切なのは、話の理解と徹底したリサーチ

ブートキャンプでは、ロサンゼルス校があるトーランスにある教室に経歴や年齢も異なる受講生たちが集まり、6日間みっちりと通訳訓練を受ける。シャドーイングやリテンション、通訳する時に欠かせないノートの取り方などの基礎的な訓練から始まり、受講生が教室の前に立ち、音声を聞きながら訳していく。最初は「完璧に訳さなければならない」と考えて、言葉が出てこなかったり、自信を持てずに声が小さくなったりしてしまう人も多い。齊藤さんも授業を受ける前は、完璧に訳すことを求められると思っていたが、授業を受けたことで、もっと重要な点があることに気づいたという。
「最初は正しく訳すことを意識していましたが、講師からは話者が一番伝えたいことは何かを考える視点を教わりました。英語と日本語は文章の構造が違うことに加え、英語はストレートに伝える一方で、日本語は曖昧な表現も多い。日本語の話者の言いたいことが分かりにくい場合、どこに焦点を当てて訳すべきなのか指導してもらいました」
あいまいな日本語をそのまま英語に訳しても相手には伝わらない。話者の意図をいかに分かりやすく伝えるかが通訳のテクニックの見せどころでもある。英語から日本語に訳す際は、英語のリスニング能力が求められるのはもちろんだが、齊藤さんは日本語でのアウトプットの難しさも感じた。
「英語から日本語に訳す時、シチュエーションに合わせて丁寧な日本語を使ったほうがいい場合があります。パッと適切な丁寧語が出てこないことがあったのですが、訓練を続けて慣れていくしかないと思いました」
通訳に求められるのは、英語のリスニング能力だけではなく、日本語力も問われる。そして、さらに訳す上で役立つのが入念な下調べだ。業界や専門用語について知っておくことだけではなく、例えば話者の話し方や傾向を知っておくだけでも、通訳しやすくなることを齊藤さんは学んだ。
■最終日につけた自信を未来に生かす

最終日のOJTシミュレーションでは、映画の記者会見を想定して、受講生が実際に通訳を行う。齊藤さんは監督役の話者の通訳を担当。記者からの日本語での質問を英語に訳した時に、相手が即座に反応してくれたことで、自信が生まれた。ブートキャンプが終了し、カナダに戻った後も、齊藤さんはポッドキャストなどを聞いてリスニングの強化に励んでいる。ブートキャンプで、話者のポイントを理解する訓練を行ったことで、以前よりも理解度が増したという。
ロサンゼルスで一緒に学んだクラスメートとは、今でも連絡を取り合い、交流が続いている。来年日本に帰国した時の選択肢が増えた齊藤さんが、6日間で培った訓練と出会いをどのように生かしていくのか楽しみだ。
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LA時間:10月7日より開講
LA時間:11月30日より開講
