ロジカルリーディング力強化コース 主任講師・映像翻訳者 山根克之

翻訳者を目指して勉強されている方やこれから勉強を始めようと考えている方が当面の目標と考えるのは、まず翻訳者になることでしょう。でも、それはあくまでも当面の目標であって、それがゴールではありません。翻訳者になること(トライアルに合格すること)はスタートラインにつくことでしかなく、その先走り続けられるかどうかはまた別の問題です。
「翻訳者として信頼され、長く活躍できる確かな読解力・思考力を養える講座を作りたい」という思いから6年ほど前にロジカルはスタートしました。きっかけはあるドキュメンタリーシリーズの翻訳チェックを担当したことでした。尺合わせがやや甘い、原文に引きずられて日本語表現が硬くなっている、といった程度なら多少目をつぶってこちらで直すことはできます。でも、その時に特に気になったのは「これって語られている情景は見えているのか?」「訳文の理屈が合っていないことになぜ気付かないのか?」と疑問に思うことが何度かあったことです。その翻訳者さんたちが実力不足だと言っているのではありません。問題なく訳せている個所の仕上がりを考えれば、実力はあるはずです。ただ、「もっと丁寧に考えれば、こうはならなかっただろう。惜しいな」というのが素直な感想でした。
そこからロジカルの前身の講座のカリキュラムを修正し、今の形がスタートしました。それ以来、英語力にある程度の自信がある生徒が課題を見て「こんな英文なら軽く訳せます」と考えたとしても、授業後には「ああ、これほど考えないといけなかったのか」と思ってもらえるような講座を目指してきました。
実際に、英文解釈や訳文の根拠に悩んでいた修了生が、受講を通じて自分の課題に気づき、その後トライアルに合格してプロデビューした事例もあります。また、すでにプロとして活動している翻訳者が、さらなるスキルアップを目指して受講しているケースもあります。
受講生のリアルな声は下記のリンクから読むことができます。
https://www.jvta.net/tyo/logical-reading-archive/
今はタイパ・コスパ重視の時代ですから、英文を翻訳アプリに入れてちゃちゃっと訳文を作成することもできます。しかしAIが作成した訳文はまだまだ不自然さが残ります。「だったらその不自然さだけ直せばよいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、そこには大きく欠落している点があります。そもそもAIは「なぜその解答を導き出せたのか」という点がブラックボックスになっていることがあります。つまり機械翻訳で作った訳文に人間が多少の手を加える程度では「なぜそのように解釈したのか」「なぜその訳語を選んだのか」という答えがないまま訳文を提出することになります。そんな翻訳が信頼されるでしょうか?
ロジカルで出題する課題はどれも一筋縄ではいかないものばかりです。初講では機械翻訳が作った訳文を作り直す課題が出題されます。機械翻訳の訳文と人間が深く考えずに表面的に訳した訳文には似たような物足りなさがあることを感じてもらうためです。AI隆盛の時代に「これならAIで訳しても変わらないよね」と言われないレベルの読解力・思考力を身につけるために本講座の受講をぜひ検討してみてください。
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