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2007年12月 アーカイブ

vol.22 『素晴らしき哉、人生!』 by 浅野一郎


12月のテーマ:クリスマス

クリスマス映画シーズンですね。毎年、この時期になると必ずクリスマスをテーマとした映画が放映されますが、皆さんにとっての「これぞクリスマス映画!」とは何でしょうか? 私の第1位は... 『素晴らしき哉、人生!』です。
この映画を観ると"生きてるって素晴らしい!"と、夢と希望に心が満たされるほど感動してしまいます。映画のタイトルどおり、自分がこの世に生きていることの素晴らしさを教えてくれる映画です。

主人公は、いつも貧乏くじばかり引いてしまい、自分の夢をあきらめてきたジョージ。
ある日、最大の苦難が彼を襲い、他人に振り回される人生に絶望したジョージは、ついに自殺を決意する。
そのとき、ジョージの前に≪見習い天使のクラレンス≫と名乗る男が現れ、"自分など生まれてこなければよかった..."と漏らすジョージに「もしもジョージがこの世にいなかったら」という架空の世界を見せる。そこではジョージは存在せず、彼と共に笑い、彼に救われるはずだった人たちが、まったく別の荒んだ人生を送っていた。
自分の存在に自信を持ち、生きる希望を取り戻したジョージは、生きていることの素晴らしさ、愛する家族や友人がいることこそ幸せなのだということを痛感する。
そして、雪が深々とふるクリスマス・イブの夜、再び元の世界に戻ったジョージを待っていたものは...

私も、自分の存在意義って何だろう?と、たまに考えることがあります。"自分が何かの役に立っているのか? 自分はどんな理由で、この世に生を受けたのだろう...?"と不安でたまらなくなることがあります。そんなとき、この映画を観ると、"生きているということは、それだけで素晴らしいんだ"と安心します。。。
映画のラストで、生きることに自信を取り戻した主人公が、"メリー・クリスマス!"と叫びながら街を走り回るシーンがあります。私も、そんなふうに自分の人生を愛することができるようになりたいと常々思っています。
この映画を観たことのない方、是非この季節に一度ご覧になってみてください。最高のクリスマス・プレゼントになると思いますよ。

※ちなみに「これぞクリスマス映画!」第2位は... 『ダイ・ハード』です!

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『素晴らしき哉、人生!』
出演:ジェームズ・スチュワート、ドナ・リード他
監督:フランク・キャプラ
脚本:フランク・キャプラ他
製作年:1954年
製作国:アメリカ
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vol.23 『ブリジット・ジョーンズの日記』 by潮地愛子


12月のテーマ:クリスマス

クリスマスも過ぎ、世間は年越しムード一色。そこで、今回はこの時期にピッタリ『ブリジット・ジョーンズの日記』をオススメしたい。

独身のまま新年を迎えてしまい、絶望のふちに追い込まれたブリジット。彼女が飲んだくれて「All by myself」を熱唱する冒頭シーンは、ブラボーのひと言。そして、ラブコメであるこの作品の展開も観客を裏切らない。

この作品の最大の魅力は、ブリジットのキャラにある。彼女を演じたレニー・ゼルウィガーが大幅に増量して役にのぞんだことは話題になったが、ブリジットは太めのヒロイン。"自己節制がなっていない感じ"を漂わせている。しかもドジ(死語だろうか!?)で、失敗ばかり。ダイエットも長続きしない。"だからやめとけって言ったのに"的な男ダニエルに夢中になって、手痛い失恋を味わわせられたりもする。

でも、落ち込むことも長続きしないからガッツで乗り切るブリジット。スマートさなんて、決して持ちあわせていない。イケてる、イケてないでいえば、後者に分類されてしまうタイプと言えよう。それなのに、いつの間にか、ダニエルとマークの2人の間で揺れ動くなんていう何ともゼイタクな境遇に陥っていたりする。しかも、その2人が彼女をめぐってとっくみあいのケンカをするのだから、うらやましい限りである(ちなみに、私はかの名曲「けんかをやめて」から、1人の女をめぐり男がケンカしている状況を"竹内まりや状態"と勝手に呼んでいる)。そして最後には、マークとハッピーエンド。世間にあふれているイイ男をゲットするためのルール本なんてまるで無視の力技の勝利だ。だって、彼女はありのまま(just as you are)で、彼のハートをつかんだのだから。

ブリジットを見ていると元気になる。ヘコむこともあるけど頑張れ私!って思えるのだ。月並みかもしれないけど、そう思わせてくれる映画って、すごく貴重じゃないだろうか。だって、前向きに頑張れる時ばかりじゃない。人間だもの。怒ったり、泣いたり、自信をなくしたり。自分を嫌いになってしまいそうな時だってあるだろう。そんな時はこの作品を見て元気をだしてほしい。また、機会があったら皆さんが元気をもらえる映画を教えていただけたらうれしい。

2007年もいよいよ大詰め。皆さんにとってはどんな一年だったのだろうか。私にとっては近年まれにみる"しんどい"一年だった。だから、何が変わるのかと言われると困るが、新年が待ち遠しくてしかたがない。2008年にかける思いは人一倍である。そんなわけで、地に足をつけて生きるべく私もブリジットのように赤いダイアリーを買った。当面の目標は「日記を毎日つけること」だ!
 
2008年が皆さんにとってもすばらしい年となりますように。

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『ブリジット・ジョーンズの日記』
出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、ヒュー・グラント 他
監督:シャロン・マグアイア
製作年:2001年
製作国:アメリカ/イギリス
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