発見!今週のキラリ☆

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2008年4月 アーカイブ

vol.29 「トライアル合格の究極のコツ、教えます」 by 浅野一郎


4月のテーマ:ピンク

桜吹雪の中を抜け、フレッシュマンたちが意気揚々と学校や会社の門をくぐる姿を眼にする季節です。日本映像翻訳アカデミーにも、今期からスクールで学ぶ方や、次のコースに進級する受講生がもうすぐやってきます。

そんな中、現在、翻訳センターでは実践コースの修了生トライアルとオープントライアルの最終審査を行っており、このメルマガが出る頃には結果が出ているはずです。今回は、どんな"フレッシュマン"に会えるのか、期待に胸が熱くなります。トライアル受験者の皆さん、"サクラサク"の吉報を楽しみに待っていてください!

さて、今回はあえて挑戦的な質問を投げかけてみたいと思います。プロの映像翻訳者を目指している皆さんは、「映像翻訳者になりたい」と思っていますか? "当たり前じゃないか! だから毎月、トライアルを受けてるんだ!"という答えが返ってくるかもしれませんね。

しかし、自問してみてください。本当に"映像翻訳者になりたい"と思っていますか? ひょっとして"トライアルに合格したい"という思いでトライアルに取り組んでいませんか?

そんな方にアドバイスです。トライアルに合格したければ、トライアルのことは忘れましょう(何だか禅問答みたいですが...。)
あくまでも"映像翻訳者になる"という一念で、そのために必要なことをしていれば、結果として自然にトライアルに合格するんです。

JIC(字幕制作練習用ソフト)を使ってハコ切りの練習をする、課外講座で翻訳の基礎を学び直す、自宅でCS放送を見て表現のストックを増やす、etc・・・ まずは、プロの映像翻訳者になるために、必要なスキルを身につけるための基礎的なトレーニングをしましょう。
トライアルQ&Aで模範原稿を見て、そこに近づくために一文一文を精査していくのも、もちろん大事です。復習なくして進歩はありません。しかし、日ごろの学習がなければ、せっかくの復習も身に付くことはありません。堀が埋まっていない城の天守閣を、攻め落とそうとしているのと同じです。

ジャンルを問わず映像素材が好き! 海外のメディアを日本人向けにローカライズして、この素材の面白さや真意を伝えたい!という想いに裏打ちされた、しっかりした基礎があって初めて、土俵に乗ることができるのです。

皆さんの身近には、間違いなく業界トップの映像翻訳ディレクターが8人います(うち1人はL.A.支部にて勤務中。) そのメリットをフル活用してください。
学習のことなどに関して不安や疑問がある場合は、気軽に話しかけてください。"映像翻訳ディレクター"などという大げさな名前が付いていますが、私たちも皆さんと同じ修了生ですから。
皆さんの肩にピンクの桜の花びらが舞い落ちて、キラリ☆彡と光る笑顔を見ることができたら、私たちは自分のことのように嬉しく思います。
ぜひ一緒に頑張りましょう!!

Vol.30 「ピンク★コンプレックス」  by 杉田洋子


4月のテーマ:ピンク

"憎い 恋しい 憎い 恋しい
 めぐりめぐって今は恋しい"
(「雨の慕情」 by 八代亜紀)

私のピンクへの思いはこの歌に集約されてる。
ピンクは初めて愛憎の表裏一体を教えてくれたものであり、
自分の成長過程と切り離せないものである。

恐らく大抵の女の子には、ピンクという色を迎合する時期と
拒絶する時期があるんじゃないだろうか。
小学校に上がる頃までは、私もピンク迎合派の一員だった。
でも現実は残酷にも、私の夢を打ち砕いた。

ピンク色のキキララ・デスクをねだる。(当時、女子の間で大流行)
→両親の一存で、高橋名人(当時、大流行)のパネルが入った
ナチュラルブラウンの学習机が届く。

パステルピンクのジャージキャラになりたい。(当時、同級生はみな
自分のシンボルカラーのジャージを着ていた)
→私のジャージはいつも青や紫。

スキーウェアは黄色だったし、スキー板は黒かった。
親友のAちゃんは私が欲しいピンクを全部持ってた。
そして、とてもよく似合ってた。
私はうらやましかった。そして、かなわないなと思った。
思えばこの時すでに、ピンク・コンプレックスの核が
私の中に芽生えていたのだろう。

だが小学校中学年にもなると、
ピンクを身に着けることに恥じらいを覚え始める。
ステレオタイプへの反発だ。
あからさまに女の子らしくすることが、
格好悪いような照れくさいような気がして、私はピンクを拒絶した。
両親のデスクチョイスに本気で感謝したものだ。
だが皮肉にもこの頃、いとこのお下がりで
ラメがかったショッキングピンクの自転車をもらった。
私は遠出をやめた。長いピンク氷河期が幕を開けた。

その間、何度か流行に緩和されたこともある。
ロマンチックやキュートがはやれば、
ホっとしてちょっぴりピンクを取り入れたりした。
でも、本当は心のどこかで、ずっとピンクに憧れていたのかもしれない。
堂々とピンクをまとい、いわゆる"女らしい女の子"というのが
うらやましかったような気がする。

今ではもちろん、周りの目なんて気にしないし、
純粋に好きか嫌いか、似合うか似合わないかでものを選ぶ。
ショッキングピンクは大好きだし、似合わないから服は選ばない。
次のケータイはビビットなピンクにする。
私はピンクを克服しつつある。
その一方で、ずっとピンクに抱いてきた「あまのじゃく性」は
しこりとして残っているのか、今も私は素直になれないことが多い。
たとえば、欲しいものを手に入れるために頑張ることが恥ずかしくて、
わざと手を抜いてしまったり。
もちろん、あとでしこたま後悔した。

そんな苦い記憶をたどるとき、ピンクへの愛憎を思い出す。
私にとってピンクは、手の届かない憧れや好きなものを跳ね返してしまう、
コンプレックスのシンボルカラーになっている。