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日米アニメ比較セミナーが初上陸!
米人気声優クリスピン・フリーマン氏が独自のプレゼンで観客を魅了!【後編】
3月25日(日)と26日(月)、日本映像翻訳アカデミーにて「やっぱりアニメはこんなにディープ! 日米名作徹底比較!」が開催されました。プレゼンターはJVTAロサンゼルス校講師のクリスピン・フリーマン氏。3回行われたセミナーには合わせて150名を超える参加者が集り、大盛況となりました。クリスピンさんが日本でこれらのセミナーを行うのは今回が初めて。さすが人気声優!というナイスボイスに加え、即興的な演技を交えた絶妙なプレゼンは観客をくぎづけにしていました。

【Crispin Freeman略歴】
ロサンゼルス在住。米アニメ、ゲーム界を代表する声優の1人。アニメ研究家音響監督、脚本家としての実績も持つ。代表作は『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョン、『NARUTO-ナルト-』のイタチとエビスなど。

3月25日(日)の模様はこちら


3月26日(月)19:00
★「アニメ作品にみる神話学
(Anime Mythology)」
○Giant Robots & Superheroes
(巨大ロボットと超人編)



クリスピンさん「アメリカのヒーローはスーパーマンをはじめとして超人が多いのに対し、日本のヒーローには鉄腕アトムのようなロボットが多く存在します。この違いはどこから生まれたのでしょうか?」

クリスピンさんは、『スーパーマン』、『鉄腕アトム』、『機動戦士ガンダム』、『ジャイアントロボ』、『マジンガーZ』、『新世紀エヴァンゲリオン』などの人気アニメを取り上げ、「何のために戦うのか?」「パワーの源は何か」「操縦者は誰か」などについて細かく分析していきます。さらに西洋と日本の宗教的概念の違いが語られ、斬新なアプローチで名シーンを読み解いていきました。

その後、ゲストに映像プロデューサーをお迎えしたトークセッションへ。子どもの頃から、『宇宙戦艦ヤマト』や『マッハGoGoGo』など日本のアニメが大好きだったいうクリスピンさんは、日本のアニメの魅力を語ります。


クリスピンさん「10代半ばの頃に観た『超時空要塞マクロス』で日本のアニメの素晴らしさを知りました。実際にはそれまでも日本のアニメはたくさん観ていたのですが、子どもの頃はその作品が作られた国まで意識したことはありませんでした。アメリカのアニメによくあるような「敵を倒す」だけではなく、リン・ミンメイが歌で戦いを解決する、戦いの後は異性人と共存していこうとするといった独自のストーリーや世界観に魅かれました。マクロスは大人が観ても楽しめる作品です」

映像プロデューサー「日本のアニメが海外へ輸出される場合、アメリカの放送コードに合わせて内容を大幅に変更してしまうケースがよくあり、飲酒や喫煙、暴力シーンのカットや漢字が多い看板は塗りつぶすなどの訂正が加えられることもあります。古くは『ガッチャマン』のバイオレンスシーンなども大幅にカットされました」

クリスピンさん「私が衝撃を受けたのは『トランスフォーマー』のオプティマスプライムが死んだシーン。日本人ディレクターが手がけたこのシーンはリアルで、まるでオペラのようにドラマティックに描かれていたんです。アメリカの子どもたちはあのシーンで“死”というものを知った!といっても過言ではありません(笑)」

このトークに客席で見ていた日英の映像翻訳コースのアーロン・ドッドソン講師が「Yes!」と手を挙げて同意し、フリーマン氏と微笑みながらうなずきあうという場面もありました。

最後に日本のアニメを世界に発信するために、映像翻訳者に求めるものは何かを尋ねました。

映像プロデューサー「理想は日本で制作したままでいきたいが、難しいのが現状です。キャラクターは日本で作り、ストーリーテリングはアメリカのスタッフというパターンや、英訳は現地でやる場合も多いですね。日本の文化やマインドが分かる人が翻訳したものを世界で発信できるなら、制作スタッフにとってそれは素晴らしいことだと思います」

クリスピンさん「私も個人的にはできるだけ日本のニュアンスをそのまま残したいのですが、それはプロデューサーの求めるものとは違ってきます。実際、私もポケモンの英語版制作に携わった時は、主人公のサトシがアッシュなど登場人物の名前を英語に変えざるを得ませんでした。一方、私がイタチとエビスの声を演じた『NARUTO』はすべてオリジナルの名前で放送されています。ただし、エビスが女の子を見て鼻血を出したりするシーンはカットされましたが(笑)。今後はアメリカでも日本らしさをきちんと残したままで観られるようになることを願っています」

参加者からはクリスピンさんの別のセミナーも受けてみたいという声が多く寄せられました。ロサンゼルス校で講師として教壇に立つクリスピンさん。今後も日本コンテンツの海外進出に大いに貢献してくれることでしょう。

セミナー参加者の皆さんの声はこちら!

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