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6月3日(日)書籍『はじめての映像翻訳』の世界をインタラクティブに体験!
6月3日(日)、アルク本社イベントホールにて「英語力を活かして、可能性を広げる 書籍『はじめての映像翻訳』セミナー」が開催され、20代から40代くらいの女性を中心とした約60名が参加しました。

★日本で観られる海外の番組と、海外へ発信される日本のコンテンツが急増中


日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の新楽直樹代表は、huluなどネット回線を通じて映画やドラマを楽しむビデオ・オンデマンドの普及や、BS放送局の増加、英日だけでなく日英案件の急増など映像翻訳者の活躍の場がますます拡がる現状を語りました。

新楽「日英の市場においては日本語の作品を深く理解し、情熱を持った人たちと一緒に仕事をしていきたいですね。英日・日英に関わらず大切なのは、映像翻訳者が各作品にしっかりとした字幕や吹き替えをつけて、そのコンテンツの魅力を正しく伝えていくことです」

★“決まり文句”のストックが柔軟で生き生きした言葉作りへの鍵


その後、JVTA日英映像翻訳コースのクリスチャン・ストームズ講師と、メディア・トランスレーションセンターの石井清猛ディレクターがトークショーを展開。この日大切だと伝えたのは、プロの映像翻訳者として多くの作品を観ること、そしていわゆる“決まり文句”のストックを増やすことです。

クリスチャン講師「アメリカでは“正義”とは何かを問う作品がとても多い。いろいろな作品のシーンでdeserve to dieという言葉が良く使われています。これは西部劇や法廷ものなどの“決まり文句”。こうした定番の決まり文句をストックしその背景にあるニュアンスを考えてみましょう。私も『十三人の刺客』の英語字幕を担当した時は、脚本家が参考にしたと思われるような武士道の書籍を読み、多くの時代劇を観て、表現はもちろん当時の武士の心情なども理解しようと努めました。また、ドラマや映画を観る際に、英語音声を聴きながら英語字幕表示で文字でも確認するようにしています」

★“Don’t think. Feel.”がまさに映像翻訳の極意


石井ディレクター「ブルース・リーの名セリフ“Don’t think. Feel.”がまさに映像翻訳の極意。映画の内容を理解するのではなく、登場人物と一緒に自らも物語を体感することが大切だと思います」

例えばラストシーンに登場する「hope」という単語一つを翻訳する際にも、この言葉に対する主人公の気持ちを冒頭からの変化を体感しながら追うことが必要とする解説に、物語全体の流れを読み込むことの重要さを納得しました。視聴者が感情移入している話者の立場に立って演じるような気持ちで言葉を考える必要があるということです。

この日最高の盛り上がりとなったのは、後半のワークショップ。テキストのシーン(パターン)のイラストを参考にして会話文を訳していきます。講師のご指名を受けて何人もの方が感情をこめてセリフを読み上げてくれる度に拍手や笑い声が起こります。

クリスチャン講師「翻訳者はライター。場面やシーンからキャラクターを分析し、そのキャラにふさわしい言葉遣いや言い回しを考えてみてください」

講師2人も会場内を回り、それぞれが練った表現を取り上げて紹介。いきなり翻訳するのではなく、日本語(英語)のセリフにも別の日本語(英語)でニュアンスを考えた上で訳していくのも今回の特長です。「自分が脚本家なら、会話の最後のオチをどのように演出するのか?」を考えていくのです。ペアワークで隣の席の人たちと意見交換をしながら、最後はそれらのセリフをもとにして翻訳に挑戦しました。様々なアプローチ方法や参加者それぞれが紡ぎだすオリジナリティ溢れるセリフが飛び交い、刺激しあえるワークショップとなりました。

質疑応答では「今まで一番苦労したこと」「プロへのきっかけはどうつかむのか?」「いつもスクリプトはあるのか?」「直訳調はなぜ良くないのか?」など多くの方が熱心に問いかけていました。

石井ディレクター「ミュージシャンや俳優などのインタビュー映像は、本人がその場で考えながら話しているので一番的確な言葉が言えているかは微妙です。ミュージシャンの言葉は曖昧だったり、感情的だったりすることもあり難しいですね」

※写真はワークショップで参加者の皆さんが意見交換をしている様子です。

クリスチャン講師「『逆転裁判』(三池崇史監督)の英語字幕は調べ物が大変でした。この作品は大人気の同名ゲームの世界をもとに作られていて、ゲームは世界でもかなり人気を集めています。こうしたメディアミックスの場合、すでに海外で定着しているオリジナルの定訳を当てなければなりません。そのために普段はあまりやらないPCゲームをやって確かめなければなりませんでした(笑)」

今回も参加者の皆さんから嬉しいコメントを多数頂きました。いくつかご紹介します。
ありがとうございました!

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