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vol.33 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 by 藤田彩乃


5月のテーマ:休日

日本で5月といえばゴールデンウィークのイメージがありますが、残念ながらアメリカにはありません。少し意外ですが、祝日の数はアメリカのほうが格段に少ないんです。5月の祝日は最終月曜日のメモリアルデーのみ。戦没者を追悼する日です。つまり今週末は久々の3連休! 多くの人が映画館に足を運ぶことでしょう。

そんな連休を控えたアメリカで、22日『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開されました。前作『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』から19年。脚本が気に入らないことを理由に出演を拒み続けてきたハリソン・フォードがついに承諾。ファンが待ちに待った公開です。

ロサンゼルスのテレビでは過去3作品はもちろん、関連番組がひっきりなしに放送されています。しっかりおさらいして、公開初日、朝一番に映画館へ向かいました。

ネタバレしては台無しになってしまうのでストーリーの詳細は伏せますが、物語の舞台は現実と同様、前作から19年が経過した1957年。第二次世界大戦が終わり、ナチスは崩壊。冷戦に突入した時代です。インディは青年マットとの出逢いをきっかけに、伝説のクリスタル・スカルを探す冒険に出発します。ナスカの地上絵のあるペルーから始まり、ニューメキシコ、イグアスの滝と各地を駆け巡るインディ。クリスタル・スカルの持つパワーを手に入れようとするソ連軍の諜報員スパルコに行く手を阻まれながら、マヤ文明の残した謎に挑みます。

諜報員のスパルコを演じるのはアカデミー賞の常連ケイト・ブランシェット。ロシア語なまりの英語での好演が光っています。正直インディの劣化は否めませんが、派手なアクションシーンは健在。相変わらず豪快に敵を車からぶっ飛ばしています。断崖絶壁でのカーチェイス、大規模な爆発、CG技術を駆使した迫力ある映像など見所は満載。ハラハラドキドキの2時間です。会話のあちこちに散りばめられたインディらしいユーモアはもちろん、インディのヘビ嫌いをネタにしたシーンもあり、きっと笑みがこぼれることでしょう。

東京ディズニーシーのアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」に乗ったことがある人は、「アトラクションで見たあれは、このシーンだったのか!」と別の楽しみ方もできるはず(順番が違う気もしますが)。

過去3作品の登場人物も出てきますので、忘れている人はおさらいしてから観ることをオススメします。少なくとも『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は見たほうがいいかも。巨匠ジョン・ウィリアムズによるあのテーマ曲を聴けば、ファンでなくてもワクワクしますよね。日本公開は2008年6月21日です。お楽しみに!

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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
      キャスリーン・ケネディ
脚本:デヴィッド・コープ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード、ケイト・ブランシェットほか
製作年:2008年
製作国:アメリカ
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