発見!今週のキラリ☆

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vol.71 「あったかい雪の思い出」 by 藤田彩乃


12月のテーマ:「雪」

朝晩は冷え込むものの、昼間は快晴、ぽかぽか陽気で雪とは無縁のロサンゼルス。まったく年の暮れという気がしません。寒いのは好きではないですが、新雪を歩いたり太陽の光に反射して輝く雪を見たりするのは大好き。やはり雪を見ないと冬という感じがしないのは、雪国出身だからでしょうか。

私の出身の北陸富山は豪雪地帯。毎年冬は雪が降ります。幼少期は九州に住んでいたので、富山に引っ越した当初は雪の上を歩けず、すぐに転んでは笑われていたようですが、いつも間にやら立派に雪国っ子になりました。アノラックにスノトレで登校し、スタッドレスタイヤに履き替える大人たちを見て育ちました(雪国以外では聞きなれないカタカナ用語かもしれません)。

北陸は湿気が多いので北海道のようなさらさらした粉雪と違い、ずっしり重く雪かきは重労働になります。はらはらと雪が舞うなどというロマンチックな状況ではなく、傘なんて生易しいものでは太刀打ちできない吹雪に立ち向かうこともしばしばでした。

そんな故郷での雪の思い出をひとつ。中学の頃は部活動の朝練習で早朝6時半には家を出て、30分かけて歩いて登校していました。大通りは歩道が狭く危ないのと遠回りなので、民家の前の路地や小道などを通っていたのですが、大通りと違って除雪車が入ったり融雪装置がついていたりはしません。

でも毎朝、雪が積もった日には通学路の雪がどけてありました。特に車が出て行った跡もないので、家の前を通るであろう誰かのために凍える寒さの中、わざわざ外に出て雪かきをしてくださったのでしょう。一度もお礼を言う機会はありませんでしたが、子供ながらにありがたいなあと思ったのを今でも覚えています。

見知らぬ人のために行動するって、簡単なようで普段なかなかできないことです。すっとドアを開けてくれたり、落とした物を拾ってくれたり、そんな些細なことでも親切にされると嬉しくなるもの。忙しさにかまけて助け合いの精神も忘れがちですが、多くの人の心に光を灯せるよう、心にゆとりをもって暮らしたいなあと思います。

2009年も残りわずか。2000年からお馴染みになっている「00」部分をメガネにしたお祭り気分満載の西暦メガネを見ることもないんだなあと、相変わらずのんきなことを考えていますが、今年も健康に楽しく暮らせたことに感謝感謝です。