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vol.96 『サイドウェイ』 by 相原拓


12月のテーマ:息抜き

仕事のできる先輩たちをみていて最近気づいたことがある。どんなに忙しくても息抜きは必要。映像翻訳をやっている皆さんならお分かりだろうが、ひたすら原稿とにらみ合っているだけではいい翻訳はできない。行き詰まった時は好きなことをして頭を切り替えることも大事だ。友達と話したり、一服したり、あるいはちょっとした一人旅をしたりと、息抜きの仕方は人それぞれだが、いずれにせよ、リセットした状態で作業に臨めばきっと見えてくるものがあるはず。というわけで、今週の一本は、息抜きにぴったりのロードムービー『サイドウェイ』を紹介しよう。

主人公は小説家志望のさえない中年男マイルス(ポール・ジアマッティ)。2年前の離婚からいまだに立ち直れず充実しない日々を送っている。一方、親友のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は元人気俳優で自由奔放に生きてきたプレイボーイ。そんなジャックがようやく身を固めることになり、マイルスはジャックを結婚祝いの旅に誘った。1週間かけてのんびりとカリフォルニア州のワイナリーを巡ったりゴルフを楽しんだりするという計画だったが、ジャックはどうも乗り気じゃない。それもそのはず、ジャックはワインにもゴルフにも全く興味がなく、どうせなら結婚式の1週間前ぐらい思いっきり羽目を外したいと考えていた。

性格もライフスタイルも正反対のこの二人、趣味が合わないのも当然だろう。人生に行き詰まりを感じているマイルスにとってワインとゴルフ三昧の旅は理想的だが、ジャックにとっては物足りなかった。そこで軽い気持ちでワイナリーのバーテンダーを口説いてみたところ彼は本気で恋に落ちてしまう......結局、ワイナリー巡りの息抜き旅行は思わぬ展開になっていくわけだが、少し大げさな言い方をすると、二人はそれぞれのやり方で人生をリセットすることができたのだ。

皆さんは課題やトライアルと格闘しながら行き詰まることはないだろうか? そんな時は「忙しすぎて息抜きする時間もない」なんて言わずに是非この映画を見てほしい。

※ちなみに本作品は昨年、『サイドウェイズ』というタイトルで邦画としてリメイクされている。

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『サイドウェイ』
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ ほか
製作年:2004年
製作国:アメリカ
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