今週の1本

« 2011年8月 | 今週の1本 トップへ | 2011年10月 »

2011年9月 アーカイブ

vol.113 『サンキュー・スモーキング』 by 野口博美


9月のテーマ:炎

最近ちまたでは、タバコが1箱700円になるかもという衝撃的なニュースが話題になっている。世のスモーカーたちは恐れおののいているのだろうが、それ以外の多くのノンスモーカーたちは歓迎していることだろう。

いつの間にか忌み嫌われる存在となってしまったタバコ(昔はどこのオフィスの中でも、みんな普通に吸っていたそうだから驚きだ)。そんなタバコを擁護しようとするのが、今回ご紹介する作品「サンキュー・スモーキング」の主人公、ニック・ネイラー(アーロン・エッカート)だ。

タバコ業界のPRマンである彼は、タバコ廃絶を訴えるフィニスター上院議員(ウィリアム・H・メイシー)や世の中の厳しい意見と戦うべく、日々奮闘している。ハリウッドスターに映画の中でタバコを吸わせてイメージアップを図ろうとしたり、パッケージにドクロマークを付けようとする議員と闘ったりと忙しい毎日を過ごしていたが、魅力的な新聞記者(ケイト・ホームズ)のワナにはまり、仕事を失うことになってしまう。

終始、タバコをテーマに話が進んでいくにもかかわらず、この作品にはタバコに火が付けられるシーンがひとつもない。そんなところに注目しながら観てみるのも面白いかもしれない。私も何度か観ているのに同僚に聞いて最近初めて知った事実なので、もう一度見直してみようと思う。

かくいう私も、3週間前から禁煙に挑戦している。これまで何度も挫折してきたけれど、今度こそはうまくいきそうだ(でも誰も信じてくれない)。ニックのように周りの悪意は気にせずに頑張っていきたいと思う。

─────────────────────────────────
『サンキュー・スモーキング』
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、デヴィッド・ケックナー
製作国:アメリカ
製作年:2006年
http://movies.foxjapan.com/thankyouforsmoking/
─────────────────────────────────