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vol.104 「スマホのススメ」 by 浅野一郎

映像翻訳の本科も終わり、いよいよ面談が始まる。実践コースの修了生はトライアルの結果が気になることだろう。そこで、今回は映像翻訳者にとって有効な、最新ツールを使った学習法を紹介しよう。

それはスマートフォンを使った学習法だ。つい最近、私も遅まきながら、ようやく"ガラケー"から"スマホ"に乗り換え、その恩恵を享受している。

私は映像翻訳者が日ごろからしておかねばならない学習として、"情報収集"と"メディアに接する機会を増やし、気に入った表現などストック化する"という2つに、もっとも重きを置いている。

私は電車に乗ったら、まず米スポーツネットワーク局「ESPN」のWebサイトにアクセスし(もちろんシルバーシートの近くは避けている)、米4大スポーツの世界で、今どんなことが話題になっているかをチェック。次にポータルサイトから海外エンターテインメントのニュースを確認することを常の習慣としている。これでスポーツとエンタメのメジャーな情報は、大体網羅できる。特に海外スポーツに関しては、映像翻訳の素材として多いにもかかわらず、普通に生活している限り、あまり情報が入ってこないので、フルにスマホのWeb閲覧機能を活用している。

次にするのは、車内の広告を隅から隅までチェックすることだ。受講生時代、講師に"電車内広告はウマい日本語表現の宝庫だ"と言われ、以来、女性ファッション誌や雑誌などの広告を見て、ウマい!と思った表現を覚えるなどのトレーニングを実践している。
しかし欠点が1つ... 私はとても忘れっぽいということだ。それならばメモでも取ればいと思うだろうが、混んでいる車内では右手に鞄を持ち、もう片方の手でメモを取るというのはなかなかに難しいのだ。

そんな時に重宝しているのが、我がスマホに搭載している「Evernote」だ。Evernoteは、言わばWeb上の自分だけの備忘録といったようなソフト(アプリ) スマホからもPCからも更新ができるので、いついかなる環境にいようとも、ネットにアクセスさえできれば、最新の備忘録をスマホでチェックできるという優れものだ。車内で気になる表現を見つけたら、まずはEvernoteを起動、そしてノートを作成し、テキストを書き込みWebにアップ。もちろん、入力は楽に片方の手でできる。次々に自分だけのメディア表現ノートが出来上がり、将来的に表現データベースもできるだろう。

私の通勤時間は、約1時間。Webサイトでの情報収集と、気になるメディア表現のまとめを、週に平均で6回程度、これはかなり有効な学習方法だ。
もちろん、有効なのは学習の時だけではない。外出先から会社のメールもチェックができるし、打ち合わせ中に急きょ、調べ物の必要に迫られたときは音声で検索ワードを入力し、検索も可能だ。

手の平サイズのPCとも言えるスマートフォン。一度、店頭などで実機での挙動を験してみることをお薦めしたい。