発見!今週のキラリ☆

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2012年4月 アーカイブ

vol.133 「カエル」 by 野口博美


4月のテーマ:再生

寒かった冬がようやく終わり、春がやってきた。寒がりなくせに厚着が大嫌いな私にとっては、ありがたい季節である。お花見や山登りなどのレジャーを満喫できる素晴らしい季節だが、そういいことばかりでもない。私がこの世で最も忌み嫌う生物、カエルが登場するからである。

春になると冬眠から目覚め、再び地上で活動を始めるカエル。今の時期に愛犬の散歩に出かけると20センチ超はあるであろう彼らに遭遇することが時々ある(怖くて正視できないので種類は不明)。別に何か危害を加えられるわけではないけど、とても横を通り過ぎるなんてことはできない。だから、おそるおそる爪先立ちで回れ右をしなければならないのだが、その日はずっと自分が田舎に住んでいることを呪い、ブルーな気分で過ごすことになる(だって都心でそんなに大きなカエルって見かけないですよね?)。だから春の、特に雨の日に犬を外に連れ出すのは気が滅入るし、とても勇気がいる。

なぜこんなにもカエルを恐れることになってしまったのか皆目わからない。とにかく生理的に受けつけられない。幼い頃はオタマジャクシを空き缶に入れて遊んでいたのに、まったくもって不可思議だ。触ったことがないのでわからないけど、きっとヌルヌルしていて柔らかいであろう体と、グロテスクな色や目つきのせいだろうか。小学生の頃に、車に轢かれてしまった彼らの気の毒な姿を幾度となく目にしてきたせいかもしれない。

たまに旅番組などでタレントがカエルを食し「鶏肉みたい!」とはしゃぐ場面を見かけるが、100万円もらっても遠慮したい。
先ほどカエルの生態を調べてみたところ、彼らは異物を飲み込むと胃袋ごと吐き出して中身を洗浄するらしい。何と恐ろしい。いつかカエルがテーマの案件を担当することになったらどうしようかと今から不安で仕方ない。

vol.134 「伝染する再生」 by 相原拓


4月のテーマ:再生

今さらながら、YouTubeはすごいと思う。単に、好きな動画を視聴したり共有したりできる「遊びの場」という次元を超えて、今や社会現象を巻き起こすほどの影響力を持つ凄まじいツールとなった。それもそのはず、サイト上の全動画の再生回数を合計すると1兆回にも上るという。なんと世界人口の140倍を超える計算になる。

YouTubeの生んだ社会現象といえば、ジャスティン・ビーバー。2008年、当時まだ14歳だったジャスティンが自分の歌っている姿を撮った動画をYouTubeに投稿したところ、話題が話題を呼び、後にマネージャーとなる人の目に留まり、瞬く間に超人気アイドルとなった。

この執筆に当たって、ジャスティン以外にどんな人気動画があるのか気になり、再生回数ランキングを検索してみたら下記のページにヒットした。

「Top 10 YouTube Videos of All Time」
http://www.readwriteweb.com/archives/top_10_youtube_videos_of_all_time.php

ご覧の通り、第1位はジャスティン・ビーバーの「Baby」。記事公開時での再生回数は731,822,454回。驚異的な数字だ。ただ、億単位にもなってくると、僕なんかは「やっぱりジャスティンか...なんかの陰謀?」とまで疑ってしまうが、個人的な意見はさて置き、社会現象であることは確かだ。

トップ10のほとんどがアーティストPVのなか、第6位にランクインしたのは、かの有名な「Charlie bit my finger」(450,016,181 回)。皆さんの中にも、この愛くるしすぎる動画を一度は見たことがあるという方は少なくないだろう。たかがホームビデオとはいえ、ジャスティンやエミネムといった大スターと肩を並べるわけだから、これもまた社会現象以外の何ものでもない。

上記2つの動画に共通しているのは、"ベイビー"ではなく、"バイラル"というキーワード。バイラル(=viral)とは、「ウイルスのように伝染する」という意味で、口コミを指すマーケティング用語である。口コミは、かつては文字通り人の口(言葉)によって話題が広まる現象だったが、インターネットが普及した現代においては、原理こそ同じだが、その広まり方の規模がまるで違う。しかも、テレビでいう視聴率と違って、再生回数は単に瞬間的な話題性を表す指数ではない。というのも、回数が多ければ多いほど(トップ10入りするような動画は特に)、その数字自体が更なる話題を呼び、まさに伝染病のごとく爆発的に急増していく。

もちろん、「Charlie」が莫大な経済効果を生んでいるかというと決してそうではない。(経済学者でもない僕がそう言い切るのもなんだけど...)。 一方で、「Baby」のPVがジャスティンの活動PRになっているように、エンタメ業界外でもビジネス拡大を狙ってバイラル動画を戦略的に活用している個人や企業は確実に増えているという。ヒットすれば、制作費をほとんどかけずに宣伝効果と利益を生み出せるのだから当然の流れと言えるだろう。

最後に、こんな記事も見つけたので紹介しておこう。

「ジャスティン・ビーバーの 「Baby」 がYouTube史上最も嫌われている映像に」
http://www.vibe-net.com/news/?news=2007819

詳しくは本文を読んでほしいが、なんとも皮肉ではないか。どちらかというと、こっちの方が僕好みのネタなので触れずにはいられなかった。ファンの方々、どうかお許しを。