発見!今週のキラリ☆

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vol.125 「その贈り物は誰のため?」 by 杉田洋子


12月のテーマ:プレゼント

早いもので2011年もあと10日を切りました。
これが今年最後のキラリです。

週末にはクリスマスを控え、誰かに贈り物をしたり、もらったりする機会も増えることでしょう。
私はといえば贈り物を選ぶのが下手で、いつも悩みに悩み抜いています。
でも贈り物をするのもされるのも、相手との絆を深める素敵なものだと思っています。

贈り物を選ぶ時は誰もが、"あの人は何をもらったらうれしいだろう"、と考えるはずです。
もちろん、予算とか、時間とかの制約もありますが、その中で精一杯の可能性を考えます。
一方もらう側に立った時、"私のことを考えて私だけのために選んでくれたんだ、作ってくれたんだ"、と思ったらそれはそれはうれしいものです。

女性なら誰でも好きだろうと思って大盤振る舞いの大粒のダイヤをもらうより、
高価じゃなくても一生懸命心を込めて相手本位に選んでくれたプレゼントの方が、私は心に響きます。
もちろん、受け手が本当に宝石が好きだからとか、一世一代のプロポーズだからという場合は別ですが、要は、送る側が"自分本位"だったか"相手本位"だったかということです。

そう考えてみると、贈り物を選ぶというのは、日常生活の中で自然としてきた極めて相手本位の行為だと言えるでしょう。ある意味、翻訳ととても近い行為かもしれません。
翻訳をする際は、とにかく相手(視聴者)本位の原稿を作る姿勢が求められます。
言い分けつきの、エゴ混じりの翻訳ではなく、あくまでも受け手に正しく分かりやすく伝えることを一番に考えることを念頭に置くこと。急いで適当に訳す(選ぶ)というやっつけ仕事はNG。
そして納期(当日)に間に合えば言うことなしです(もちろん、翻訳の場合はこれは必須です)。

様々な制約の中で、相手のために一生懸命選んだプレゼントが相手の心に届くのと同じように、相手のために誠意をもって紡いだ言葉は、相手の頭にしっかりと届くはず。
何事も、ついつい独りよがりになりがちですが、"思い上がり"ではなく、"思いやり"をモットーに行動したいものです。

今年も関わることができたすべての皆さんに感謝の気持ちを込めて...
素敵なクリスマスをお過ごしください!!