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vol.133 『レインマン』 by 野口博美


6月のテーマ:雨

今月のテーマは「雨」。真っ先に頭に浮かんだのは『雨に唄えば』だったが、浅野に先を越されてしまったので第二候補を選んでみた。ダスティン・ホフマン主演のあまりに有名な名作ではあるが、「タイトルの由来は?」と聞かれてすぐに思い出せない方も少なくないのではないだろうか。

この作品について書こうと思った時に、父親の死をきっかけに自閉症の兄がいることを知ったトム・クルーズが兄を連れて旅に出る、というあらすじは覚えていたものの、レインマンが何を意味するのかは皆目思い出すことができなかった。そこで改めて作品を観てみると(当たり前だか)一瞬にして謎が解けた。

実はかつて一緒に暮らしていたレイモンド(ダスティン・ホフマン)とチャーリー(トム・クルーズ)。幼いチャーリーは"レイモンド"とうまく発音できなかったため、兄を"レインマン"と呼んでいたのだった。

ものすごく久しぶりに観て物語の詳細をほとんど覚えていなかったので、とても新鮮な気持ちで映画を楽しめた。私が大人になったせいもあると思うけれど、トム・クルーズのあまりの傍若無人っぷりにちょっと腹が立ってしまった。いくら二枚目でもあんな男とは付き合いたくない。恋人のスザンナは本当に人間がよくできているな、と妙なところで感心してしまった。皆さんもしばらく観ていない作品を観てみると、思っているよりずっと楽しめるかもしれない。

余談だが、私の弟ハジメの幼なじみのノンちゃんは、チャーリーと同じ理由で弟を"ハノリル"と呼んでいた。ハジメよりずっと口にするのが難しそうなのに...。子どもって不思議だ。


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『レインマン』
監督:バリー・レヴィンソン
出演:ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ、ヴァレリア・ゴリノ 他
製作国:アメリカ
製作年:1988年
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