発見!今週のキラリ☆

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vol.162 「夏服界における絶対的存在。」 by浅川 奈美


6月のテーマ:衣替え


6月、冬服から夏服への衣替え。
一斉に紺色ブレザーから白シャツ一色に変わった教室は、一段と明るく感じたものだ。視覚的効果は抜群。梅雨前線が絶賛活発なこんな季節でも、気持ちは一気にアゲアゲだ。そう、ウキウキのワクワクが止らなった制服を着ていたころの夏。

中学・高校において冬服から夏服への移行は5月下旬から6月初旬。そして冬服へ戻るのは10月。時期については地域にもよるが、大体こんな感じだ。中高ともにブレザーの学校に通った。夏は、ブレザーなし、セーターなし、シャツ一枚。3年目になるとテカってきちゃうような通気性のいい薄手素材のスカートといったスタイル。1年のうちに4ヶ月くらいしか夏服って着てなかったんだなと今更ながら気づいてちょっとさびしくなった。私は夏服が好きだった。

「だってあそこの制服かわいいじゃん」
っていうのは、進学校を選ぶ理由としていまだに健在なのか?この少子化時代、一人でも多くの生徒獲得のために伝統の制服デザインを一新、チェックのスカートとブレザーに変えちゃいました、なんて学校も実際あったであろう。それと、都内でのセーラー服遭遇率がめっきり減ったことと関係性を否めない。『あまちゃん』でも、この変化は見られる。母親・春子が通っていた時代はセーラー服だった北三陸高校の制服も、娘・アキが通う現代ではブレザーになっている。セーラー服は、私にとって、一度も袖を通したことのない、あこがれのままあり続ける存在だというのに、世間ではもはや斜陽アイテムなのだ。そんな危惧とは無関係にアニメの世界では圧倒的な存在感を示している。月野うさぎだってセーラー服あっての超有名戦士だし(ちょっと古いが、避けては通れない。その人気、世界レベル)、涼宮ハルヒが通う県立北高校では、男子はブレザーでも女子はセーラー服(amazonではウィッグ付きで\4,999で買えます)。咲ちゃんだって、日暮かごめだって小松崎海だって(昭和過ぎ?)セーラー服を着ているのである。まぁ、例を挙げればきりがない。

不思議な論調で本日のコラムを書いているのは本人が一番気づいている。だが、多大な影響を私に与えたこの作品に触れずにはいられない。1981年制作の角川映画『セーラー服と機関銃』(相米慎二監督)である。この作品のポスターを覚えているだろうか?セーラー服を着たショートカットの薬師丸ひろこが、まん丸の目を見開いて機関銃を高々持ち上げている、あのビジュアル。今見てもかなりの"キュン"ものだ。あのわき腹をほーんの少し見せるか見せないかで、このポスターの魅力は格別に変わる気がする。1990年代後半に安室奈美恵をきっかけに流行した腹見せファッション。腹見せ、へそ出し、へそピー(ピアス)姿の女子たちがそここちらに出現したのだ。しかし、この映画はそれよりずっと前。1981年制作。あのポスターに見る薬師丸ひろこのわき腹は、当時、効果絶大、男子のみならず女子の心までグッとつかんだのであった。たぶん。夏のセーラー服。1920年ぐらいからずっと日本の学校に制服として採用されつづけたデザインにはそんな絶対領域(※注)があったのだっ。たぶん。

「僕はあのポスター大好きですが、同時に悲しくなりますよ。
どんなにキュンとしても、はなから渡瀬恒彦にはかなわないんだろうなという...
敗北感が心に広がるんです。」

同世代の某ディレクターのちょっと切ない、いや、かなり痛いコメントを紹介して本日のコラム、終わり。

【※注:絶対領域】
スカート、ショートパンツなどのボトムスとニーソックス(サイハイソックス)を着用した際にできるボトムスとソックスの間の太ももの素肌が露出した部分を指すオタクの使う萌え用語。
(Wikipediaより)