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vol.161 「衣替え」 by塩崎 邦宏


6月のテーマ:衣替え

私が通っていた中学校では、衣替えはピンポイントで決まっていた。5月31日まで冬服を着ていて6月1日からは全校生徒が一斉に夏服になる。暑さ寒さによってどちらを着ても良いという移行期間がないのだ。でも、それはそれで新鮮だった。昨日まで一緒に過ごしていた友達がいつもと違って見えてくる。お互いちょっと気恥ずかしさがあり教室の中も一気に明るくなる。好きだった女の子もいつもより眩しく見えたりした。テンションも上がり、友達と意味もなく廊下を走り先生に怒られたりもした。

実家に住んでいるときは私服もちゃんと衣替えをしていた。というか親がしてくれていた。今思うと本当にありがたい。しかし、一人暮らしを始めてからは収納スペースがなくなったこともあり、衣替えをしなくなってしまった。もちろん、コートやジャケットなどはクリーニングに出すが、そのままクローゼットに戻すだけだ。夏に着る半袖シャツやTシャツも同じ部屋のタンスの中にある。そして、ただそれを出して着るだけなので衣替えをしている感覚がない。

衣替えのように、身近な環境が変わることによって心も一新して何か新しいことや今まで挑戦したことのないことに自然と目が向いているときがある。

学生時代、私は授業の英語が大嫌いだったが洋画や海外TVドラマは大好きだった。そのこともあり、いつか英語ができるようになりたいという願望はずっと心の奥底に持っていた。いつも着慣れないスーツを着て就職活動をしていたとき、今、英語を勉強しないとこのまま一生何もやらないなと思い一念発起した。せっかく英語を勉強するなら好きなドラマに字幕をつけたいと夢を抱き、映像翻訳者を目指した。結果、立派な翻訳者にはなれなかったけど、何本か翻訳の仕事をさせていただいたことにとても感謝している。もし、あの時思い立たなかったら今でも勉強しておけばよかったとずっと後悔していたと思う。

基本、私は何をやるにも"石橋をたたきすぎる"傾向がある。結局、考え過ぎて何も行動をしなかったということがたくさんある。チャンスやきっかけがあったのに一歩を踏み出さずに終わってしまう。何か始めようと思うきっかけはどこにでもあり、いつ始めるかは自分で決められる。まさに"思い立ったが吉日"だ。衣替えも、気分を一新して何かに挑戦する良いきっかけになるのではないだろうか。今年の夏はいつもより少しちゃんと衣替えをして新しく前に一歩踏み出してみよう。自分の世界がもっと広がり新しい自分を見つけられることに期待をして。