発見!今週のキラリ☆

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vol.171 学びの場 by 野口博美


11月のテーマ:学び

この数年で一番勉学にいそしんだ時期といえば、やはり日本映像翻訳アカデミーに通っていたころのことでしょう。

お酒大好き!な私が、同僚や友人との飲み会を最小限にとどめて1年半、毎週課題に取り組みました。土日はもっぱら図書館に通い、調べもののための書籍を借りまくる休日の繰り返し。今週は車のエンジンオイル関連、次の週はモモアカノスリの生態に関する書籍を大量に借りていく私を、図書館で働く人々はどう思っていたのでしょうか。

講義を受けた帰りには次週の課題のスクリプトを電車の中で読んだり、課題の納品時間ギリギリまで見直しをしたりと、とにかくものすごい労力を学びに費やしていました。あのころのバイタリティは一体どこへ消えてしまったのか...。あのエネルギーがあれば、何でもできるような気がします。

それほど課題に時間をかけられたのも、当時の職場の仕事量が比較的少なかったからでしょう。貿易会社で働いていましたが、朝日新聞の用語の手引がデスクの上にたたずんでいても、何も言われないというかなり恵まれた環境にいました。そのころは"なんてラッキー!"としか感じませんでしたが、今思い返すとかつての同僚、上司に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そんな感じでひとり黙々と映像翻訳を学んでいた私は、極度の人見知りであることも手伝い、基礎コース・Ⅰ(現在の総合コース・Ⅰ)の終盤まで、クラスで当てられて発言する以外はひと言も言葉を発さずに学校を後にしていました。でもある日、1人のクラスメイトが私に声をかけてくれたことで、彼女や他のクラスメイトとその日の課題の内容や勉強するうえでの悩みなどを話し合うようになり、それまで抱いていた将来への不安が少なくなったように思います。同じ目標を持つ仲間の存在にとても勇気づけられたものです。

最近では、みんな忙しくて会う機会もめっきり減りましたが、映像翻訳を学ぶために足を踏み入れた学校で、翻訳のノウハウだけでなく友人も得られたなんて、とてもありがたいことだと思います。その後、縁あってアカデミーでディレクターとして働くようになり、やがては自分が講義で教える立場になるとは...。人生何が起きるか分かりません。

話がそれましたが、現在、クラスを受講中の皆さんも、クラスメイトと親睦を深めながら楽しく学んでもらえればと願っています!