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vol.172 「親孝行」 by 相原拓


12月のテーマ:帰省

母親が還暦を迎えた。相変わらず年齢を感じさせない元気なおばさんなので実感が湧かない。そんな母はここ最近、祖父母の介護で毎週のように福島の実家に帰っている。精神的にも肉体的にも相当な負担のはずだが、本人は決して苦ではないという。

「人は年寄りになると赤ちゃんみたいにオムツをはくようになって逆戻りしていくんだよね。親子の立場が逆転するの。そう考えると、育ててくれた親が弱くなったら、子供が面倒をみてあげるのは当たり前のことだよ」

母はそう考えるらしい。言われてみるまでは親の介護について深く考えたことがなかったが、確かに母の言う通りかもしれない。あまりにもあっさりと言うものだから本当に苦労していないようにすら聞こえた(もちろん、そんなはずはないが)。その親孝行っぷりに心を打たれた。自分の立場に置き換えて考えてみると、罪悪感まではいかないが、反省の気持ちというか、たまには親に会いに行かないとなあ、元気なうちに親孝行しておかないとなあ、そう思えてくる。

ちなみに、辞書で「帰省」を調べると「故郷に帰り父母の安否を問うこと」とある。これまでは単に故郷に帰ることを指すのかと思い込んでいたが、本来は子が親を省みるための帰省ということか。今更ながら漢字の由来が分かってスッキリしたところで、今週末は久しぶりに実家に帰ろうと思う。