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vol.159『華麗なるギャツビー』 by野口博美


7月のテーマ:乗り物

最近、仕事でクラシックカーを題材にした作品に触れる機会が多い。昔からコロンと丸みを帯びた外見のクラシックカーが大好きだった私にとっては喜ばしいことだ。現在劇場公開中の『華麗なるギャツビー』にはそんなクラシックカーがたくさん登場する。

舞台は"狂乱の20年代"と呼ばれた1920年代のニューヨーク。謎の大富豪ジェイ・ギャツビーは、かつての恋人デイジーがいつか訪ねてくることだけを願い、毎週末、ド派手なパーティーを豪奢な自宅で開いていた。
"戦争中の功績を称えられ、たくさんの国から勲章をもらった"とか"オックスフォード大卒"など、生い立ちを語るもののどこか胡散臭いギャツビー。そんな彼が所有するのが、鮮やかなイエローで"特注でターボチャージャー付き"のデューセンバーグだ。かっこいいけれど、ちょっと成金趣味な感じは否めない。一方、デイジーの夫トムの愛車はブルーのクーペ。ギャツビーとは対照的に上流階級らしく控えめで上品な外観をしている。その後、ひょんなことからお互いの車を一時的に交換したことで、ギャツビーに思いもよらない悲劇が訪れる。

美しいクラシックカーもたくさん登場するけれど、ティファニーのジュエリーや、プラダ、ミュウミュウの衣装も作品の見どころのひとつ。きらびやかな装飾品を見ているだけで女子力がアップするような気分になる作品だ。

主演のレオナルド・ディカプリオがバズ・ラーマンの作品に出演するのは17年ぶりのことだ。
1996年公開の『ロミオ&ジュリエット』を観てディカプリオに恋をして以来、私は彼の出演作をはじめ、その監督が手がけた作品、その中で気になった俳優の作品...と手当たり次第に映画を観まくるようになった。彼と出会ったことがきっかけで翻訳の道を目指すようになったといっても過言ではないだろう。ただ、当時の私が文集に書いた将来の夢が"字幕なしで映画を理解できるようになること"であるのにはちょっぴり複雑な気分になるけれど。

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『華麗なるギャツビー』
監督:バズ・ラーマン
出演:レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア
製作国:アメリカ
製作年:2012年
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